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「いいお産をさせてあげたい」-木村医師語る!

2009-11-26 04:53:28 | 病院改革
24日夕方から「市民病院に要望を語る会」があり参加しました。今回はお医者さんのお話を聞こうといつもより2時間遅い、午後5時からの開催でした。

そこでいま建設している東御市民病院助産所、その中心的存在である産婦人科の木村医師のお話をお聞きしました。木村先生のお話をそのままお伝えします。

■いまのお産は腹立たしい

今のお産に対して何というか、腹立たしいとうか、やきもきするという思いを感じています。お産とはもっとシンプルで簡単なんですね。いまデータを見ると6人にひとりがおなか切る(帝王切開)ようなお産なんですね。

6人に一人という数字なんてどうしても出てこないんですね。だけどそんな世の中になってしまって、悲しいというか悔しいんですね。私の娘にも産ませるところがない、というのが正直なところですね。お願いしますというところがない。だからせめてそういう病院にしたいなあと思っていましたね。

■正常・異常は割り切れない

医者が診ると正常異常というデータ本位で動いてしまうんですね。正常とはあるとき正常であれば正常になってしまう。正常か異常かは結局主観なんですね。医者がこれを正常に取るか、異常にとるか割り切れるようなものではないんですね。

ある場面を見て正常、ある場面を見て異常。異常と取れば動かざるを得ない。ところが異常でなくてちょっと順調に行かなくて足踏みしていることも異常ととるんですね。だからそこで動いてしまうんですね。昔のお産婆さんはお産の真髄は「待つこと」だと言っている。それくらい生き物は生々流転というか、生き物は動いているんですね。

ところが正常、異常でとると一場面を見て動いてしまう。これから発揮できる前で足踏みしているかもしれないというとらえかたをしないんですね。医者は。動かなくても復活してくるようなのが生き物なんですね。

■産む能力を引き出してあげたい

そうやってじっくり見ていると、例えば山登りでも頂上に行くのが目的ですが途中で疲れますよね。疲れても頂上に登ることが医学的な考え方で、頂上へ行けばいいんだと考える。ところが疲れているから一休みしようやということもあるんですね。そういうことが今の医療には欠けている。疲れているから弱くなる。疲れを取るために待とう。待つことで次へのステップが動き出す。生き物は流れているんですね。

正常異常でとるとその場面で異常でとりそれで動き出すから余計に悪くなる。医学が進歩していいお産は増えていかなければいけないのにどんどん悪いお産が増えている。産めるのみ産ませてあげていないというか、みんな産む能力を持っているのにその能力を取り上げてしまっている。そういうお産は充実感がない。自分で自分を誉められない。

お産は人生の重大イベントだから自分で動く。医者が活躍をしない。そういうお産を増やしたいと思っています。

■自分の身内に勧められる助産所にしたい

そういう同じような考えを持った人が集まって助産所ができます。月に10人とか言われていますが数だけでなく中身がいいお産にしたい。助産師さん主体で決して成績は落ちません。ただまだ助産師さんにちょっと温度差がありますけれども。よそに行けば切られる方も産ませてあげたい。

僕はひとりでやっていたときよりも成績を落としたくないので。将来には東御だからここまでできたというところまで持って行きたい。最終的には前に勤めていた所は本当にみんな自信を持って返してあげていたと僕は自負している。逆子でも産むし双子でも一人ずつ出てくる。そういうお産がベストだ。

せっかく骨盤もひろくて、馬力もあるが逆子だというだけて切られている。体重のコントロールなど理想的な生活をしていていてもひっくり返っているだけで切られていますね。何でこんなに10ヶ月間努力していてという思いがどうしてもある。だから自分の身内に、親兄弟、子供達にぜったい東御で産んでよというところまで持って行きたいと思っています。(木村先生談)

よかった!助産所への補助金執行される

2009-10-22 02:32:28 | 病院改革
21日付けの信濃毎日新聞によれば、東御市が現在計画している助産所への補助金が執行されることになったそうです。助産所の建設については農林水産省の補助金8千万円が予定されていましたが、鳩山内閣の補助金の凍結という方針の下で執行停止となっていたものです。東御市では早速助産所の建設を進める予定ですが、それでも完成は3月下旬と大幅に遅れる見込み。病院によれば月中に出産される方には既存病棟で対応して行くそうです。

