
やっぱり家にいると顔がなごんでいる(22日)
☆自宅での点滴をやりましょうか
今日の拙稿も昨日の記録からになる。
午後7時半に病院へ到着。院長はじめドクターの方々がそろっている。遅くまでお疲れ様である。待合室のシェラは、前夜ほどではないもののかすかにふるえていた。名前を呼ばれて処置室に入ろうとすると嫌がった。抱き上げ、処置室の台の上に置く。体重21.58キログラム、昨日と変わりない。点滴をはじめる前に、「今日は血液検査をやってみましょう」ということで前足から血液を採取する。シェラは院長先生にはなすがままである。
やさしく、毅然とした先生である。ぼくたちはこの院長先生と病院に全幅の信頼を寄せている。せっかくのいい病院だったのに、引越しで仕方なく変えざるをえなかったときもあったが、この病院とめぐりあうまでは不満の連続だった。自信なげな先生、乱暴な先生、ぶったくりの病院……いろいろ変遷してようやくこの病院へたどりついた。シェラが最後にこの先生のお世話になれるだけで満足している。「シェラ、いい先生でよかったね」と常日頃からいっているくらいである。

シェラがいて当たり前の日がまもなく終わろうとしてる(22日)
血液検査の数値は変わってなかった。先週、悪化してから点滴で持ち直し、そこでとまっていた。すでに腎臓の70パーセント以上の機能を失い、回復は望めないものの、まださらなる悪化の段階へは移っていなかった。この日、200mlの点滴をおこなった。
問題はこれからどうするかである。院長からはいくつかの選択肢を示された。フードによる対応、薬による対処、点滴の持続、そして、何もせずに経過観察をすること等である。ぼくは迷わず点滴を続けることを選んだ。
「毎日通うのは大変でしょうから、おうちでやれるようにしましょうか」
家人はためらったが、ぼくは「お願いします」と返事をした。病院でふるえながらやるよりも家でやってやったほうがいいと思ったからだ。
「二度ばかり練習すればすぐに覚えますから……」
院長の言葉を聞きながらぼくは覚悟を決めた。
☆決して見捨てないからね
今日も午後7時に家に戻り、クルマで病院へ出かけた。今夜の待合室のシェラもまたかすかに震えている。今夜は院長先生ではなく、若いほうの先生である。このO先生にもまたぼくたちは院長と同様の信頼を寄せている。
さっそく、O先生から点滴の方法を詳しく教わる。最後にO先生が手書きの図解入りの説明書をいただいた。

病院の待合室でふるえながら呼ばれるのを待つ(22日)
月曜日からはじまった平日の点滴で、ぼくが連れてきたのは今夜で3日目、一昨日は家人にシェラを任せて近くの公園へルイを散歩に連れていった。不安がるシェラに家人が寄り添った。そして、昨日はぼくがシェラの身体をくるむように抱いて寄り添った。
どのくらいの時間を要したのだろうか。最初に15分か20分といわれているのでそんなものなのだろう。診察台の上で荒い息を吐きながら点滴を受けているシェラに寄り添っていると時間が二倍ほどに感じられる。

点滴を受けながらふるえはとまったが緊張で呼吸が荒くなっている(22日)
助かる見込みがまったくないシェラに、はたして点滴を受けさせて、“延命”をはかることがいいのだろうか? 。動物を飼ったことのなり人の目には、「ペットにそこまでやるの?」と映るだろう。しかし、人間も医療の恩恵を受けながら生きているのと同等に、大切なパートナーである犬や猫たちに医療を施すのは当たり前である。ぼくたちが決して見捨てないと信じながら犬たちも一緒に生きてきているはずである。
この問題は、次回、稿を改めて考えてみたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます