愛する犬と暮らす

この子たちに出逢えてよかった。

ルイの足はかなりヤバいかもしれない

2013-09-24 23:20:20 | ルイとの日々

■ 薬が切れたとたんに 

 先週でルイのアレルギーの薬が一段落した。 口のまわりの赤みはだいぶ好転した。
 とたんに、前足の様子が以前より深刻になっているのがわかる。相変わらず、寝そべっていて起きあがると前足を引きずるのだが、以前よりも長い時間、足の状態がよくない。

 とりわけ、15日(日)には、お彼岸で富士霊園を往復したあと、夜、ずっと足を引きずっていた。おおよその原因はついている。
 長距離のドライブになるから往路はリアシートに乗せおいたのだが、たとえば、コンビニで買いもののために女房が降りたりすると大騒ぎして前のシートに爪をかけたり噛んだりして騒ぐ。おかげでクルマの革のシートは傷だらけである。帰りはしかたなく荷室のクレートに入れた。これが、今回のは近距離用のやや狭いヤツだった。寝そべることは可能だが、やっぱり窮屈感は否めない。

 夜、食事をしにやってきたせがれが、口に新しい水泡のような腫れを見つけた。小さいが、薬がなくなってもアレルギーが枯れた状態ではない証左でもある。
 前足のこともあるし、翌日の秋分の日に病院へいくことにした。足は、右とか左というのではなく、左右ともによくない状態である。

 連休最終日の動物病院は混んでいた。女房が先にチェックインしているので、ルイは早く待合室に入りたくて突進していく。足が痛いのか痛くないのかさっぱりわからない。とにかく元気そのものだ。
 足に痛みでもあれば、しょんぼりして静かにしていると思うのだが、いつもそんなそぶりはまるでない。病院の待合室でもほかの犬と遊びたくて寄っていこうとするからぼくが抱いて押さえつけていた。「バカ犬だな、おまえは」といいたくなる。


■ 病気知らずだったシェラ 

 先生の説明は実にわかりやすかった。
 アレルギーはその原因がよくわからない。草や花なら時期が終われば一段落する。11月になってもまだつづくようならハウスダストなどを疑うべきだろうから、そのあたりを目安に様子をみよう。
 足のほうは、コーギーは肩の関節を痛めやすいのでしばらく消炎剤をつかってみる。アレルギーの消炎剤も関節に効いていたので、切れたとたんに症状がぶりかえしたのだろう、と。

 いまだ2歳にしてこんな状態じゃ、これから先が思いやられる。そういう点、シェラは最後にガンという命取りの業病に見舞われてしまったが、それまでは病気知らずだった。
 1歳前にぼくの不注意からクルマにはねられたが、眉間を切っただけで九死に一生を得た。あのときは、傷を縫合してもらい、1週間の入院ですんだ。

 10歳くらいのころには、公園の傾斜地で遊んでいて足を傷め、当時かかっていた病院で、「腱を切断しているので、今後、まともな歩行はできない」と宣告された。だが、めきめき完治していった。女の子ながらよく暴れたし、身体に比して細い足だったので、何度となく足を傷めて病院のお世話になったが、回復は早かった。

■ 大病を経験したむぎ 

 むぎのほうは、保険の元をとるほど病院のお世話になった。入院して2日目に「リカバリーの確率は五分五分、かなり危険な状態」と宣告されたこともあったがそれでも生還した。
 しばらくして、前足にできた小豆ほどのイボを切除してもらったら10万円の請求がきてびっくり仰天。さすがに病院を変えた。おかげで、現在の心から信頼できる先生と出会えた。

 現在の病院で、むぎは胆石の手術をして大きな石を摘出してもらったこともある。こんな大きな石を何個も抱えてさぞや痛かったろうとこちらの心もおおいに痛んだほどだった。
 ルイと同じコーギーのむぎも、若いころは病気知らず、ケガ知らずだった。腰のあたりが貧相だったので、もしかしたらうしろ足に障害がでるかもしれないと気にしていたが、12歳の最後までちゃんと歩いてくれた。

 ルイは、むぎとちがって、オス犬ということもあるだろうが、暴れん坊で筋肉もりもりのわんこに育っている。行動の積極さがまるでちがう。筋肉質なのでさぞや頑強なわんこになるだろうとタカをくくっていたら、前足を引きずりはじめてしまった。暴れすぎが原因かもしれない。


