優しい男

2008-07-31 22:43:19 | 雑記帖
オリコンの女子高生へのアンケート結果で
性格がいい、話が合う、優しい が彼氏に求めるベスト3になっていました。
ふーん、もし自分に娘がいたら言うだろうなぁ。
こういうタイプの人は、あなただけじゃなくて誰にでもそうなんだから危険よ。

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しいちゃん(義妹)の女友達、キョウコさんはご主人を肺がんで亡くした。
今から二年前の話で、ご主人は50歳だった。
聡明でいながら性格は穏やかな人で、結婚して25年間夫婦の記念日にはイベントを欠かさず、キョウコさんの誕生日には薔薇の花束と心のこもった贈り物があったそうです。

そのご主人が亡くなってみたら。
あちこちのサラ金からお金を借りていて、総額が3000万円を超えていた。
葬儀にはご主人の女友達と名乗る女性が何人も登場した。
「Cさんは(キョウコさんのご主人)思いやりがあって優しい、素晴らしい方でした。 あんなにいい人が若死にされるなんて納得できません。 奥様の健康管理に問題があったのではありませんか」
初七日にお線香をあげにきて、よよと泣き崩れる人あり、霊前にと長い手紙を書いてよこす人あり。

キョウコさんのご主人は、万人に親切な人だったのです。
思いやりがあって優しくてマメに尽くしてくれる。 それは最愛の奥様にはもちろんですが、ガールフレンドたちにも発揮されていました。
素敵なご主人は他の女性にも素敵だった、という顛末にキョウコさんは落ち込んでしまいました。


~~~二年経って~~~
サラ金の借金は、借りた当人が死亡した場合にはチャラになるそうで(そうでない場合もあるのかも知れませんが)、キョウコさんには実質的な被害はありませんでした。
ご主人の女友達からも連絡が途絶えた現在、キョウコさんは静かに暮らしています。

「亡くなった主人は、私にだけ優しかったわけじゃないけれど、でも私を一番大事にしてくれていた、それはまちがいない」
しいちゃんとお茶を飲みながら、キョウコさんはしみじみ語りました。
「彼の愛情は本物だったと思う。 彼と結婚して良かった・・・」

~~~もうひとつ後日談~~~
キョウコさんからしいちゃんに、電話があったそうです。
「優しかった主人がいなくなって、淋しくてしょうがないの。 寝るときは毛布を巻いてそれにしがみつくようにして眠るのよ、体温が伝わる相手がいないって悲しいことね」
「・・・」
「ねぇ? 再婚しようかと思うんだけど、どうかしら」

危険なのは、万人に優しい男ではなくて、優しい男に甘やかされた女のほうかも。



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