ひたむきってどっち向き?

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ドッキドキ!お医者さん体験!(CoMedつくば)

2015-08-23 18:34:02 | 医学教育
CoMedつくば(こめどつくば)という団体がある。

CoMedは「Community Medicine Tsukuba」の略で、『命を救うアイデアを、地域みんなで創りあげる』を理念に、地域社会とともに医療に取り組む、筑波大学の熱心な医学生のグループである。

医学部は低学年から気の抜けない講義が続くが、それ以外にもAHA‐BLS(医療従事者向け一次救命処置)コースを受講したりと自己啓発にも余念がなく、また、地域社会への貢献活動にも熱心。

そのCoMedつくばが、去る8/22(土)に茨城県県西生涯学習センターで中学生向け夏休み企画「ドッキドキ!お医者さん体験!」を開催し、多くの地元中学生(小学生・高校生も)が参加した。

【当日のメニュー】
(1)手術(外科医)コース

外科医になった気分でおさかなを解剖。医学生の指導のもと、中学生は「エグい、エグい!(笑)」と言いながらも熱心に&楽しそうに解剖方法を学んでいた。

医学部で解剖学を学ぶ時はこんなぶ厚い教科書読むんだよ~と、軽くジャブを打つw。って言うか、ただ覚えるだけって、厚すぎでしょ、これ。

(2)救急救命コース

救急現場で活躍する救急医や救命士になったつもりで心肺蘇生法を学ぶ。
今回も市民救助者向けのハンズオンリーCPR(心臓マッサージのみ・人工呼吸なし)AEDの使い方のセット。


ひと通り教えてもらった後、実際に人が倒れているシナリオでシミュレーション。チームで協力して実施することが見事に伝わっていた。「ATM持ってきてっ!」。って、それは犯罪だ(笑)。でも、本当に人が倒れていたらそれくらい混乱するかもしれない。「119番って言わないと110番にかけちゃう人もいるから、そこもちゃんとお願いしようね」など、医学生からのきめ細やかな説明が素晴らしかった。子どもたちや市民に教えるときにパクろう。

(3)診察(内科医)コース

医療現場で行われている身体診察で血圧・脈拍等を測りっこしてみる。
子どもたちが触ったことのある機械式の血圧測定器はワンタッチだが、今回はマニュアルの測定器を用いて、強く締めすぎると血管も圧縮され脈が感じられないことなどを見て触れて体験していた。

お兄ちゃんのピンチヒッターで参戦したというちびっこ(小学生)も聴診器を初体験。笑顔がまぶしい。

(4)医学生と中学生のディスカッション

いくつかのグループに分かれて、医学生と中学生たちのフリーディスカッション。
参加した中学生たちは将来の職業を救急医、心療内科医とか診療科まで決めている子も多く、医学部でどんな勉強をしているのか?高校生の時にどんな勉強をしたのか?などいろいろ熱心に聞いていた。
また、薬剤師看護師を志望する子もいたが、CoMedつくばは医学生だけでなく看護学生もおり、きめ細やかな対応をしてあげていた。
途中から、CoMedつくばの世話人というか顧問であり、リアル救急医である下條信威先生も参戦(下條先生には私もAHAコースでお世話になっている)。医療ドラマを見て救急医を志した中学生は、下條先生からのドクターヘリDMATの話を興味津々な感じで聞いていた。今までテレビの中の存在だったフライトドクター&DMAT隊員が目の前でしゃべっている。これはテンション上がるよね。
※ボランティアでヘルプしてくれていた小田部江莉さんもディスカッションに参加。医学とは違ったジャンルだが、寝る暇あるのって言うくらい様々な活動に一生懸命な小田部さんの話というか生き方も、中学生たちには参考になったと思う。

【まとめ】
参加した小中高生のアンケート結果が気になるところだが、私には彼らの満足度は非常に高かそうに見えた。「おもしろかった」、「来てよかった」という笑顔で終われたことからも、今回のCoMedつくばの活動は大成功だったのではないかと思う。今まで漠然と医療職を目指していた子たちも、先生や学生から聞けた貴重な話のおかげで、さらにモチベーションが上がったことだろう。

地域の医療を住民と一緒に考えたり、学んだことを地域に還元する。若い彼らの活動が今後も盛り上がっていくことを期待したい。

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