「子供を生み、教育をしていくことは人類を維持するために不可欠な行為であるが、その目的に必ずしも家庭が必要とは限らない。」
確かに家庭はいりますよね。でも家庭といっても一通りでなくなっています。
①祖父母がいて、両親がいて、子供がいて、孫まで一緒に住む家族。
こういう家族はもうほとんどない。しかし、こういう家庭だと両親共働けるし、年金が少なくても高齢者の生活も介護も可能になる。
②夫が外で働き、妻が専業主婦で子供のいる家庭
これも現在は急速に減少しつつある家庭の類型です。自民党の憲法草案が男女平等に修正が必要とみているのは、このタイプの家庭を基本としたいという願望の現われでしょうか、家庭内での子供の教育を重視するとすれば、共働きよりこの形態がいいことは間違いないでしょう。
③共働きで子供のいる家庭
現在最も増加している家庭の形態ではないでしょうか、厳しい労働環境を考えれば、家庭内の教育環境は一般的な専業主婦のいる家庭より劣るとみなされている。
④シングルマザーまたはシングルファーザーと子供の家庭
これも最近増えつつあります。子供の養育環境としては一般的に共稼ぎ家庭よりさらに劣ると考えられるが、少子化対策としてはこのタイプの家庭へのサポートを考える必要がある。
⑤子供のない家庭及び未婚者
これも増加しているが、このタイプは人間の再生産に寄与しないので、国家の基盤とするタイプにはできない。あくまでも例外である必要がある。
世界人権宣言16条5項に「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会および国家の保護を受ける権利を有する。」という場合に念頭においているのはどのタイプの家庭だろうか、また読売新聞の憲法改正案での「家族」や自民党の憲法草案の「家庭」はどれを意味するのか。
そもそも家族というものは憲法より前に存在するものであり、これを憲法に記載するということは、憲法によって家族のあり方を規定することにならないだろうか、国民がそれを承知の上で憲法の中に家庭をもちこむのなら、それはそれでいいのかもしれないが、この扱いには慎重さを要すように思う。
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