Dr. フロッガーのブログ

内科医フロッガーのブログです。

ブログ案内

2026-01-01 | はじめに

はじめに

このブログの記事は、いくつかのカテゴリーに分けています。

1.医療
 医療に関する記事です。
2.雑記
 日々の雑記などです。
3.自分メモ
 気になっったこと、調べたことのめもです。
4.
大麻-医療用
 大麻の医薬利用に関する記事です。なるべく学術的で中立に書くようにしています。
5.大麻-検証ダメゼッタイ
 麻薬・覚せい剤乱用防止センターの「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに対する反証記事です。
6.大麻-その他
 その他の大麻関連記事です。



小児がんに対する医療大麻の映画 Weed the people の感想

2019-04-25 | 大麻-医療用

大麻解禁を主張する人たちの間で weed the people という映画が話題になっていました。小児がんに対する医療大麻のドキュメンタリー映画です。

”はたして子ども達のがんは治るのか? 貴方自身の目で確かめてください。” と銘打っており、がん医療に携わるものとして見なくてはいけないなと思っていました。19年4/20に時間が取れたのでユーロライブというインディペンデント系の映画館で鑑賞してきました。

まず前提として、、、アメリカではがんの代替医療として大麻が行われることがあるようですが、最近の流行は大麻オイルのようです。Rick Simpsonという人が開発したRick Simpson Oil (RSO)と呼ばれるものがその源流です。高濃度で粘稠度が高い黒褐色のオイルをシリンジに詰めて用いています。また大麻の成分で重要とされるものはTHCとCBDですが、THCが主成分のオイルとCBDが主成分のオイルを2:1とか1:1とか症状に合わせてブレンドして使うようです。

大麻解禁論者の間では「大麻には抗がん作用がある」ということが広く信じられており、更には「がんに効く大麻が禁止されているのは製薬会社や医療業界が自分たちの薬が売れなくなるのを恐れて圧力をかけているためだ」とまで言う人が多くいます。私にはそれは真実とは思えませんが、映画も見ないで批判するのもどうかと思い、この映画をみて判断することとしました。

【総評】これは医療大麻のプロパガンダ映画だと思いました。5人の小児がん患者のドキュメンタリー部門が中核にあり、そこに医療大麻代替医療家、大麻医師、研究者のインタビューと、アメリカの大麻の規制についての解説などが挿入される作りになっています。病気と戦う子供の話であり見た人の心を揺さぶると思います。また、アメリカの大麻規制の矛盾について怒りを呼ぶ作りになっています。医療大麻問題の社会運動を盛り上げるプロパガンダ映画としては成功であろうと思います。しかし大麻の抗がん作用については弱いエビデンスしか示せていないと感じました。この映画から大麻が「奇跡のがん治療薬」というような結論は出せません。まあこれは映画であって医学論文ではありませんので当然ではあります。また制作者もそこまで強く主張していませんし、そこは良いところだと思います。

がんに対する効果には、腫瘍を縮小させる「抗がん効果」と痛みや吐き気などを取る「症状緩和効果」があります。
抗がん効果については、2症例が抗がん剤や放射線治療を行っていて途中から大麻を併用し縮小を認めています。また1症例は最初に大麻オイルのみで治療し増大し、その後抗がん剤を追加し腫瘍が縮小しています。1例は抗がん剤を途中で中止しその後大麻を投与し腫瘍が縮小しています。1症例は大麻を投与するも残念ながら効果なく亡くなっています。
腫瘍が縮小した4例中3例は抗がん剤と大麻治療が併用して行われており、大麻単独の治療効果は不明です。1例は抗がん剤を中止して大麻を使用しており大麻が抗がん効果を示している可能性もありますが、前に行っていた抗がん剤の作用を否定しきれません。以上から、これは大麻が効いたとしか思えない、という症例はないなと思いました。むしろ抗がん剤が役立ったと主張も出来ます。Chemo the people-抗がん剤が救う命の物語。
症状緩和については、抗がん剤の副作用や痛みでつらい状況で大麻を服用した2例において症状緩和効果を認めており、有用である可能性があると思いました。大麻が抗がん剤を凌駕し駆逐するというよりは、むしろ大麻が抗がん剤の副作用を和らげることで抗がん剤をきちんと遂行でき、抗がん剤の奏効率を高めた、と言ってもよいのではないでしょうか。医療大麻はがん領域においては(というかあらゆる医療において)代替医療というよりは補完医療であると思います。
また、症状が緩和した症例のエピソードで、大麻医療家が「これで必ず良くなる」と患児を励まして寄り添う映像が印象的であり、大麻自体というよりはそのようなケアが功を奏した可能性もあるのかなと感じました。

