「晴耕雨読」

もしかするとこの世の幸せなんて
瞬くイルミネーションのようなものなのかも知れない…

『背中まで45分』

2005-01-30 09:49:19 | Weblog
出会いの場所はホテルのロビー、目と目があって挨拶は無く
夜が始まり、それが45分前

会話のために名前を聞いて、ありふれた名ですぐに忘れた
指が動いて、それが45分前

それから、寄り添い、二人で恋をし
長い廊下転がされて迷い込んだ、ホテルラウンジバー

二人で飲んだトロピカルシャワー、めまいのようにはじけてとんだ
歌も聞こえて、それが25分前

笑った後はけだるい気分、眠りませんか?僕の部屋でも
夢に向かった、それが15分前

二人で手をとり、ダンスをしながら出て行くのを見送るのは
誰もいない、ホテルラウンジショー

部屋に入れば、それがちょうど5分前

ドレスを脱いで抱き合う時に、背中の指が静かにはねた
それがちょうど、それがちょうど、今

背中まで45分・・・背中まで45分・・・
背中まで45分・・・背中まで45分・・・

『言葉にできない』

2005-01-30 09:28:08 | Weblog
終わる筈のない愛が途絶えた
いのち尽きてゆくように
ちがう きっとちがう 心が叫んでる

ひとりでは生きてゆけなくて
また 誰かを愛している
こころ 哀しくて 言葉にできない
la la la ・・・ 言葉にできない

せつない嘘をついては
いいわけをのみこんで
果たせぬ あの頃の夢は もう消えた

誰のせいでもない
自分がちいさすぎるから
それが くやしくて 言葉にできない
la la la ・・・ 言葉にできない

あなたに会えて ほんとうによかった
嬉しくて 嬉しくて 言葉にできない
la la la ・・・ 言葉にできない
あなたに会えて
言葉にできない
今あなたに会えて

『あの人の手紙』

2005-01-28 15:32:18 | Weblog
泳ぐ魚の群に石を投げてみた 
逃げる魚達には何の罪があるの
でも今の私にはこうせずにはいられない 
私の大事なあの人は今は戦いの中
戦場への招待券というただ一枚の紙切が
楽しい語らいの日々を悲しい別れの日にした
 
殺されるかもしれない私の大事なあの人 
私たち二人には何の罪があるの
耐えきれない毎日はとても長く感じて 
涙も枯れたある日突然帰ってきた人
ほんとうにあなたなのさあ早くお部屋の中へ
あなたの好きな白百合をかかさず窓辺に飾っていたわ
 
あなたの優しいこの手はとても冷たく感じたけど 
あなたは無理して微笑んで私を抱いてくれた
でもすぐに時は流れてあの人は別れを告げる 
いいのよ優しいあなた私にはもうわかっているの
ありがとう私のあの人本当はもう死んでいるのでしょう
昨日手紙がついたのあなたの死を告げた 手紙が

『好きだった人』

2005-01-23 10:44:48 | Weblog
好きだった人 ブルージーンズをはいていた
好きだった人 白いブーツをはいていた
好きだった人 ステテコもはいていた
好きだった人 Tシャツが似合ってた

 失恋という言葉は知ってたけれど
 失恋という言葉は知ってたけれど

好きだった人 金魚すくいがうまかった
好きだった人 ヤクザ映画に誘ってくれた
好きだった人 アベレージが102だった
好きだった人 ハンバーグを食べていた

 失恋という言葉は知ってたけれど
 失恋という言葉は知ってたけれど

好きだった人 強がりを言っていた
好きだった人 一度だけキスしてくれた
好きだった人 レモンをかじってた
好きだった人 海を見つめて泣いていた

 失恋という言葉は知ってたけれど
 失恋という言葉は知ってたけれど

『人生の贈り物-他に望むものはない-』

2005-01-18 10:56:52 | Weblog
季節の花がこれほど美しいことに
歳を取るまで少しも気づかなかった
美しく老いてゆくことがどれ程に
難しいかということさえ気づかなかった
もしももう一度だけ若さをくれると言われても
おそらく私はそっと断るだろう
若き日のときめきや迷いをもう一度
繰り返すなんてそれはもう望むものではない
それが人生の秘密
それが人生の贈り物

