第74日目
話法の助動詞 ― 現在形と過去形
本日のテーマは「話法の助動詞」と呼ばれるもので、全部で6つあります。
それぞれの意味はほとんど英語と対応して理解できるものばかりです。
ですからドイツ語での独特な用法、語形変化を中心に学ぶことになります。
先ずその6つについて、並べてみましょう。
不定詞、意味、現在単数形、過去基本形の順です。
können 「~出来る」、kann、konnte
müssen 「~しなければならない」、muss、musste
dürfen 「~してよい」、darf、durfte
mögen 「~かもしれない」、mag、mochte
wollen 「~するつもだ」、will、wollte
sollen 「~するべきた」、soll、sollte
〇 これらの「話法の助動詞」は本動詞を文末に置いて「枠」をつくります
(A) 現在形の文章
「話法の助動詞」の現在人称変化形は、主語が単数の ich、 du、 er、sie、es のときには、過去の人称変化のように、上にあげた「現在単数形」をスタートの形にして変化させます。
具体的に言うと、上にあげたそれぞれの現在単数形はすでに1人称単数の主語 ich と、三人称単数の主語 er、sie、es の定動詞になっているわけです。ですから、あとは残る2人称単数の主語 du のときに人称語尾 –st をつけるだけです。
ich kann、 muss、 darf、 mag、 will、 soll
du kannst、 musst、 darfst、 magst、 willst、 sollst ( musst に注意! 語尾を -t だけにします! )
er kann、 muss、 darf、 mag、 will、 soll
簡単でしょ?
そして主語が複数のとき、また、彼ら sie を転用した「敬称の2人称の単数・複数形の Sie 」では、不定詞の語幹に規則的な語尾をつけてつくります。
念のため確認しておきましよう。
wir können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
ihr könnt、 müsst、 dürft、 mögt、 wollt、 sollt
sie können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
・・・・・・・・
Sie können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
という次第です。
主語が単数のときと複数のときとで、幹母音の音が変わりますからね ( すべての主語で幹母音が同じままなのは sollen だけです )、しっかり発音して「音」を記憶して下さいね。
話法の助動詞の現在形を使う練習問題 Ⅰ.
カッコの中の話法の助動詞を正しい形に直し、訳しなさい。
① Ich ( können ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
② Er ( müssen ) heute früh nach Hause gehen.
③ Nach der Schule ( dürfen ) er zu seinem Freund gehen.
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
⑤ Seine Frau ( müssen ) krank sein.
⑥ Unsre Tochter ( wollen ) keine Suppe essen.
⑦ ( wollen ) ihr im Sommer einen Sprachkurs in Berlin besuchen?
⑧ Das ( können ) aber nicht wahr sein.
⑨ Die Kinder ( mögen ) keinen Fisch essen.
⑩ Sie ( mögen ) dich. Hast du sie auch gern?
⑪ Der Lehrer ( sollen ) krank sein.
⑫ Ich ( wollen ) das nicht.
⑬ Du ( dürfen ) es nicht.
⑭ ( Können ) du auch Franzüsisch?
⑮ ( sollen ) ich das Fenster aufmachen?
答えは最後に載せます
(B) 過去形の文章
「話法の助動詞」の過去形は、本日最初に挙げたそれぞれの「過去基本形」を過去のスタートの形として今までの動詞と同じように人称変化させていきます。
では練習問題として、次の文章のカッコの中の話法の助動詞を過去形にしなさい
練習問題Ⅱ.
① Wir ( können ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
② Er ( müssen ) heute früh nach Hause gehen.
③ Nach der Schule ( dürfen ) er zu seinem Freund gehen.
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
⑤ Seine Frau ( müssen ) krank sein.
⑥ Unsre Tochter ( wollen ) keine Suppe essen.
⑦ Ihr ( dürfen ) es nicht.
⑧ Das ( können ) aber nicht wahr sein.
⑨ Das Kind ( mögen ) keinen Fisch essen.
⑩ Ich ( wollen ) das nicht.
答えは最後に載せます
練習問題Ⅲ.
最後に話法の助動詞を使った文章に関する応用問題です
(A) Die Mutter steht jeden Tag sehr früh auf.
① 問題文を過去形に変えなさい
② 問題文を話法の助動詞 müssen を使って書き換えなさい
③ ②で出来た文章を過去形に変えなさい
(B) Er kommt bald wieder zurück.
