結局、祭りは庶民のもの。
お上が阻止しようとすればするほど反発で燃え上がる。
振興協会が阿波おどり総踊りを強行した。
両国通りは大混雑。
千人を超す踊り子が集結し、総踊り見たさの客も大集合。
そこに黄色いTシャツ姿の市の職員がやってくる。
中止の要請である。
ここで振興協会の山田会長は巧みだった。
声高に反発するのではなく、見物客に委ねたのだ。
「止めろっていうけど、どうしましょうか?」と。
すると見物客からは、市職員に対する帰れコールが沸き起こる。
高張り提灯の下、集まった踊り子と見物客。
それは、さながら百姓一揆か米騒動か。
観光協会と阿波おどり振興協会憎しで始まった、平成最後の阿波おどり騒動。
市長サイドは振興協会と真っ向対決。
潰したかったのだろうが、結果、その力を利用され振興協会の山田会長をヒーローに仕立ててしまった。
相手の力を利用するなど、まるで合気道。
両国通り夏の陣。
ここは振興協会の快勝か。
はらわたの煮えくりかえる思いの徳島市長。
このまま引き下がるとも思えない。
だが、世論は明らかに反市長。
「明日の最終日、総踊りを復活させます!」
とでも宣言すれば、風向きは変わるかも知れないが・・・。