とはずがたり

日々の雑感を…

INTO THE WILD

2008-10-23 20:50:00 | とはずがたり

Intothewild 映画『INTO THE WILD』を観た。3時間に及ぶ長編映画である。主人公のアレックスことクリスは、小金持ちだが両親の諍いが絶えない家庭に嫌気がさし、大学を優等で卒業したあと、消息を断って全米を放浪する。実話に基づくストーリーである。

物質的には少し恵まれているが、堅苦しくて独善的な家庭環境に主人公が苦しんだ点は、とても理解できる。

でも、現実のアラスカの荒野に行って結果的に死に至る必要はあったのだろうか? 荒野はどこにだってある。家族にもある意味、「荒野」の部分はあるといえるから。

加えて、誰しも自分の心の中に「荒野」はあるのではなかろうか? 心の荒野には、とにかく時間をかけて折り合いを付けていくしかない。

映画の最後、アラスカの荒野で孤独な生活の果てに衰弱死する間際に、アレックスは、トルストイの一節のなかに真実を見出す。

“ Happiness is only real when shared.”

『幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合ったときだ』

この映画を観て、本気で誰かを好きになりたいと思った。