紙魚紙゛魚古書館

某古本屋さんでゲットした滋味豊かな古本をアップします。

伊藤 礼著『狸ビール』

2008-02-10 07:41:59 | Weblog

長く机の上に置いたままになっていた一冊である。当然のことであるがこれも¥100の古書である。恥ずかしながらこの本に巡り会うまで伊藤 礼なる著者を知らなかった。どうやら翻訳者らしいのだが、趣味が狩猟のようで、題名が『狸ビール』なのである。

珍しく本を手に取り読んで見て、最初の一編で虜になってしまった。所謂『読み進むのが勿体ない』本である。読んでしまうと残りが少なくなってしまうからである。

そういう訳で一編しか読んではいないのだが、最初の一編の随筆に、この標題の意味が明らかになっている。内容はおおよそ以下のとおりである。著者は鳥撃ちが専門らしいのだが、雇ったガイドに煽られて狸を6匹も獲た。そこで仲間を呼んでビールを飲みながら狸料理を食したのだが、食べていると何だか体が狸臭くなってきた。沢山食べた女性は数日経ってもなかかなか臭いが抜けず2週間も消えるのにかかったらしい。最初から狸ビールって言ってくれないなんて酷いと女性に言われたというお話である。最近の面白い本の筆頭である。

概して言える事だが、翻訳家の書く物は面白いのである。