血糖値の奴隷

血糖値を測定するようになると、その数値に振り回されがちらしいですね。
僕は日ごろ、血糖値を測定していません。診察の日に病院で診てもらうだけです。
もし、毎日測定できるようになったら、きっと僕は振り回されることでしょう。なぜなら、今でも振り回されているに等しいからです。

コンビニに入ると、美味しそうなスナックや脂っこいインスタント食品が並んで誘惑します。街角では焼きたてのシュークリームの甘い香り。訳もなく、食べたくなる時。その時思い浮かぶのは、食べた時の自分と、自分の頭上に浮かぶデジタルメーターです。デジタルメーターは血糖値で、クルクルと加算されて２００を越えていきます。ついでに父の顔も浮かびます。で、恐くなって立ち去ってしまうのです。
あるいは、霞んでいく眼だとか、足を切り落とす手術とか。そういったバッドイメージが浮かんできます。

なんていうか、臆病なんですよね。血糖値を測るまでもなく血糖値の奴隷。
でも臆病な動物こそが、長生きできる動物なんだと思いながら、誘惑から遠ざかるのでした。