大麻医療家の悪い点もあり、医療のトレーニングを受けていないのに医療者のように振る舞っている点や、効果が否定的なのに大麻にのみこだわりすぎて患者を大麻に縛り付けているかのような場面もありました。

 症例についての詳細を記憶とメモを頼りに以下にをまとめます。

【症例1】1才 神経膠腫(低悪性度) 脳腫瘍の症例。母親が抗がん剤に対して強い抵抗感を持ち、大麻医療家とともに大麻オイルによる治療を選択した。大麻オイルのみで治療を行うも、腫瘍が増大した。その後抗がん剤を行った。同時に大麻オイルを増量し併用した。映像では大麻オイル増量か抗がん剤の影響か、かなりふらついている様子であった。その後腫瘍は縮小し手術を行った。手術での病理検査で低悪性度である事が判明した。その後に化学療法を追加し、脳に嚢胞(水の詰まった袋状の組織)が残ったがサイズが変わらず経過している(1年間?)。なお母親は大麻が効いたと強く信じており、医療大麻のNGO活動を開始した。
考察 本症例は大麻のみで増大しており大麻単独の腫瘍縮小効果は認められていない。低悪性度の脳腫瘍であり基本的には手術が効果的であったと考える。また抗がん剤で縮小を認めたこともあり、抗がん剤も効果的であっただろう。
この子に大麻の効果があったのか疑問である。むしろ親の自己満足の面が大きいように思った。

【症例2】13才 骨肉腫 肺転移の症例。原発巣の骨の手術、その後に抗がん剤を投与した。しかし抗がん剤の副作用で食事が取れず痩せてしまった。その時に大麻オイルを試し、食欲が回復して元気を取り戻した。抗がん剤を遂行でき、肺転移は消失し元気に過ごしている。
考察 本症例はステージ4の骨肉腫、肺転移症例の5年生存率は10-40%である。厳しい予後ではあるものの比較的抗がん剤が効きやすい腫瘍であり、長期生存がないわけではない。
本症例における大麻単独の腫瘍縮小効果は不明である。注目すべきは抗腫瘍効果ではなく、大麻による吐き気と食欲の改善である。本人も直接効果的であったと述べている。これにより抗がん剤をやり抜く事が出来、治療が効果的になったのかも知れない。抗がん剤の副作用に対して大麻が効果的な可能性があることを示唆する症例である。

【症例3】10-14才 横紋筋肉腫。詳細は語られないものの横紋筋肉腫の標準治療をやっていたようである。抗がん剤を行なっていたようだが副作用と痛みのためかずっとソファーで横になっていた。前の症例と同様、その時に大麻オイルを試し、症状が改善して抗がん剤を遂行でき、また痛みに対して用いていた医療麻薬を減らす事が出来た。それによりQOLが改善した。治療を遂行しその後は再発なく学校にも通えている。
考察 前症例同様、大麻の腫瘍縮小効果は不明だが、大麻による症状緩和効果があり、麻薬を減らせたようである。
横紋筋肉腫の標準治療は手術と抗がん剤であるが、その予後は悪性度により違い、5年生存率低悪性度 80-90% 中悪性度50-80%程度である。本症例も抗がん剤をやりきれた事が良かったと考える。
【症例4】3才 腎芽腫 肺転移再発の症例。 抗がん剤を途中でやめて大麻オイル使用、肺転移消失した。
腎芽腫は小児腫瘍でも予後が良い。標準治療は手術、抗がん剤、放射線治療で、5年生存率は90%とされる。しかしこの症例は一度病気が消えた後に、しばらく経ってから肺に再発した。その後に抗がん剤治療を行うも副作用で中止し、大麻オイルによる治療を行った。幸運なことに腫瘍は消失し、元気に暮らしているようであった。
考察 腎芽腫は予後良好であるが、再発した場合の標準治療は定まっていない。通常は抗がん剤治療を行う。5年生存率は50%程度のようである。
本症例は途中で抗がん剤をやめている。その後大麻オイルを内服し、肺転移が縮小したとのことである。途中まで行なっていた抗がん剤が効いたのではないか、また、肺転移が本当に転移だったのか(肺炎などではなかったのか)など疑問な点はあるが、大麻が効果的であった事が否定できない症例である。詳細な経過を知りたいので症例報告してほしいと思った。5症例の中で一番気になる。