■ いずれ老々介護の日々かな 

 散歩は5分以内、激しい動きはさせないように。これが現在のルイに対する病院からの指示なのだが、5分程度じゃウンコをしないし、いくらとめても家の中と外とを問わず、動きは激しい。
 こうなったら、家にいるときはクレートの中にいれておくしかないかもしれない。

 今後、季節ごとにアレルギーに苦しみ、足の痛みだか痺れだか、ぼくたちには判然としないが、これらとずっとつきあっていくとしたら不憫である。かといって、どうにもできない。こちらもどんどん歳とっていくわけで、体重15キロのコーギーの介護もやがてままならくなるのが恐怖である。いまは、せいぜいこちらの健康に気をつけて生きていかないとと思うのみである。

 そんなぼくの苦衷も知らず、当のルイはノーテンキに構えている。



また出直してくればいいじゃないか

2013-09-18 22:11:57 | ルイとの日々

■ まさかの雨と雷におびえたのは

 初日の夕方、食料の買い出しから帰ると雨になった。とっぷり日が暮れてからサイトへ戻ると心細いものだが、雨に追われていたのでそれどころではない。
 まずはランタンに灯りをともし、まだ小降りのうちにとルイの散歩をすませてテントに逃げ込んだ。

 事前の天気予報では、12日(木)から撤収予定日の15日(日)まで雨の予報はなく、敬老の日の16日(月)だけが傘マークになっていた。むろん、雨具は持参したが、傘を持ってこなかった。クルマにルーフボックスを積んでいた当時はいつも何本かのビニール傘を放り込んであったのであらためて積み込む習慣がなかった。

 雨はすぐに本格的な降りになった。しかも、遠いとはいえ、雷鳴が聞こえてきた。向こうっ気はつよいが臆病を絵に描いたような女房は遠雷ながらすっかりおびえている。シェラが生きていたころは、雷となると女房とシェラのふたりがおびえるのでなだめるのにひと苦労だったが、いまのところルイは反応しない。
 シェラも3歳になるまでは雷にも花火にも平気だった。臆病わんこのルイのことだから、いつ怖がるようになるかわかったものではない。

 もし、雷がひどくなったらどこへ避難したらいいかの段取りだけを教えてぼくたちは食事をしながらテントの中で雨が通り過ぎるのを待った。
 管理人の奥さんが、「雨がひどくなったらロッジへ避難してください」とわざわざ知らせにきてくれた。ロッジのひとつの鍵を開けておいてくれたのである。ありがたい。これを聞いてもう女房はすっかりロッジへ避難する気になっている。


■ テント中で行儀よく過ごす

 幸い、9時を過ぎたころには雨はほとんどやんで、頭上の木から落ちてくる雨のしずくがテントをたたくだけになった。ぼくたちが食事を終える間、ルイはずっとおとなしくぼくの足元にうずくまっていた。
 せっかくの高原だというのに、気温は低くても湿度が高いので汗ばんでしかたない。こうなるとシャワーを浴びる気にもなれず、濡れタオルで身体をふいてごまかした。元々、キャンプとはそういうものだった。

 慣れない環境でルイが疲れ果てているのはひとめでわかる。ぼくたちはコットというキャンプ用のベッドで寝たが、ルイはコットの下の床で寝ていた。去年の9月のころは不安げにコットへ上ってきてぼくのシュラフに潜り込んできたが、いまはおとなしい。それだけ成長したということだろう。

 寝るためにテントの入り口を閉じると、開閉のファスナーを気にしてしきりに鼻を突っこんでくる。去年、ファスナーの隙間に鼻をねじこみ、強引に開けて外へ出ようとしたことを覚えているのだろう。今度はきっちり閉めたのでそうはいかない。
 かくしてぼくのコットの下でルイは朝までぐっすり眠った。

 2日めは、朝こそ雲が残っていたが次第に切れて気持ちのいい秋晴れとなった。朝食後、女房とともに散歩に出た。どこへいってもシェラやむぎの記憶が濃厚である。ルイと歩いているのが不思議に思えてくる。
 これ以上、死んだ子たちの思い出で悲しみを新たにすまいとの思いが無意識のうちにはたらいたのか、ぼくたちは早々にサイトへ戻った。