何はともあれ良かったというのが実感です。議会としても助産所補助金の執行停止は住民生活に直接影響を与えるものであり、国に早期執行を求める意見書を採択してきました。今回の措置に関してご尽力いただいた関係各位の皆様に心より感謝申し上げます。

さて、医療をめぐる状況には大きな問題があります。ある産科医師がブログでこんな発言をしています。

「二十年前の自分の勤務環境を思い出してみると、産婦人科一人医長だったので毎日病院に泊まり込みの生活で、一年中休日は全く取れませんでした。押し寄せる大量の外来患者、多くの入院患者、緊急母体搬送などにすべて一人で対応しました。ほぼ毎日のように緊急手術を執刀し、地域の婦人科悪性腫瘍の手術も全例執刀しました。過労死しなかったのが不思議で、こんな劣悪な勤務環境のままでは長続きする筈がないと痛感しました。当時この世界に飛び込めば、そんな劣悪な勤務環境が必ず待っていたわけですから、内部事情がわかっている人であれば入門を尻込みするのは当然でした。産婦人科医の頭数が長期的に減り続けてきたのも、当然と言えば当然の現象だったと思います。」

助産所の開設にメドが立ったとはいえ、問題はこれからです。住民のための医療をどうしてゆくのか、住民と医師と行政がともに考えてゆかねばならないと感じています。

要望を語る会がありました

2009-09-30 05:29:42 | 病院改革
29日の午後、市民病院に要望を語る会があり市民病院へ出かけました。私も3月から語る会に出させていただいています。今回で4回目です。

今回の語る会では5月から広報委員会で検討してきた広報紙「要望を語る会だより」がご披露されました。A4版カラーの本格的なもので、黄色を基調とした温かみのある装丁になっています。文字も大きくレイアウトも工夫され、とても読みやすいおたよりです。

1面は血液透析病床増設・院内助産所の記事、「病院は市民の財産・宝」という世話人さんの手記、2・3面は病院への要望を語る会のレポート、そして4面は院内助産所についての助産師さんからの寄稿とこれまでの語る会の活動の経過など、多彩な情報が手際よく配置されています。

巨峰まつりで配布したり、趣味の会で配ったり、公民館などの公共施設に置かせていただいたりしていますが、反響は良好とのことでした。心配された発行資金も皆さんからたくさんの寄付が集まったそうです。

今回の語る会では会の名称のことが話題になりました。「要望を語る」ということが苦情だけを言い立てるクレーマーのように思われると言うのです。確かにいま医療現場では自己の権利だけを主張する「モンスター・ペイシェント」(怪獣のような患者さん)が問題になっています。市民と病院双方がお互いに力を合わせてより良い医療を実現する、建設的な名称がいいのではないかとの提案でした。

病院からは医師の厳しい労働環境が紹介されました。この日参加されていた医師も30時間勤務だと言っていました。当直も月に6回あり、緊急医療の当番になったときなどは上田小県から救急車が集中し寝れない状況になるそうです。この日も出席していた医師は携帯で呼び出され3回席をはずしました。

市民と医師と職員の信頼関係がなければ良い医療はできません。お互いに理解しあうことが大切だと感じます。次回の語る会は11月24日(火)5時からです。お医者さんからの話を聞こうということで時間を遅らせました。多くの方が参加されることを願っています。

「要望を語る会だより」ができました

2009-09-12 20:07:59 | 病院改革
「東御市民病院への要望を語る会」をご存知でしょうか。この会は3年前、市民病院の評判が悪く、何とか市民と病院が話し合う場が持てないかと考えた一市民が始めた会です。集まりは隔月に開催され、病院問題に関心を持つ誰でも参加でき、私は3月の会から参加させていただいています。