【症例5】8-10才 脳幹部膠芽腫
膠芽腫 が脳幹部にでき、主治医より予後が厳しい事、緩和的な放射線治療しかできないことを告げられ、大麻医師を訪問した。その後に大麻オイルによる治療を行なったが残念ながら亡くなった。
考察 膠芽腫非常に予後不良な脳腫瘍で、5年生存率は10%程度である。小児では脳幹部に起こる事があり、その場合は手術も困難である。放射線療法や抗がん剤が行われるが効果は限定的である事が多い。本症例では大麻オイルの効果も認めなかった。


性犯罪者に対する抗男性ホルモン療法

2018-07-22 | 自分メモ

調べた理由:新潟県議会が性犯罪者にGPSをつける意見書を可決。朝日記事
先日の凄惨な事件を受けてのことと考える。GPSの効果には異論があるようだ。
一方、性犯罪を病気として治療する試みも海外ではあり、カウンセリング、認知行動療法、抗男性ホルモン剤も行われるらしい。抗男性ホルモン療法の効果はいかほどなのか気になった。

キーワード 性犯罪者、抗男性ホルモン療法、化学的去勢、sex offender, chemical castration, parahiliacs, medroxyprogesterone

Effects of chemical castration on sex offenders in relation to the kinetics of serum testosterone recovery: implications for dosing schedule. Koo KC, Ahn JH, Hong SJ, Lee JW, Chung BH. J sex Med. 2014 May;11(5):1316-24

リュープリンを用いている。3ヶ月と6ヶ月の治療群がいる。両群とも性的な考えの強さや頻度が減少、マスターベーションの回数も減少、Wilson's Sex Fantasy Questionnaire (SFQ) scores も減少。3ヶ月群は中止後に反動あり。

Does sexual offender treatment work? A systematic review of outcome evaluations.
Schmucker M1, Lösel F. Psicothema. 2008 Feb;20(1):10-9.

レビュー。ホルモン療法は効果あり。

Medroxyprogesterone treatment for paraphiliacs. Kravitz HM, Haywood TW, Kelly J, Wahlstrom C, Liles S, Cavanaugh JL Jr. Bull Am Acad Psychiatry Law. 1995;23(1):19-33

メドロキシプロゲステロン(MPA)もよく使われるようだ。女性ホルモンの一種で合成黄体ホルモン製剤である。MPAも性衝動を抑えるとのこと。

ざっくりと調べた限りでは、完全ではないものの男性ホルモンを抑えることで性衝動は抑えられるようだ。認知行動療法などと併用して行うとよいのかもしれない。MPAとLH-RH analogがよく用いられている。


ブログ再開

2018-07-22 | 雑記

久々にブログを再開することにします。
以前は大麻関連がメインでしたが、そっちはちょっと控えめにして、気になった事や調べたことの備忘録的なものにします。


精巣腫瘍と大麻の関連

2015-04-19 | 大麻-その他

【2009年2月記事のupdateと修正】

大麻と精巣腫瘍についてのニュースがあった。

大麻使用、睾丸癌のリスク高まる可能性=米研究 ロイター

 シアトルにあるフレッド・ハチンソンがん研究所のスティーブン・シュワルツ氏らは、同地域に住む18―44歳の男性を対象に、睾丸がんを患う369人と、そうでない979人を比較。現在マリフアナを使用している人は、使用していない人に比べ、睾丸がんにかかる確率が70%高いことを突き止めた。
 10年以上マリフアナを使用している人や、週1回以上使用する人、18歳未満から使い始めた人が、最もリスクが高いとみられるという。

この原著はAssociation of marijuana use and the incidence of testicular germ cell tumors. Cancer誌. 著者はDaling JRらである。

この報告は、case-control studyである。
精巣腫瘍患者の大麻使用率と精巣腫瘍ではない対照群の大麻使用率を比較し、精巣腫瘍患者の方が現在の大麻使用率が高かった。オッズ比(OR)が1.7とのこと。(ORは相対リスクの近似値である。)
精巣腫瘍と大麻の関連について報告されたのはこれが初めてであり、インパクトがある。

2015年4月 update! 

