体は容れ物 (ひとかげ、より)

（よしもとばなな、「ひとかげ」より）
『私ね、そのときに命の秘密を知ったのよ。　死んでもなくなるわけでない何かを、体で知ったの。
母はその頃私にとって、見上げる宇宙、永遠に続いてしかるべきものだった。
でもその日、私は泣き叫び逃げ惑う母や、血を流して横たわり、しだいに肉体から離れていき、
肉体が「もの」になっていく様子をいっぺんに見てしまったの。
体は容れ物だけれど、大事なものだということも知ったよ。
だからこそ、心をこめて車の整備をするように整えていくと、
その人の中から何かしら見たいことのない力が立ち上がってきて、勝手に治っていく、そう思った。』

わたくしは心は体に100％依存すると考えています。
といいますか、内蔵のひとつだと。
もちろん、目には見えないのですが。

よしもとばななが、女主人公のとかげの言葉で指摘しているとおり、心が＜体調不良＞のときは
体をいたわって整備することが一番の早道でしょう。
心が駄目と感じるときに心を鍛えようとすると、心だけでなく体までも駄目になることがあります。
心と体は相思相愛の仲だから、相方の好調不調に敏感に反応する。

心が疲れているときには体をいたわってあげてください。
体が疲れているときには心にも優しくしてあげてください。