季節の花や人の生命の短さに
歳を取るまで少しも気づかなかった
人は憎み諍いそして傷つけて
いつか許し愛し合う日が来るだろう
そして言葉も要らない友になってゆくのだろう
迷った分だけ深く慈しみ
並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる
友が居れば他に望むものはない
それが人生の秘密
それが人生の贈り物


季節の花がこれほど美しいことに
歳を取るまで少しも気づかなかった
私の人生の花が散ってしまう頃
やっと花は私の心に咲いた

並んで座って沈む夕日を一緒に眺めてくれる
友が居れば他になにも望むものはない
他になにも望むものはない
他になにも望むものはない
それが人生の秘密
それが人生の贈り物

『吸殻の風景』

2005-01-13 15:14:13 | Weblog
久し振りね相変わらず元気そうで安心したわ
 昔の様に君は笑って煙草に火をつけて
 驚かずに聞いてくれるあれから私どうしたと思う
 つまるところ落ち着くとこへ落ち着いたの私
 まさかと思うけど
 いつまでも気にしちゃいないでしょうね
 陽に灼けた肌が染になったところで
 それはお天道様のせいじゃないよ
 だからそんな風に悲しい顔今夜だけは止して頂戴
 わかるでしょ雨の日には誰だって傘をさすものよ

 みんなはどう元気でいる私の事覚えてるかしら
 あの頃私子供だったからみんなを困らせたわ
 今になって考えればあなたはとても良い人だった
 だからこそ落ち着くとこへ落ち着いたの二人
 人は皆それぞれに自分の時刻表を持っているのよ
 あなたと私の場合は
 どちらかが列車を乗り違えただけの事じゃない
だからそんな風に自分の事いじめるのは止して頂戴
 わかるでしょ風の日には誰だって目をつぶるわ

 それにしても久し振りね
 相変わらず優しそうで安心したわ
 昔の様に君は笑って
 煙草の火を
 煙草の火を
 煙草の火を 消した

『普通の人々』

2005-01-08 11:31:04 | Weblog
鍵の数だけ不幸を抱いているって 誰かが言ってたね
 僕には部屋のドアの鍵がひとつだけ 倖せのうちなんだろう
   午前零時前の暗い部屋には 留守番電話の赤いランプが
   No Message
 TVは好きじゃないね
 ヒステリックでセンセイション 疲れは増すばかり
 クレジットカードとファッション雑誌に
 追いかけられるなんて 耐えられない
   シャワーの音を気づかってドライビール
   雑誌の見出しに驚くけど
   No Message
 退屈と言える程 幸せじゃないけれど
 不幸だと嘆く程 暇もない毎日

 例えば朝の電車 みんなの顔が同じに見えて来る
 例えばTVで笑う みんなの顔が同じに見えて来る
   危険信号 誰かが言うけど どっちが危ないのかな
   No Message
 好きな人はいるよ あたり前にね 愛し合っているよ
 友達も多い方 いい奴ばかりで 僕は普通なんだろう?
   何も気にする事なんかない なのに何か不安で
   No Message
 寂しいと言える程 幸せじゃないけれど
 不幸だと嘆く程 孤独でもない
 生きる為の方法は 駅の数程あるんだから
 生きる為の方法は 人の数だけあるんだから

『唇をかみしめて』

2005-01-04 10:00:09 | Weblog
ええかげんな奴じゃけん
ほっといてくれんさい
アンタと一緒に泣きとうはありません

どこへ行くんね
何かエエ事あったんね
住む気になったら手紙でも出しんさいや

季節もいくつか
訪ねて来たろうが
時が行くのもわからん位に
目まぐるしかったんじゃ
人が好きやけね 人が好きやけね

さばくもさばかんも 空に任したんよ

人がおるんよね 人がそこにおるんよね

何かはわからん
足りないものがあったけん
生きてみたんも許される事じゃろう

自分の明日さえ
目に写りもせんけれど
おせっかいな奴やと笑わんといてくれ

理屈で愛など
手に出来るもんならば
この身をかけても すべてを捨てても
幸福になってやる
人が泣くんよね 人が泣くんよね

選ぶも選ばれんも 風に任したんよ

人がおるんよね 人がそこにおるんよね

心が寒すぎて
旅にも出れなんだ
アンタは行きんさい 遠くへ行きんさい
何もなかったんじゃけん
人が呼びよるね 人が呼びよるね

行くんもとどまるも それぞれの道なんよ