■ シェラとの最後のキャンプの思い出

 午後になると従姉夫妻が到着した。にぎやかになってルイは大喜びである。従姉の連れ合いは、死んだむぎをことのほかかわいがってくれた。むぎもそれを知っていて、キャンプではいつも彼に張りついていたほどだった。むぎが家族以外に心を許すなんて珍しい。ルイも彼が犬好きだとわかっている。

 去年の7月に八千穂駒出池キャンプ場で一緒だった彼らによると、去年のルイは暴れまくっていたそうだ。ぼくにも女房にもまったく記憶にない。一緒にキャンプしたことすら忘れていた。2月に死んだシェラのショックからまだ立ち直れていなかったのだろう。

 いまテントを張っているサイト自体、たまたまシェラとの最後のキャンプとなった一昨年の9月のサイトの隣だった。気づいてもすでに気持ちが乱れそうにはならない。それよりも、ルイとのキャンプを楽しもうという意欲がまさってくれるからだ。
 まだまだ落ち着きのないガキわんこではあるが、シェラともむぎとも違うルイならではの個性を発揮してくれそうだ。

 その日の未明、南方洋上で発生した台風18号の影響で天気予報はさらに大きく変わった。ぼくたちが予定していた最終日の15日(日)が傘のマークに変わってしまった。こうなったらもう日程を1日切り上げて帰るしかない。
 ぼくも9か月ぶりのキャンプで身体がなかなかなじみきれていなかった。早く帰るいい口実になった。この時期の2泊3日はぼくにとってもルイにとってもちょうどいい日程だったようだ。

 仕事の段取りさえつけば10月も11月にも機会がある。とりあえず家に帰ろう。また出直してくればいいのだから。




ルイとの5度目のキャンプはあの清里で

2013-09-16 21:08:04 | ルイとの日々

■ 波乱含みの出発 

 ぼくとルイの体調もなんとか戻り、ようやくキャンプに出かけることができた。年越しキャンプ以来、9か月のブランクである。20代から30代は仕事に追われてめったにキャンプへいくことができなかったが、少し余裕ができた40代からこのかた、こんなに長くキャンプから遠ざかっていた記憶はない。
 
 ルイとのキャンプも、これが5回目となる。11日(水)から夏休みをとり、家人の仕事の関係で出発は12日からではあるが、出発前日にたっぷり準備ができるので理想的な日程のはずだった。 
 余裕の日程は、だが、初日からつまずく。会社で持ち上がったトラブルのため、ぼくは急きょ出社することとなり、11日は夏休みながらフルタイムでデスクに座って過ごした。12日も、ほんとうは会社にいるべきだったのかもしれないが、思い切って若い人たちにまかせ、夏休みに入った。

 そんなわけで、荷物のクルマへの積み込みなどの準備は出発当日の朝となった。まず、ここでトラブった。クルマの屋根に装着するキャリーの小さな部品が脱落して見失い、結局、キャリーなしでの積み込みとなった。おかげで装備を切り詰め、ルイが乗るはずのリアシートも半分つぶして荷物を置いた。時間も30分以上ロスしてしまった。


■ 予定のキャンプ場が貸し切りとの情報 

 午前11時の、キャンプとしては遅い出発となったが、ウィークデイでもあり、また、だれかと待ち合わせをしているわけではないので焦りはない。車載のナビが推奨する練馬へ出て関越道を使うルートを無視して中央道の八王子ICへ向かった。
 目指すは八千穂高原駒出池キャンプ場だ。わが家のホームグランドのようなキャンプ場であり、去年の7月にルイもここで2度目のキャンプを経験している。
 
 八王子までの半分ばかり走ったところで明日から現地で合流を予定している従姉から電話があった。彼女のつれあいのO氏が八千穂駒出池キャンプ場のHPをのぞいたら14日(土)から15日(月)まで貸し切りになっているので入れないのではないかと……。うかつにもチェックしていなかった。
 あの広いキャンプ場が全面貸し切りとはにわかに信じられないが、14日の予定がぶつかることになる。
 
 すぐに近くのホームセンターの駐車場へクルマを入れ、同じ方角にある清里中央オートキャンプ場へ電話をかけた。ここも八千穂と並んで慣れ親しんだキャンプ場であり、去年2月に17歳で死んだシェラと、一昨年の9月にキャンプをした思い出深いキャンプ場でもある。あのときは、その年の7月に死んだむぎの哀しみを胸にしながらのキャンプであり、しかも、あれがシェラとの最後のキャンプとなってしまった。