他の施設より続報があった。

2011年NCIよりTrabertらが報告。
Marijuana use and testicular germ cell tumors. Cancer. 2011 Feb 15;117(4):848-53. 
187例のケースコントロール研究。上と同様の試験デザインである。大麻を日常的に使用しているもので精巣腫瘍が多いとの結果。オッズ比 2.2。

2013年University of Southern CaliforniaよりLacson JCらが報告。
Population-based case-control study of recreational drug use and testis cancer risk confirms an association between marijuana use and nonseminoma risk.2012 Nov 1;118(21):5374-83.
163例のケースコントロール研究。大麻経験者と非経験者の比較で大麻経験者で精巣腫瘍が多いとの結果。オッズ比 1.94。特に非セミノーマと関連するとのこと。

いくつかの報告で同様の結果が出ていることから、大麻使用と精巣腫瘍の関連はありそうである。
注意が必要と考える。
ただ、精巣腫瘍の発症率は人口10万人あたり1-2人と稀である。2倍程度増えることが真実とすると、男性人口の全てが大麻を喫煙した場合10万人あたり1-2人程度増える可能性があるということだが、これは実際の大きなリスクとは考えにくいだろう。

睾丸癌(精巣腫瘍)

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医療大麻-クローン病

2015-04-19 | 大麻-医療用

2015年4/19 update

[クローン病とは]
クローン病(Crohn's disease; CD)は炎症性腸疾患の一つであり、主として口腔から肛門までの消化管全域に、非連続性の炎症および潰瘍を起こす疾患である。原因として免疫機能の異常に加えて食事因子が係っていると考えられている。症状は多岐にわたるが、腹痛・下痢・体重減少などである(1,2)。

[医療大麻の治療効果]
2013年、イスラエルTel Aviv UniversityのNaftaliらにより、少数例でのプラセボ対照試験が報告された。対象患者は既存の治療に抵抗性のクローン病患者 21例。THC 115mgを含む大麻とTHCを除去した大麻で効果を比較検討した。大麻群では完全寛解11例中5例、対照群は10例中1例であった(有意差はない。p=0.43)。臨床的な有効性は大麻群で11例中10例、対照群は10例中4例であった(有意差あり。p=0.028)。重篤な副作用はなかった(3)。
21例という少数例での検討であり、結果の解釈には慎重となる必要があるが、有望な可能性がある。今後さらなる研究が必要である。イスラエルのNaftali先生は積極的に炎症性腸疾患の大麻治療の研究をされているようなので注目したい。
その他、患者の証言(4,5)やケーススタディー(6,7)がある。

[基礎的研究]
大麻の主要成分であるカンナビノイドに対する受容体 CB1とCB2が消化管に存在することが知られており、カンナビノイドの刺激により腸の修復や保護を促すという実験データがある(8,9)。

[症状緩和効果]
クローン病の患者は慢性の疾患で、腹痛・吐き気・食欲低下といった症状が長期にわたって続くが、大麻は古くからこれらの症状に対して効果があることが知られており、欧米政府がまとめた文書(Institute of Medicine (IOM), the U.K. House of Lords Science and Technology Committee, the Australian National Task Force on Cannabisなど。)でも記載されている(10-12)。

[注意すべき点]
しかし、注意すべき報告もなされている。
2014年、University of CalgaryのStorrらの報告。炎症性腸疾患患者に対するアンケート調査で17.6%で症状緩和のために用いられており、多くが腹痛、関節痛、下痢などを緩和すると回答している。しかし6ヶ月以上大麻を使用しているものでは手術療法が必要となることが多い(OR=5.03)。著者らは大麻は症状を緩和するが手術のリスクとなる可能性を指摘している(13)。

コメント欄より、クローン病患者さんから、「食欲低下」に対する効果について、「炎症性腸疾患は活動期は絶食をするのが普通なので」、食欲増強が患者の不利益となる可能性について指摘された。
上に上げた、症状緩和に良いが、手術のリスクを上げるかもしれない、という報告も含めて、まだ不明な点の多い研究的治療であるだろう。

[現時点でのフロッガー私見]
・大麻はクーロン病など炎症性腸疾患の症状を緩和し、有望な薬剤である可能性がある。
・しかし、長期使用では手術リスクを上げるなどのリスクが懸念される。
・既存の薬剤で効果が無かったり、もしくは事情があり行えない場合には検討しても良いかもしれない。
・今後のために研究的に治療を行うことが望ましいと考える。

