明日を担う音楽家たち2011 東京オペラシティコンサートホール

2011-02-06 00:58:14 | 芸術・芸能系
文化庁:新進芸術家の海外研修 ←カーソルを合わせるとリンク先に移動します。

昭和42年度から継続されている研修制度だそうです。(そういえば知っていましたが、自分には無縁のことなので(笑)忘れていました)

1.ピアノデュオ 瀬尾久仁、加藤真一郎
 プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調

2.ヴァイオリン 梁美沙
 ショーソン:詩曲 作品25

3.クラリネット 豊永美恵
 ヒダシュ:クラリネット協奏曲 センプリーチェ

4.チェロ 原田哲男
 ドヴォルザーク:森の静けさ 作品68-5
 ドヴォルザーク:ロンド ト短調 作品94

5.ヴァイオリン 白井圭
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第4番二短調 K.218

オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団、指揮は円光寺雅彦さん。

~~~
多彩でした。
クラシックコンサートは東京では星の数ほどあって、チケットを買うときには時間帯と会場、それから好きな楽器、プログラム、そしてお値段で選んでしまうから、どうしても偏ってしまいます。
たまにこのような「予測がつかない演奏会」に行くと刺激になって良い。

どの演奏者も気合の入った演奏でした。

実は2列目の席だったのです。
いつもは舞台を遥かに見下ろす位置で聞いていることもあって(安い席ってことですわい)、とまどいました。

コンサートマスター(CM)の真下。 痩身の青木高志さんに注目してしまう。 隣席のもうひとりのCM:ネイサン・ギエムさんの分厚い体といい対照で、すごく気になりました。
ソリストが出演しないオーケストラ曲でじっくり聴きたい。

ダブルCMってあるんですね。
ソリストは演奏が終わるとCMと握手をしますが、青木さんとギエムさんの二人に握手を求めていたのはそのせいだったのか。

もとい。
若手演奏家について書かなくては。

プロの演奏者は新進といえども基本的な技術はもうクリアしているから、あとは表現力だけの問題です。
それでも、手に汗を握る・・・まではなかったですが、緊張感は相当感じました。
楽曲を純粋に楽しめたのは最後に演奏した白井圭さんで、この人は他の演奏家より頭ひとつ(か、ふたつ)抜け出ている印象。

瀬尾久仁さん、加藤真一郎さん
ピアノの技術については私にはわかりません。 好きかそれほどでもないか、だけ。
カジュアルな楽曲でのピアノデュオでしたから、見ていても楽しそう、聴いていても楽しかった。

梁美沙さんが演奏した曲はさすがエルネスト・ショーソンですね。 私はこの人の楽曲がかなり好きなんです。 だから嬉しかった。
演奏としては中音はよく響いていました。 高音・低音がそれに比べると響かない。
緊張していたのでしょうね、でも楽器の性能もありそうでした。

クラリネットの豊永美恵さん、やはり緊張のせいか固くなって吹ききれていない感じがしました。
これは演奏を積み重ねることで解決すると思います。
ソリストとして大舞台で演奏する機会がどれだけあるかで決まると思う。

原田哲男さんは一番あがっていたように見えました。
自分でもそれを感じていて、苦しそうだった。
しかし、本人が感じているほどは演奏は悪くなかったのでめげずにがんばっていただきたい。

再び白井圭さん。
1983年生まれですから28歳か。 態度に貫禄があったから30代かと思ったら意外と若い。
彼はとっくに水準は突破していて、もう一段階上れるかどうかの難しい場所にいます。
安定感のある器用な中堅演奏家という立ち位置には留まりたくないでしょう。
正念場ですね、突破して欲しいな。

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