■ 清里での2年ぶりのキャンプ 

 もし、関越道へむかっていたら、清里までおおまわりしてむかうことになっていた。それに、三連休となると、清里中央のほうが東京から近い分、混雑が予想されていたので最初から候補地にしていなかった。女房は、清里中央になってむしろ喜んでいた。近いし、設備も充実しているからだ。なによりも管理人の奥さんがとてもいい人だからだ。
 
 清里までは買いものもせず、そのまま走って午後3時過ぎには到着した。2年ぶりでもあり、管理人のご夫婦がびっくりしたような顔で迎えてくれた。
 あの犬たちが死んでしまって……と無沙汰の釈明をするぼくたちの話を奥さんは涙ぐんで聞いてくれた。似たような常連キャンパーが何人もいたのだろう。やっぱり、こちらへきてよかったとしみじみ思った。
 
 管理人さんたちはオーナーではない。しかし、このキャンプ場はこの奥さんで成り立っているといっても過言ではない。訪れるたびに、まるで故郷へ帰ってきて、家族に再会したときのような安心感を抱かせてくれるからだ。管理人の奥さんは、いつもそんな心のこもった迎え方をしてくれる。
 ご主人も純朴で寡黙な分、とかく誤解を受けやすいが、根はとても気持ちのいいナイスガイである。いまはすっかり成長してキャンプ場の手伝いをする余裕はないようだが、ふたりの可愛いお嬢さんたちもぼくたちはよく知っている。

 

■ うるさいルイのおかげでウエットにならずにすむ 

 初日のキャンプ場は電源なしサイトのテント泊がほかに1組、ロッジに1組だけだった。ぼくたちも電源なしのサイトながら、電源サイトに隣接したサイトを選んだので、見わたすかぎりだれもいない。ちょっとした物音に反応するルイとのキャンプには理想的な環境だった。
 ぼくだけあとになって気づいたのだが、このサイトはシェラと最後にキャンプをした電源サイトのとなりだった。なんだか、このキャンプ場にきたのも、そして、となりのサイトを選んだのも、すべてシェラの意志が働いたような気がしてならなかった。
 
 2年前の9月をしのんでまたしてもメソメソしてしまいかねない状況ながら、設営をはじめてすぐに騒ぎはじめたルイのおかげでウエットになどなっている余裕はなかった。キャンプデビューのときから、ルイはテントのポールが怖いらしく、ぼくが設営をはじめると狂ったように吠えはじめるのである。今回も例外ではなかった。
 しかたなく、はるか遠く、そう100メートルほど先で物陰でこちらのサイトが見えない位置にしばりつけてからの設営となった。ぼくたちの姿がみえなくなればおとなしくしている。
 
 シェラはテントをたてはじめると、「早くしてよ!」とばかり吠えてぼくを煽った。早くテントの中に入りたいからだ。ルイくらいのころから、テントの中でまったりしているのが大好きな子だった。むぎのほうは、キャンプとなるとシェラの横から離れ、テントから半身を外に出して番犬となっていた。
 ルイがどんなキャンプ犬になっていくか楽しみだが、いまのところ邪魔ばかりしている。ただ、外につないだままにしておいても、テントの中に入りたがらないので、この特質だけは失わないでほしいと思う。
 
 初日、設営が終わり、買いものに出かけてからが、次の波乱を迎えることになるが、以下は、別途エントリーをたててのレポートとしたい。


とうちゃん、約束が違うぜ!

2013-09-11 12:58:02 | ルイとの日々

 今日から夏休みで16日の敬老の日を含め6連休……になるはずだったが、事情があっていま会社のデスクから出ている。アウトドア三昧の連休の予定が初日から挫折した。とはいえ、あんまり出しゃばると若い人たちからますます嫌われるからそろそろ引き揚げようかなと思っている。

 今朝、家を出るとき、ルイが玄関までうなりながら追ってきてぼくに激しく吠えた。「とうちゃん、いくな!」の実力行使も今朝はひときわ激しく、玄関と廊下の境にたててあるフェンスを越えてぼくに迫り、扉の前でひと悶着あった。
 このフェンス、40センチほどの高さで、くの字にして自立させているだけだが、ルイはこれを決して越えなかった。だが、今朝は簡単に突破してしまった。
 
