会見で知事は怒りを露わにしていた。
徳島市の新ホールを巡る新たな障害。
まるで子供同士の喧嘩にしか見えない。
文化センター跡地での建設計画。
障害はあの土地の一部が県有地だったということ。
ほとんどの市民が知らなかった事ではないのか。
少なくともボクは知らなかった。
市は引き続き県から借りるつもり。
ところがこれがスムーズにいかない。
そのこと自体も市民には理解し難いこと。
それでも借りられないとは誰も思っていなかった、はず。
ところが、知事が「交渉は無期限停止」と言い出した。
交渉途中にあるにも関わらず、市がホールの建設事業主体が決定したと公表したことに憤慨してのこと。
権威主義者がとりがちな行動。
「オレ、聞いてないから」という類の子供じみた意趣返しである。
しかし裏に潜むのは醜い政治家たちの権力闘争。
市長と知事の確執は先代からのこと。
それが西新町の再開発を遅らせた要因というのは明らかな事実。
どういう風の吹き回しか、ようやくホール建設の話がまとまり進み出したところで横槍を入れたのが現市長。
その市長のバックにいる国会議員が知事とは反りが合わない。
それは先の知事選でも明らかだし、先日の吉野川市長選でもあからさまだった。
当初、現市長と知事は協調路線で行くのかと思ったが、ここに来てすっかり離反したかのよう。
そのツケが今回の子供じみた意趣返しである。
市民にも県民にもあずかり知らぬところで、念願のホール建設がまた宙に浮きかけている。
彷徨う音楽ホール。
ホールの建設にあたる事業主体には隈研吾の設計事務所が加わっている。
もしこの計画が頓挫することにでもなれば、徳島市は阿波踊りに次ぐ失態を全国に知られることになる。
くだらぬ政治家の思惑でそんな無様な姿を晒して欲しくはない。