ミシュラン★★★の『神楽坂 石かわ』で誕生日祝いのディナーを食してきた。
入口は目立たないが、店に入ると洗練された和の空間が目の前に現れる。個室はテーブルでとてもモダンな感じがする。微かにお香を焚いているのがすぐわかる。お手拭きにもきちんと香りを付けてある。
仲居さんの接客も細やかで、フランス料理とは異なる贅の空間が醸し出されているのは、日本料理の料亭ならではであろう。
料理は、どの一皿にも伝統を踏まえつつも創作の意気込みに溢れていた。ゼリーを使った一皿はフレンチにも通じるような気がした。この創造性とモダンさは、ミシュランが高評価する要素なのではないかと改めて実感した次第である。
ただ、瓢亭などに代表される京懐石料理の洗練の極みには、いまだ到達していないというのが正直なところではないだろうか。
特に、初物の松茸ご飯の味付けが少し醤油が強すぎたところなどがそうである。まだまだ伸びしろのある発展途上のお店といえなくもない。今後に期待したい。