 最近は、フェンスの向こうで出ていくぼくを大人しく見送るようになっていただけに、今朝の引きとめ方の尋常ならざる様子は驚きだった。まるで、ぼくが休みなのに出かけていくのを知っているかのように……。
 
 たしかに、昨夜、「さあ、ルイ、明日から休みだからたっぷり遊べるぜ。久しぶりにキャンプへいこうな」と話している。今朝のルイの様子を、「とうちゃん、話が違うぜ。おいらとキャンプへいくはずだろうが!」と抗議しているのだと解釈するとつじつまがぴったりあうのだけれど……まさかね。



過ぎゆく夏は白樺の森でリフレッシュ

2013-09-08 21:31:32 | ルイとの日々

★人間は信じられなくても 
 この3週間ばかり、業務上発生した事件で、こちらの正しさを証明するため告訴をせざるをえなくなり、その準備などでけっこう神経をすりへらしてしまった。
 といっても、何が大変だったかといえば、若いひとたちの予想外の緊張や狼狽をまのあたりにして、その対策に腐心したからだ。外からの揺さぶりよりも、内側の動揺のほうが消耗する。

 その一方で、facebookを通じてわかったことだが、まわりの知己の、意外な人が支えになってくれるのだとわかったのが、失ったものを補ってあまりある収穫ではあったが。
 困ったとき、あるいは、窮地に追い込まれたときこそ、人間の本質が見えてくる。人を見抜くときの一定の基準が明確にわかったのもよかった。
 
 いつ、どんなときにも心の支えになってくれるのは、やっぱりわんこをおいてほかにない。かつては、シェラやむぎにどれだけ癒されてきたかわからない。つらい時代をともに過ごし、いつも励まし続けてくれた。その存在が心の支えとなってくれた子たちだった。


★そこにいてくれるだけでいい 
 毎晩、疲れて帰ったぼくをルイが迎えてくれる。大喜びし、跳びついてくるわけではないが、いつも玄関でぼくを待っている。
 ドアを開けて目があう。ぼくが若いかけながら、「ただいま。ルイ、待っていてくれたのか。ありがとう」といって頭をなでてやり、一緒にリビングへ向かう。「とうちゃん、おいら、待ちくたびれたぜ」とでもいいたげに振り返るが、まだ、喜色満面とはいかない。

 ぼくの着替えがはじまると、ようやく、エンジンがかかって服をひっぱろうとしたり、鞄のなかに顔をつっこもうとする。それでもまだ相手をしてもらえないのを知っているから、ぼくの行動を注視し、いつでも反応できる位置に座っている。それだけでも、ぼくは疲れが抜けていく。

 本格的な遊びタイムは、食後、ぼくがソファーに移動してからだ。この相手がけっこう疲れる。しかし、それも現在(いま)だけの至福の時間。まもなく、おとなのわんこになってしまったら相手さえしてくれなくなるだろう。むろん、それでもいい。そこにいてくれるだけで……。


★アレルギーは好転しつつあり 
 土曜日、ルイの病院へ行った。先週もらった薬のおかげで口のまわりの赤みはピークをこえて落ち着きつつある。足のほうは治癒しているようなので、消炎剤を足用からアレルギー用に切り替えるとのこと。ほかにフィラリアも飲みながら、飲み薬ではないが、ノミやダニ用のフロントラインも欠かせない。

 足のほうの症状はでていないものの、ぼくにはまだ一抹の不安が残る。それというのも、15.40kgという体重のせいだ。並外れた太い足だが暴れ方がハンパじゃない。
 やっぱり、もう少し痩せさせないと思うけど、おやつの習慣をあらためかぎりむずかしい。

 木曜日から予定しているキャンプだが、お医者さんからアレルギーは問題ないといわれているのでひと安心。予定している場所はこれまで20数年にわたって何度も出かけているホームグランドみたいなところ。きれいな白樺の森の片隅でのキャンプである。

 今年は陽気がガタガタに狂っているから例年の常識が通用しないはず。とくに吸血昆虫類やらハチの跋扈に気をつけなくてはならない。去年の9月、別のキャンプ場だったが、ルイもぼくも吸血昆虫でひどい目にあっているだけになおさらだ。

 夏の終わり、ぼくとルイに棲みついた心と身体の翳りを白樺の森で洗い流してきたい。