ウォーキング・レボリューション

地に足を付けて、自然と伝統文化に寄り添いながら、日々の生活を丁寧に送っていく。そんな暮らしの革命です。

繭玉の鈴なり響く多摩の里

2010-02-28 23:23:23 | 歳時日記
 今日は、旧暦の小正月である。中国から暦が輸入される前は、満月の日が年の始まりとされていたらしく、その名残で小正月と呼ばれるようになったそうだ。小正月には、日本各地で様々な行事が行われるが、養蚕が盛んな地域では「繭玉(新年)」が飾られた。繭玉とは、「餅花(稲の花)の一種であり、米の粉を繭の形にして木にさしたもので、東日本に多くみられる」(139頁) ものだそうで、蚕の安全を祈るために飾る。実家でも一時期養蚕をしていたからか、今でも繭玉を作っている。ただし、自分が生まれてからは、繭玉の団子だけを作り、木にはさしていない。ということで、今日の一句。

  繭玉の鈴なり響く多摩の里

 実家では団子を米の粉で使って作っていたが、これは白繭といい、トウモロコシ粉の団子は黄繭といったそうだ。また、餡入りの少し大きめの団子も作ったが、この餡はサナギに見立てたものだそうだ。しかし、餡入り団子は、死に繭・染み繭につながるといって避けた地域もあったらしい。また、団子以外にもみかんやきんかんを飾ることもあったが、サビマユ(染み繭)になるからと嫌う人もいたそうだ。
 繭玉の団子は、16日か17日に収穫に見立てて枝から外す。団子は、小豆粥に入れたり、囲炉裏の灰に埋めて焼き、醤油などを付けて食べたそうだ。地域によっては、焼くと焼け繭(屑繭)になるからと焼かずにふかして砂糖をかけて食べたり、醤油を付けると屑繭ができるからと焼くだけでそのまま食べたりしたそうだ。昔の人の養蚕への思いが感じられる話だが、自分はそんなことは知らずに、オープントースターで焼いて、醤油を付けて食べていた。

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