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「見える化」について考える!

2009-04-04 06:40:51 | 病院改革
病院改革の中で「見える化」についてもう少し考えてみたいと思います。

私はこれまでコンサルタントとして様々な企業にお伺いし、問題の発見と改善のための取り組みを進めてきました。その中で特に留意したのは問題の顕在化ということです。問題がどこにあるか常に明確にしておくことが改革の第一歩となるのです。

問題点の可視化の重要性について指摘し「見える化」経営として定式化したのは、早稲田大学教授である遠藤功氏です。問題点が目の前に掲げられることが「トリガー」(引き金)になり、問題解決行動を促すというのです。

確かに、銀行では一人ひとりの営業実績をグラフ化し食堂に張り出すことはごく普通に行っていました。毎日毎日グラフをながめ、同僚の実績と比較し、その中で何とかしなければと考え、行動に移す、これがごく普通に行われていました。誰しも目の前に問題点が示されればその解決に取り組むようになるものです。

こうした「見える化」をお客様に対して実行しているのがTスーパーさんです。問題点を顕在化することは普通に考えれば「恥をさらす」ことなのかもしれません。しかし自社の問題点を包み隠さず明らかにする行動は、お客様からすれば「正直な会社」と見えます。一方従業員にすればお客様に問題を顕在化することはその解決のための取り組みを約束することになります。

「見える化」は職場改革を促進し、お客様の信頼を取り戻す重要なキーワードになっているのです。

興味をお持ちの方はぜひお読みください。
 
○見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み  遠藤功(東洋経済新報社)

病院にも「見える化」が必要です

2009-04-03 03:36:05 | 病院改革
2日は滋野保育園の入園式でした。卒園式に引き続き参加しました。かわいい園児がお母さんやお父さんに連れられて登場。3才児以下の子供さんを未満児という言い方をするそうですが、こうした幼い子供達が多いという印象を受けました。働くお母さんが増えているんですね。

その後、知人のお見舞いで佐久市にある厚生連佐久総合病院に行きました。故若月院長のご努力により地域医療では日本を代表する病院になっています。お見舞いを終えて玄関まで戻って来たところで写真のような掲示板を目にしました。

「お寄せいただいたご意見」と題するこの掲示は、患者さんからの苦情などに対する病院からの回答です。診察や接遇など4つに分けられそれぞれ患者さんのご意見とそれに対する病院の対応が掲示されていました。中には看護婦さんの対応のやさしさに心を打たれましたという感謝の言葉があったり、「○○さんはとても言葉がきつい」と看護師さんの応対に対する苦情であったり様々です。

私は、先日市民病院を語る会で市民からの苦情をぜひオープンにし、見えるところに張り出してほしいと述べましたが、まさに佐久病院では実践していました。わが意を得たりと感じました。

病院改革の第一歩はまず市民の声に耳を傾けるということです。耳を傾けるということはただ聞き置くということではありません。それにどう対処したか明らかにするということです。そのためには包み隠さず市民の前にオープンにすること、すなわちクレームの「見える化」が必要です。

人間は誰しも自分には甘くなりがちです。クレームが寄せられてもあいまいにしたり、隠したり、相手のせいにしたりしがちです。しかしこれでは改革は進みません。病院が良くなればと思って苦情を寄せた方は不信感を募らせます。たとえ苦しくてもクレームと向き合う決意が必要です。そのためには寄せられたクレームを張り出すことです。張り出すことにより市民は「病院は本気なんだ」「自分の意見を聞いてくれた」と感じます。そして職員には「もっと良くしよう」という決意が生まれます。

これを民間で実践しているのが小諸市に本店があるTスーパーさんです。レジのかたわらの壁に「コミュニティボード」という掲示板が置かれ、そこに佐久病院と同じようにクレームと回答が張り出されています。

佐久病院にはほかにもロビーに病院の理念や方針を掲示してありました。こうした掲示を見るだけでこの病院の患者さんに対する決意が伺われます。この病院は本気で患者と向き合っている、本気で改革を進めていこうとしていると感じます。

こんな近くに素晴らしいお手本があるじゃないかと思いつつ病院をあとにしました。

市民病院へ要望を語る会が開かれました

2009-03-25 08:36:05 | 病院改革
東御市には市民病院があります。いま大きな赤字を抱えて改革プランをまとめています。こんな病院を市民の手で支えようと活動しているグループがあります。それが市民病院へ要望を伝える会です。2ヶ月に一度の割合で会合を重ね2年目を迎えます。

