Dr. フロッガーのブログ

内科医フロッガーのブログです。

性犯罪者に対する抗男性ホルモン療法

2018-07-22 | 自分メモ

調べた理由:新潟県議会が性犯罪者にGPSをつける意見書を可決。朝日記事
先日の凄惨な事件を受けてのことと考える。GPSの効果には異論があるようだ。
一方、性犯罪を病気として治療する試みも海外ではあり、カウンセリング、認知行動療法、抗男性ホルモン剤も行われるらしい。抗男性ホルモン療法の効果はいかほどなのか気になった。

キーワード 性犯罪者、抗男性ホルモン療法、化学的去勢、sex offender, chemical castration, parahiliacs, medroxyprogesterone

Effects of chemical castration on sex offenders in relation to the kinetics of serum testosterone recovery: implications for dosing schedule. Koo KC, Ahn JH, Hong SJ, Lee JW, Chung BH. J sex Med. 2014 May;11(5):1316-24

リュープリンを用いている。3ヶ月と6ヶ月の治療群がいる。両群とも性的な考えの強さや頻度が減少、マスターベーションの回数も減少、Wilson's Sex Fantasy Questionnaire (SFQ) scores も減少。3ヶ月群は中止後に反動あり。

Does sexual offender treatment work? A systematic review of outcome evaluations.
Schmucker M1, Lösel F. Psicothema. 2008 Feb;20(1):10-9.

レビュー。ホルモン療法は効果あり。

Medroxyprogesterone treatment for paraphiliacs. Kravitz HM, Haywood TW, Kelly J, Wahlstrom C, Liles S, Cavanaugh JL Jr. Bull Am Acad Psychiatry Law. 1995;23(1):19-33

メドロキシプロゲステロン(MPA)もよく使われるようだ。女性ホルモンの一種で合成黄体ホルモン製剤である。MPAも性衝動を抑えるとのこと。

ざっくりと調べた限りでは、完全ではないものの男性ホルモンを抑えることで性衝動は抑えられるようだ。認知行動療法などと併用して行うとよいのかもしれない。MPAとLH-RH analogがよく用いられている。


ブログ再開

2018-07-22 | 雑記

久々にブログを再開することにします。
以前は大麻関連がメインでしたが、そっちはちょっと控えめにして、気になった事や調べたことの備忘録的なものにします。