会には20名ほどの方が参加され、病院側からも事務長はじめ職員の方が出席します。時には市長が見えられることもあります。毎回率直な話し合いが行われています。

そんな中で市民へ情報発信しようと「要望を語る会だより」を発行されました。素人が集まって記取材し記事を書き、すべて手作りです。できあがりはカラーでなかなか見栄えします。しかしお金もないことからこころざしある方にカンパを募ることになりました。

「たより」は公共の場にも置く予定ですが、ご希望の方がいらっしゃいましたらお電話いただければお届けいたします。

この会の世話人の方はこの会について以下のように述べています。
「このたび、『この会のことをたくさんの市民に知ってもらいたい』との提案があり、ここに創刊号が発行されました。多くの皆様に読んでいただき、病院と市民が支えあい、応援しあったりできる絆(きずな)になればと願っています

今日からブログのパターンを秋バーションに変更しました。

より良い病院づくりのために一歩前へ

2009-05-28 18:33:25 | 病院改革
午後病院へ要望を語る会が開かれました。病院からは加藤事務長、小山室長ほか数名、会員からは10数名、議員では私を入れて4名が参加しました。

最初に取りまとめ役のKさんからは「この会も始めてから丸2年たった。病院は市民の財産だ、なんとしても支えてゆきたい」という発言があり、加藤事務長からは病院の現状報告、無農薬野菜を使ってほしいという要望などに対しての回答がありました。

このあと自由な意見交換がありました。これまでは要望を語ってきましたが、これからはよりよい市民病院をつくるために一歩足を踏み出すことが求められています。参加者の皆さんからの提案が相次ぎ、話し合いは大いに盛り上がりました。

その結果3つのことが決まりました。まず語る会のミニコミ紙をつくること、巨峰祭りに出展しバザーを行いPRすることです。そしてこれまで要望を伝えてきたので、今度は病院スタッフの悩みに耳を傾ける会を持つことです。

いま病院も院内助産所の建設、透析病床の拡充、病院スタッフの充実など大きく変わろうとしています。この取り組みが成功するかどうかは市民からの共感が得られるかどうかにかかっています。病院自身も市民の要望に応える姿勢と努力が欠かせません。語る会がそうした行政と病院、そして市民との架け橋になることができれば最高です。

投書箱に寄せられた要望が掲示されました

2009-05-17 08:01:52 | 病院改革
先日夕方東御市民病院に行きました。知人と待ち合わせしたのですが、その間に病院の中を見てまわりました。

そうしたら写真のような掲示物を見つけました。「みなさまからのご意見・ご提言ありがとうございます」として投書箱に寄せられた要望にどのように対応したか回答してあるのです。

先日の「市民病院に要望を語る会」で話し合ったことに早速対応していただいていると感じました。とても好印象でした。

しかし、残念なことに掲示してる場所が問題です。柱の影でよほど注意しないとわかりません。できることならみんなが見える場所に掲示してほしいと思いました。

病院改革も一歩一歩の積み重ねです。これからの改革に期待します。

「健康づくりシンポジウム」と「身体教育医学研究所」

2009-04-26 08:37:56 | 病院改革
昨日は一日雨。午後からサンテラスホールで健康づくりシンポジウムがありました。「地域で健やかに~産み、育み、老いる~」をテーマに、院内助産所・健康づくり・高齢者介護についての3人の講師のお話と、花岡市長を交えてのパネルディスカッションがありました。

「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」-そんな講演とパネルディスカッションでした。

夕方から身体教育医学研究所の開所10周年、一般財団法人設立記念式典に参加しました。

私はこれまでこの研究所のことをほとんど知りませんでしたが、お聞きするところによれば、研究所は平成11年5月に東京大学の協力を得て、旧北御牧村とみまき福祉会により設立されたそうです。

研究所は保健に軸足を置いて研究し、その理論と成果を地域に還元し、社会に向かって発信してきました。研究所と介護福祉のみまき福祉会、地域医療を担っている診療所の三位一体で住民の健康増進に取り組んで来ました。こうした中で医療費も削減されてきたそうです。

このような取り組みは全国的にも大きく評価され、報道ステーションなどでも取り上げられました。

ひとつの村がシンクタンクを持つなどということは一般的には考えられません。大切なことはわかっていても、10年、20年先のことを考えるということは難しいものです。旧北御牧村においてこうした粘り強い取り組みを行ってきたことは驚嘆に値します。

