東埼玉病院 リハビリテーション科ブログ

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失語症患者さんとのコミュニケーションについて

2021年11月01日 | 臨床雑記

皆さんは「失語症」をご存知でしょうか?

失語症とは脳梗塞等の脳血管障害の後遺症の一つで、「言いたい言葉が出てこない」

「相手が何を言っているのかわからない」といった症状が見られます。

 

 

 

 

失語症は「聞く」「話す」「読む」「書く」のいずれか又は複数の能力に困難が生じます。

①『聞く』側面

聴力に問題はないのに、相手がなんと言っているのか理解できない。

外国語を聞いているように感じるそうです。

②『話す』側面

言いたいことは頭には浮かんでいるのに、言葉にできない。

思っている言葉とは別の言葉を言ってしまう。

③『読む』側面

文字は見えるのに、意味が解らない。声に出して読むことが出来ない。

④『書く』側面

文字が思い出せない。書きたい文字と違った文字を書いてしまう。

 

 

生活するうえで言葉を自由に使うことが出来なくなれば、非常に不便で困りますよね。

本人だけでなく家族やその周囲の人も困ると思います。

失語症患者さんとリハビリを行う際には、機能回復のための訓練だけではなく

患者さん個人の能力に合わせたコミュニケーション方法の確立が必要になってきます。

患者さんは、今まで当たり前のように話していた言葉を障害され、言いたいことを言えずに

我慢してしまったり、会話に対して消極的になり気分が落ち込んでしまう方も少なくありません。

まずは簡単な挨拶やYes/Noなどの反応からでもいいので、やり取りが成立することを経験して

いただき、自信を持ってもらうことも大切だと思っています。

そのためには、言語聴覚士が患者さんと話すとき、どのように接し、どのように声掛けを行えば

良いのかを模索し、他職種へ伝えるようにしています。また、必要に応じてコミュニケーションシート

を作成し病棟生活でスムーズにやり取りを行えるようにしています。

 

  

                       コミュニケーションシートの一例

 

退院の際には家族の方へ指導を行う場合もあります。最近はコロナの影響で病院の面会に制限があり、

家族の方にお会いする機会が少なくなっており時間をかけて指導をすることが難しくなっているため、

より分かりやすく伝えられるように工夫をしていきたいと思います。

 

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