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【現代思想とジャーナリスト精神】

岐阜県知事選2021にみる市民と共産党の共闘の可能性

➊ 1月24日に行われた岐阜県知事選の結果は次の通りである。NHK選挙WEBのデータを典拠としている。
岐阜県知事選
• 立候補者数 4
• 有権者数 1,655,160
• 投票率 48.04%
• 開票終了
告示日:1月7日 投票日:1月24日  1月25日 00:02 更新
当選古田 肇無現73歳当選:5回目
元外務省経済協力局長元経済産業省商務流通審議官
388,563票(49.2%)

江崎 禎英無新56歳
元内閣府大臣官房審議官元岐阜県商工労働部長
319,188票(40.4%)

稲垣 豊子無新69歳推薦:共産
新日本婦人の会岐阜県本部会長元小中学校教諭
49,928票(6.3%)

新田 雄司無新36歳
薬剤師元岐阜県職員
32,316票(4.1%)

❷ 結果をみると、保守分裂した現職と新人の2人を足すと、707751票に達する。だが、有権者数 1,655,160票において保守合計2人の得票率は、
707751÷1655160×100=42.76%と、なんと有権者の過半数にも達していない。
投票率自体が 48.04%と、山形県選挙としては低い結果である。
 
❸ 県民の立場にたついながき豊子候補の投票結果を見る。
県内42か所の市町村ごとの選挙結果を見ると、全県で6.3%のいながき候補が10%
前後に到達している地域がある。いながき候補が8%を超えた地域は以下の通りである。

➀多治見市投票率40.95%開票終了
古田 肇19,522(52.5%)
江崎 禎英12,573(33.8%)
稲垣 豊子3,063(8.2%)
新田 雄司2,061(5.5%)
②中津川市投票率52.89%開票終了
古田 肇20,471(61.1%)
江崎 禎英8,203(24.5%)
稲垣 豊子3,380(10.1%)
新田 雄司1,448(4.3%)
③恵那市投票率55.07%開票終了
古田 肇13,402(59.4%)
江崎 禎英6,242(27.7%)
稲垣 豊子2,022(9.0%)
新田 雄司897(4.0%)
④可児市投票率41.56%開票終了
古田 肇16,422(50.5%)
江崎 禎英11,573(35.6%)
稲垣 豊子2,625(8.1%)
新田 雄司1,924(5.9%)

 一方、いながき候補が最下位の市町村は以下のとおりである。
➀白川村投票率84.40%開票終了
古田 肇828(76.0%)
江崎 禎英206(18.9%)
新田 雄司35(3.2%)
稲垣 豊子21(1.9%)

②白川町投票率70.35%開票終了
古田 肇2,975(61.5%)
江崎 禎英,405(29.1%)
新田 雄司231(4.8%)
稲垣 豊子224(4.6%)

③富加町投票率59.99%開票終了
古田 肇1,447(52.6%)
江崎 禎英997(36.2%)
新田 雄司164(6.0%)
稲垣 豊子143(5.2%)

④坂祝町投票率51.86%開票終了
古田 肇1,555(47.2%)
江崎 禎英1,054(32.0%)
新田 雄司484(14.7%)
稲垣 豊子200(6.1%)

以上からいえることは
・県内21市全市では、いながき候補が最下位の市はない。
・県内21の町村では、4町1村で最下位である。
・いながき候補は都市部では健闘の跡がうかがえるが、町村部浸透が課題である。

❹ いながき豊子氏は、教育運動でも女性運動でも卓越した実践家である。
「恵那の教育」で全国的に知られる中津川市・恵那市では市民のあいだでも10%前後の支持を得ている。新婦人の会でも選挙運動でツイッターの応援を幾度も見かけた。
 Wikipediaによると、この知事選の「政党の動き」として次の記述がある

《公明党と民主党(民進党)は過去4回の選挙では自民党に相乗りする形で古田を支援していたが、今回は擁立劇の「蚊帳の外」に置かれた。野党第一党の立憲民主党県連内では自民の混乱に乗じて「独自候補を立てるべし」との強硬論も一部で出たが、選挙までの時間不足などを理由に断念し、今回、公明党・立憲民主党・国民民主党の県組織は自主投票となった。日本共産党は元小中学校教諭の稲垣豊子を推薦した。薬剤師で元岐阜県職員の新田雄司は、政党の支援を受けていない。》

野党共闘どころか、今まで県内保守に便乗してきた野党が、擁立の段階から「蚊帳の外」に置かれていたという呆れた内情だったという。こうしてみると、市民運動を政党側は日本共産党が共闘したというのが実態だったのだろうか。
 はじめて「市民と立憲野党の共闘」が全国ではどの程度浸透しているのかいぶかしく思う。他党派が委縮していても、堂々と政治の根本を踏まえた選挙を行わないと、野党が総崩れする事態もありうる。
 その点からすると、いながき豊子さんと氏を支持し擁立し選挙戦を戦いきった人々への新たな視野が拓けてくるのを感じる。-了―

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