~「TBS報道特集」を見ながら考えたこと2018/01/13~
櫻井 智志
(*以下の記事は「報道特集」の主張ではなく、視聴しながら筆者が書き綴ったことです。内容によっては「報道特集」と逆の文章であることもあろうかとおことわりしておきます。)
1
黒人差別と闘った公民権運動指導者キング牧師の誕生日1月15日を前に「死を悼み、平等や自由、正義、平和という彼の夢に向かって闘うことを誓う」とホワイトハウスで発言したのは、トランプアメリカ大統領。11日「便所のような国」トランプ発言。いまトイレはめざましく発達して、公共のトイレも変化している。だがトランプの真意を見抜いたアフリカ諸国やカリブ海の島国ハイチなど外国国民は、強く抗議している。キング牧師の前で発言した言葉と併せ考えると、相反する別の価値観をほぼ同じ時期に発言「できる」ことが呆れさせる。呆れはさらに怒りと恐怖感へと変わる。トランプのような人物を大統領としている国家、トランプと個人的親睦良好関係を誇る首相のいる国家。共に「大昔の便所」のような国家だ。「便所」は全ての人類にとり大切であり不可欠だ。トランプは全ての人類にとって、大切でもなければ不可欠でもない。つまり、ありていに言えば「トランプは便所に較べて、実に不要な存在」なのだ。
2
アメリカ政府は、イラクに大量破壊兵器があると決めつけて、諸外国を煽った。イラクに戦闘行為を仕掛け壊滅的打撃を与えた。
しかし、、、イラクには大量破壊兵器など皆無。こんなアメリカが現在煽る北朝鮮核・ミサイル非難攻撃。二度目の「イラク壊滅的軍事破壊」をまたも繰り返すのか。外交は単純な善悪対立ドラマとは異なる。二つの対立する陣営の駆け引きと水圏下の熾烈な工作。実際に国民がどのような暮らしと生存権が大切にされているか。そこを見落としてはならない。デマゴギーは多いが、まともな北朝鮮理解の情報が少ない。アントニオ猪木議員の訪朝を私は肯定する。
3
関東大震災時に戦前警察は「井戸に朝鮮人が毒を入れた」というデマを流し、その流言飛語で日本人が各地で朝鮮人を虐殺した。その歴史を、中学生の頃に知った。戦後民主化運動の中で在日朝鮮民族は果敢に闘った。政治情勢の変化とともに戦後も70年が過ぎた。日本人は二つの国家と在日へどう対するか。戦前に「創氏改名」させ朝鮮民族を騙し領地を取り上げた日本政府。私たちはもっともっと正確な事実を知って対応していくべきだ。デマや過大評価ではなく。歴史に断絶はなく、連続している。トランプ大統領と安倍首相の国際社会への演説。「対話はあり得ず圧力を増すしかない」路線は、今も論調は国内にある。しかし、アメリカ政府さえ対話をとりあげている。安倍総理・河野太郎外相・菅官房長官の発言は、取り残されている。国際社会の北朝鮮政策に対応できていない日本だ。
4
加藤邦興氏から「公害論」を受講した私は、戦後史で四大公害裁判の中で水俣病の歴史を知った。1950年代から、「奇病」と決めつけられ地域社会から迫害と孤立され続けた。チッソが垂れ流す有機水銀中毒と判明しても企業側の科学者は異なる原因を唱えた。闘い続ける住民たちがいた。熊本大学医学部原田正純氏。作家石牟礼美智子さん、写真家ユージン・スミスさんがそれを住民たちと共に担い続けた。
中国南部の農村で見られる「痛痛病」。水俣病、阿賀野川水銀中毒、富山カドニウム中毒。日本で四大公害裁判で住民側が勝訴した公害と類似を感じさせる。日本の近代工業は、足尾鉱毒事件、別子銅山鉱毒事件と明治・大正期に出現させた。中国は一気に工業化を国策として推進した。その弊害が吹き出している。日本では福島原発前にも、高木仁三郎氏(原子力資料情報室)らは「安全性の科学」を掲げ、現場に対峙して深く鋭い研究を進めていた。それでも、社会主義国家なら利潤本位でなく人民の側に立つ安全対策ありと思いこんでいた。その中国が、日本の大企業と似ている。大気汚染は60年代のイギリスの「スモッグ」(中学社会)なみ。さらに公害病に近似した疾病の出現だ。
5
大気と環境の汚染は、核実験・原発廃棄物・大工場排気炭酸ガスにより国境線とは無関係に世界中に拡散し、地球総体の反生物環境悪化が進行している。核兵器保有量はロシア、アメリカが圧倒的でイギリス、中国、フランス。国連常任理事国五カ国が圧倒的な核兵器の保有量を誇示している。北朝鮮が保有してもイスラエル以下。アメリカと日本は核兵器禁止条約とパリ協定(国連気候変動枠組み条約締約国会議)に即刻参加を行い、人類生存のための責任を果たすべき段階を迎えている。アメリカ国民と日本国民は、世界各国が要請する義務を履行しうる大統領や首相を一国のトップとして選択し直す義務と責任とを負っている。
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