参考文献:
1) 難病情報センター:http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/023.htm 
2) Wikipediaクローン病: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E7%97%85
3) Naftali T et al. Cannabis induces a clinical response in patients with Crohn's disease: a prospective placebo-controlled study. Clin Gastroenterol Hepatol. 2013;11(10):1276-1280.
4) Gahlinger, Paul M. 1984. Gastrointestinal illness and cannabis use in a rural Canadian community. Journal of Psychoactive Drugs 16: 263-265. 
5) Swift et al. 2005. Survey of Australians using cannabis for medical purposes. Harm Reduction Journal 4: 2-18. 
6) Baron et al. 1990. Ulcerative colitis and marijuana. Annals of Internal Medicine 112: 471. 
7) Jeff Hergenrather. 2005. Cannabis alleviates symptoms of Crohn’s Disease. O’Shaughnessy’s 2: 3. 
8) Wright K et al. 2005. Differential expression of cannabinoid receptors in the human colon: cannabinoids promote epithelial wound healing. Gastroenterology 129:437. 
9) Massa and Monory. 2006. Endocannabinoids and the gastrointestinal tract. Journal of Endocrinological Investigation 29 (Suppl): 47-57. 
10) Marijuana and Medicine: Assessing the Science Base (1999). Institute of Medicine (IOM), USA. 
11) Cannabis: The Scientific And Medical Evidence. (1998). The House of Lords, Science and Technology Committee, UK. 
12) The Australian National Task Force on Cannabis.
13) Storr M et al. Cannabis use provides symptom relief in patients with inflammatory bowel disease but is associated with worse disease prognosis in patients with Crohn's disease. Inflamm Bowel Dis. 2014. 20(3):472-80.

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脊髄損傷と大麻 資料

2012-08-04 | 大麻-医療用

脊損と大麻について資料を調べる機会がありました。脊損のみをまとめたものはありませんでしたが、神経障害性疼痛の臨床研究で脊損患者を一部含んでいるものが幾つかありました。資料としてあげます。

最近の幾つかの論文をまとめたレビューでは、
Cannabinoids for treatment of chronic non-cancer pain; a systematic review of randomized trials.
Mary E Lynch, Fiona Campbell
British journal of clinical pharmacology. 2011 Nov;72(5);735-44.
がありました。

この論文でいくつか主要な論文をあげています。そのうち関連がありそうなものを上げます。

1. Smoked cannabis for chronic neuropathic pain: a randomized controlled trial.
神経障害性疼痛に対して大麻吸引を行った試験。ランダム化試験ですが症例数は23例とあまり多くありません。症例は外傷や手術後の神経障害性疼痛ですが、脊損が入っているのかは不明。THC9.4%の大麻で痛みと睡眠障害が改善しています。重篤な副作用なしです。

2. Comparison of analgesic effects and patient tolerability of nabilone and dihydrocodeine for chronic neuropathic pain: randomised, crossover, double blind study
神経障害性疼痛に対して合成カンナビノイドであるナビロンとコデインを行った試験。症例は96例でランダム化されています。脊損が1例含まれています。両薬剤ともに痛みを軽減しています。コデインのほうがやや良い。重篤な副作用なしです。

3. A randomized, placebo-controlled, crossover trial of cannabis cigarettes in neuropathic pain.
神経障害性疼痛に対して大麻吸引を行った試験。ランダム化試験ですが症例数は38例とあまり多くありません。脊損は6例含まれています。THC3.5%, 7%大麻について研究を行い、両方の濃度で痛みを軽減しています。重篤な副作用なしです。

4. Sativex successfully treats neuropathic pain characterised by allodynia: a randomised, double-blind, placebo-controlled clinical trial.
アロディニア(痛みを伴う感覚異常)のある神経障害性疼痛に対してサティベックスを行った試験。125例のランダム化試験。脊損は含まれず。末梢神経の障害がメインです。痛みと睡眠を改善しています。重篤な副作用なしです。

5. Benefits of an add-on treatment with the synthetic cannabinomimetic nabilone on patients with chronic pain--a randomized controlled trial
ドイツ語の論文なので詳しくわかりませんが、脊髄の痛みに対してナビロンを行った試験のようです。30例のランダム化試験。痛みを軽減しています。

6. Initial experiences with medicinal extracts of cannabis for chronic pain: results from 34 'N of 1' studies.
慢性疼痛に対して大麻抽出物を行った試験です。34例のN of 1試験です。脊損は含まれていませんが脊髄疾患が3例含まれています。痛み軽減、重篤な副作用なし。