これから身体教育医学研究所がますます住民の健康づくりのために、大きな役割と果たしてくれることを期待します。






医学生奨学金制度に4人の応募者がありました

2009-04-22 07:22:19 | 病院改革
今朝の信濃毎日新聞をご覧になりましたでしょうか。東御市が創設した医学生奨学金制度に対して4人の国立大の学生が応募したと報じられていました。

医学生奨学金制度とは東御市が医師確保のために、医学生や研修医を対象にした奨学金制度です。本人か家族が東御市在住であること、卒業後は一定期間市民病院などに勤務することなどを条件に、月20万円を上限に貸し付けます。

この制度は創設されるまで二転三転しました。昨年9月議会では継続審議になり、10月の委員会でも継続となり結局廃案になってしまいました。市議会議員選挙後の12月議会でやっと日の目を見たものです。

この制度に対して「東御市在住という条件をはずし広く全国から応募者を募るべきだ」という意見が根強くありました。しかし市長は「東御の子供たちにふるさとの医療に力を貸してほしいという思いを伝えたい」と主張しました。私もまず訴えるべきなのは東御の子供たちだと思い、社会福祉委員の一人として制度成立のために力を尽くしました。

私たちの思いが子供たちに伝わり、東御の子供たちがふるさとの医療のために力を貸してくれることを心より願っています。

最終選考はこの30日に行われる予定です。



市民病院、10月から出産を受け付けます

2009-04-18 08:56:54 | 病院改革
今朝の信濃毎日新聞をご覧になりましたでしょうか。小さな扱いでしたが「産婦人科設置、出産受け付け-東御市民病院10月までに開始」という記事が載っていました。

記事によれば遅くとも10月までに現在の婦人科を産婦人科に変更し、院内助産所での出産希望の受付と妊産婦検診を始めるそうです。

産婦人科は現在の婦人科の常勤医師1人と助産師2人の体制で進める予定。産婦人科への変更には保健所への届出のほか、分娩台や沐浴のための浴槽などの設備が必要になり、これに伴う予算措置は6月議会に提出するとのことです。

先日も対応が遅いという苦情をいただいたこともあり、スピード感を持った取り組みを期待します。         

院内助産所についてお叱りのお電話をいただきました

2009-04-11 10:50:38 | 病院改革
昨日の夜、私の議会だよりを見たという方からお電話いただきました。院内助産所の開設が遅いというお叱りの電話でした。事情を詳しくお伺いしたところ娘さんの出産のことで病院に振り回されたというのです。

最初に診てもらった病院では、はじめは受け入れてもらえるということでしたが、二度目に検査で訪れた際、産科のお医者さんが体調を崩して減員になったということで断られたそうです。次に訪れた病院でも断られ、そこで紹介された病院もだめで、最終的に個人病院で引き受けてもらったそうです。それまで娘さんとあちこち訪ね歩き、その対応の悪さをつくづく思い知らされたそうです。

その方のお話ではあまりにも対応が遅すぎ、助産所で実際にお産ができるのはあと1年もかかるというのでは待ちきれないというのです。

私は一般的にはお産難民について理解しているつもりでしたが、身近にそうした方がいらっしゃることにあらためて問題の深刻さを認識しました。そして院内助産所に対する期待の高さと、スピード感を持って実行することの重要性を感じました。

お叱りのお電話でしたが私に対する期待として受け止めさせていただきました。ありがとうございました。これをご覧になっていらっしゃる皆様の中でも、行政について疑問や苦情などありましたらぜひお聞かせくださいますようお願いします。ご要望実現のために精一杯力を尽くすつもりでおります。

その後、娘とお産について話す機会があり、その中で逆子とか双子、三つ子の場合、地域の病院では対応できず遠方の設備の整った病院にかかっている人もいると聞かされました。遠方のため検査にも時間がかかり、上におさな子がいる場合には親の協力が不可欠だそうです。そんな実態も話してくれました。

助産所の早期建設とともに、それまでもお産難民を出さないために取り組みたいと思います。

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