最初は通電してビープ音が鳴っていたが、そのうちに電源も入らなくなったそうです。
パソコンを事務所へ持って来いただきました。
パソコンは、HPのProdesk 600G2SFFというスリムタイプのデスクトップPCです。
電源ボタンを押しても全く反応がありません。カバーを開けて内部を確認すると、マザーボード上の小さいLEDは点いていました。
詳細をお聞きすると・・・ずっと使っていなくて久しぶりにパソコンを使おうとしたら、ビーフ音がなり、そうこうしている間に、全く電源が入らなくなったそうです。
一旦パソコンをお預かりしました。
マザーボード上の部品は、目視では異常が確認できませんでした。
そうすると電源ユニットが怪しい可能性もあります。この機種、コネクターが通常のATX仕様でなく特殊仕様でした。
電源スイッチを押しても全く反応しないので、ACコンセントを抜いて強制的に電源を落とし、再度ACコンセントをさすと・・・
電源が入りますが、ビープ音がなり電源ランプも点滅しています。
そして一旦電源が入ると、電源ボタンを長押ししても電源が落ちません。
なんか・・・電源スイッチが機能していないみたいでしたので、電源スイッチからマザーボードへの配線がつながっているコネクタを抜き差ししてみました。

すると・・・電源ボタンを押すときちんと電源が入るようになりました。今度はビープ音がなりますが、電源ボタンを長押しすると電源が落ちるようになりました。
どうも電源スイッチのマザーボード側のコネクタの接触不良のようでした。ずっと通電しないと接点に酸化被膜などができてしまい、接触不良になることがあります。
電源が入るようになりましたので、今度はビープ音の対応です。
通常メモリーの接触不良などでビープ音がなることがあるのですが、ちょっと鳴り方が異なります。
ディスク(SSD)を取り外した状態で検証しているので、エラーメッセージ(起動メディアが無い)が表示されるのですが、そのメッセージの前に一瞬・・・BattryLowのメッセージが確認できました。
デスクトップパソコンのバッテリーと言えば、C-MOS保持用のボタン電池くらいしか思いあたりません。

C-MOS保持電池(CR2032)の電圧を計ってみると・・・

3.06Vでした。新品のCR2032は3.2Vくらいの電圧があるのですが・・・パソコンによっては、3.0Vくらいになると動作・起動が不安定になる機種があります。
新品のCR-2032(3.2V出力)に交換しました。
交換後は、起動後ビープ音も鳴らなくなり、ディスクを取り付けて再度確認すると・・・無事にWindowsが起動してきました。
ディスクトップパソコンを、コンセントにささないで放置しておくと、BIOS情報の保持の為にマザーボード上のC-MOS保持電池が少しずつ消耗していきます。
今回は電池の消耗と、電源スイッチコネクターの接触不良によるトラブルと思われました。
後日パソコンを引き取りにきていただき、動作確認OKでした。