7. A preliminary controlled study to determine whether whole-plant cannabis extracts can improve intractable neurogenic symptoms.
神経障害性疼痛に対して大麻抽出物を行った試験です。24例のランダム化試験。4例が脊損。痛み軽減、副作用は予想通りで使用に耐えうる。


アレロケミカル

2009-11-24 | 雑記

 この世界は弱肉強食であるとよく言われるが、それはある一面にすぎないと思う。植物を動物が食べる。いわゆる食物連鎖であるが、植物は弱いから食べられているわけではない。植物と動物はただ餌と捕食者の関係ではなく、そこにはコミュニケーションが存在すると思う。それは互いに閉じた自己ではなく、相手のことを考えているかのような共存関係がある。

 人間のコミュニケーションは言語であるが、自然界では化学物質によるコミュニケーションもある。個体内ではホルモンや神経伝達物質で細胞が「会話」している。同種間では、フェロモンというものを分泌して「会話」している。そして、異種間でも植物-昆虫などで化学物質を介した「会話」をしている。アレロケミカルと言うようだ。

アレロケミカル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%83%AB

 人類は自然界とコミュニケーションできているだろうか?弱肉強食をキーワードに、ただ搾取するものと思っていないだろうか?
植物は我々に語りかけているのではないか。かつては、シャーマニズムやアニミズムの場で精神に働きかける植物を取り、精霊たちと交信をしただろう。

 煙草から神聖さをとりあげたのは誰なのか?
 http://native.way-nifty.com/native_heart/2009/02/post-95c2.html
 ペヨーテ伝説
 http://www.entheo.org/blog/?p=422

そして、花の香りはいつだって人を優しくするだろう。

それは、人間に対する植物の化学物質による語りかけ、アレロケミカルだと思いたい。

 人類は地球上で話し相手のいない孤独な存在なのか?地球のがん細胞でよいのか?
環境破壊が叫ばれる今だからこそ、植物の言葉ではないささやきを感じ取ることが必要となるのではないだろうか。

写真は、キダチチョウセンアサガオ。エンジェルストランペット、ダチュラの名でも知られる。ナス科で、アトロピン、スコポラミンなどのアルカロイドを含む。

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医療大麻-投与法

2009-11-23 | 大麻-医療用

2.投与方法
・気管吸入:薬物動態は静脈注射の場合と似ている。摂取から効果が出るまでの時間が短く、使用者が自己調整しやすい。問題点は使用者の吸引技術に影響を受ける。喫煙の場合は肺・気管支への影響がある。
・静脈注射:THCが水に溶けず注射剤が作りにくいため一般的ではない。
・経口投与:緩除に効果が出現し、ピークも吸入より低くなる。THC製剤内服で、食欲増進効果は24時間持続する。問題点は血中濃度が安定しにくい。効果が出るのに時間がかかり、量が調節しにくい。
・口腔内投与、舌下投与:サティベックスはこの方法で投与される。生物活性も良く、有害性も低かった。
・坐薬:肝臓を通過しないので経口よりも生物活性が高い(2倍程度)。しかし一般的な方法ではない。
・エアロゾルの気管内投与:THC単独の気管内投与は刺激が強く、まだ実用に向かない。
・気化蒸気の吸入:Vaporizerと呼ばれる機械。煙が出ずタールなどの発がん物質に暴露されない。今後有望な方法だろう。

1) Walsh, D., Nelson, K. A. & Mahmoud, F. A. Established and potential therapeutic applications of cannabinoids in oncology. Support. Care Cancer 11, 137-143 (2003).


医療大麻-剤型

2009-11-23 | 大麻-医療用

1.剤型
代表的なものとして以下を挙げる。
・大麻草:葉と花を乾燥させたもの、樹脂を固めたものなどがある。品種も多くある。
・大麻抽出物の口腔内投与スプレー:サティベックス、カナドール。THCとCBDを含有する。
・THC製剤:合成THC ドロナビノール(マリノール)
・大麻に含まれるTHC以外のカンナビノイド:CBDなど。
・カンナビノイドアナログ
  ナビロン 制吐剤として米国で承認。
  CP-55940, WIN-55212-2 CB1、CB2に作用。
  JWH-015CB2特異的。向精神作用なし。
  HU-210, CB1、CB2低親和性。
  SR141716A CB1拮抗薬。肥満の食欲低下。