この会のことは以前から注目していましたが、昨日初めて参加させていただきました。院長や事務長など病院側のスタッフ数名に対して女性の方を中心に15名ぐらいの方が集まっていました。率直な意見交換がなされ、病院側からはこれから取り組もうとしている院内助産所や透析床の増設などの説明がありました。

市民の声に積極的に耳を傾けようという病院、そして単にクレームをつけるだけでなくどうしたらもっといい病院になるか知恵を絞る住民グループ、とても好感を持てました。こうしたお互いの姿勢があるかぎり市民病院は大丈夫だと感じました。こうした努力もあり利用実績が伸びているそうです。

しかし、まだまだ病院側の努力が表に表れていないように感じます。市民グループの努力にもかかわらず住民の輪がまだまだ広がっていっていないように見えます。これまでの努力を多としながらももう一回り広い共感の輪を作るにはどうしたらいいか、私も真剣に考えてみたいと思います。

院内助産所って知っていますか?

2009-03-14 15:40:42 | 病院改革
昨日は議会は社会福祉委員会最終日でした。午前中病院会計について報告を受けました。その後、議案の採決を行い、全員が賛成し採択されました。

午後からは社会福祉委員会の視察があり、御代田町の御代田中央記念病院の院内助産院「音々」(ねね)を訪問しました。市民病院の関係者や市の幹部も同行しました。いま東御市民病院では院内助産所の開設を検討しています。助産院は松林の中の閑静なところにありました。


お産といえばこれまでは病院で生むのが通例でした。陣痛促進剤を使ったり帝王切開するのが普通でした。いま自然分娩が注目されています。女性に備わっている分娩力により、自分の力で産もうというのです。それをサポートするのが助産師さん。昔でいうところのお産婆さん。豊富な知識と経験で妊婦さんの体と心の状況をキャッチし、生まれるまで付き添います。

これまでにないシステムのためなかなか理解が追いつかずとまどっていました。そこで実際に視察しようということになりました。「音々」は助産師3名で利用者8床、月に2~3件のお産があり、3年間で53人の子供達が生まれています。家族の立会い分娩も行っています。中には南佐久から来た方もおり、こだわりをもったお産をしたいという方が多いそうです。

大切にしているのは妊婦さんとの信頼関係、アットホームな雰囲気作りに心がけているとのことでした。そしてもうひとつは提携病院との情報の共有化だそうです。自然分娩といいつつも、出産時何があるかわかりません。その時のためにサポート病院は欠かせません。日頃から連絡を蜜にしているそうです。それにつけても所長さんはじめスタッフの方々の温かいお人柄に感銘しました。

帰りには雪が舞っていました。

介護の現場を訪問しました

2009-02-25 18:56:16 | 病院改革
今日は朝から雨でした。午前中一般質問の質問書を書き上げ事務局に提出しました。そして夕方からは介護の現場の方の話を聞きに行きました。

今回介護保険料が引き上げになります。介護保険が始まってちょうど10年になり第4期がスタートします。今後3年間の介護計画にもとづき保険料も見直しになります。また介護従事者への待遇改善をめざし国からの助成も行われます。

私も介護保険には大変お世話になりそのありがたさを身をもって感じています。2年前に亡くなった母は、日頃からデイサービスに通っていました。亡くなる前は訪問看護やショートステイのお世話にもなりました。おかげさまでヘルパーさんや看護婦さん、お医者様に助けていただき、妻と娘と、そして時には私も加わってなんとか自宅で最後まで看取ることができました。

7年前に私は父を病院で看取りました。父はうちに帰りたいと言っていましたが受け入れ態勢ができず、望みをかなえてあげることができませんでした。ですから介護保険制度には感謝しています。

今回東御市は介護保険料をこれまでの年間4万7700円から5万200円に2500円(5.2%)の引き上げを提案しています。必要な改定であることは理解できるものの、高齢者の方々の中に不安感が広がっていることもまた事実です。昨年の国保税の引き上げ、後期高齢者医療制度の新設、そして今回の介護保険料の値上げとこの間負担が増えることばかりです。一方受け取る年金額は将来的に削減されるのではないかという話も出ています。それでも今回の改訂が介護する方の待遇改善になればまだ救われます。そこで介護の現場の方にお話をお伺いしたいと思ったのです。

結論はわずか介護報酬の引き上げにはなるものの焼け石に水といったところだそうです。負担は増える、サービスはますます厳しくなる、現場の待遇改善に必ずしもはつながらない、しかし介護制度をやめることはできない。そんな重苦しい内容でした。最終的には国の制度改正し負担率の引き上げが必要になると感じました。

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