「万引き家族」を見に行った。
日曜日の午前九時半。
客の入りはまずまず。
いつもは平日しか行かないから、日曜日だからなのかカンヌのパルムドールだからなのかは分からないが、大人の映画に客が入るのは良いことだ。
棄てられた人々が、一つの家族として暮らす物語。
彼らをつなぐのは「万引き」。
舞台は東京の下町。
年金暮らしのおばあさんが住む小さな家に集まった5人。
その暮らしぶりは、まるで戦後の長屋。
現在のTOKYOに、あんな暮らしがあるのかと世界は驚いたに違いない。
でもあるのだ。
ネグレクトで傷ついた子供は、つい先日のニュースそのものだ。
ラストシーンに描かれた現実の非情さ。
誰もが「ゆり」「じゅり」「りん」と三つの名前を持つ少女の幸せを願ったと思うが、是枝裕和はそんな甘いハッピーエンドは用意しない。
少女の瞳に映った東京と未来に暗澹たる気持ちになった。
昨日はテレビで「海街diary」を見て、今日は「万引き家族」。
「海街diary」には桜のトンネルを広瀬すずが自転車で通り抜ける美しいシーンがあるが、実は二人乗り。
テレビドラマでは絶対できないシーン。
今の時代、法令違反には容赦ない批判の礫が飛んでくる。
「万引き家族」も万引きを子供にやらせるという設定にPTAがいちゃもんつけなければいいが・・・。
スペクタクルな映画やCGだらけの映画を見慣れた人には退屈かもしれないが、最近のカンヌパルムドールにしては見やすく分かりやすい。
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