④ 問題文を過去形に変えなさい
⑤ 問題文を話法の助動詞 wollen を使って書き換えなさい
⑥ ⑤で出来た文章を過去形に変えなさい
(C) Jener Deutsche stieg in Kawasaki um.
⑦ 問題文を現在形に変えなさい
⑧ 問題文を話法の助動詞 können を使って書き換えなさい
⑨ ⑧で出来た文章を過去形に変えなさい
(D) Der Lehrer empfiehlt uns dieses Wörterbuch.
⑩ 問題文を過去形に変えなさい
⑪ 問題文を話法の助動詞 wollen を使って書き換えなさい
(E) Sein Sohn nimmt an dem Sprachkurs teil.
⑫ 問題文を過去形に変えなさい
⑬ 話法の助動詞 sollen を使って書き換えなさい
(F) Er isst keinen Fisch.
⑭ 問題文を話法の助動詞 mögen を使って書き換えなさい
⑮ ⑭で出来た文章を過去形に変えなさい
がんばれ~♪
解答
練習問題 Ⅰ.
① Ich ( kann ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
「わたしはまだドイツ語をうまくしゃべることができません」
② Er ( muss ) heute früh nach Hause gehen.
「かれは今日はやく帰宅しないといけません」
③ Nach der Schule ( darf ) er zu seinem Freund gehen.
「学校から帰ったら彼は友達のところにいくことを許される」
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
「ここでそんな大声でしゃべってはいけません」
⑤ Seine Frau ( muss ) krank sein.
「彼の奥さんは病気に違いありません」
ここでの müssen は「~に違いない」という意味で使われています
⑥ Unsre Tochter ( will ) keine Suppe essen.
「うちの娘はスープを飲みたがらない」
ドイツ語ではスープは食べ物なので、essen を使います
wollen は時制の助動詞ではありませんから、未来形にはなりません。話法の助動詞として「主語の意思」を表現します
⑦ ( Wollt ) ihr im Sommer einen Sprachkurs in Berlin besuchen?
「君たちは夏にベルリンの語学コースに通うつもりですか?」
⑧ Das ( kann ) aber nicht wahr sein.
「それは、しかし、本当ではありえない」
ここでの können は「~の可能性がある」という意味で使われています
⑨ Die Kinder ( mögen ) keinen Fisch essen.
「こどもたちは魚を食べたがりません」
ここでの mögen は「~が好きだ」という意味で使われています
⑩ Sie ( mag ) dich. Hast du sie auch gern?
「彼女は君のことが好きだよ。君も彼女が好きか?」
~ gern haben も「~が好きだ」という意味になります
⑪ Der Lehrer ( soll ) krank sein.
「先生は病気だそうです」
sollen にはここに見るように「~だそうだ」という「噂」を表現する用法があるので覚えてくださいね
⑫ Ich ( will ) das nicht.
「わたしはそんなことは望まない (それはいやだ)」
⑬ Du ( darfst ) es nicht.
「君はそんなことをしてはいけません」
⑭ ( Kannst ) du auch Franzüsisch?
「君はフランス語もできますか?」
⑮ ( Soll ) ich das Fenster aufmachen?
「窓をあけましょうか?」
話法の助動詞について大切なこと (まとめ)
〇 他に動詞を伴う場合には、その動詞の不定形を文末に置いて「枠」をつくります
〇 話法の助動詞は単独で使われることも多いです。この場合本動詞を省略している、という考え方はしません。( 以前書きましたが、ドイツ語では助動詞か動詞かという区別に意味はなく、大切なのは「定動詞」かそうでないかです。ですから他の動詞の不定形をともなって「話法の助動詞」が助動詞として枠をつくっていても、それが人称変化していれば「定動詞」と呼ばれ、「定助動詞」とは言いません。)
上の10、12、13、14の文章での定動詞は mag、will、darfst であり、Kannst です
〇 wollen は主語の意思を、sollen は主語じゃない人の意思を表します
Du willst dorthin gehen. 「君はそこに行きたがっている」
Du sollst dorthin gehen. 「君にそこに行ってもらいたい (と誰かが欲している)」
練習問題Ⅱ.
① Wir ( konnten ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
「私たちはまだドイツ語をうまくしゃべることができませんでした」
② Er ( musste ) heute früh nach Hause gehen.
「かれは今日はやく帰宅しないといけませんでした」
③ Nach der Schule ( durfte ) er zu seinem Freund gehen.
「学校から帰ったら彼は友達のところにいくことを許された」
④ Hier ( durften ) Sie nicht so laut sprechen.
「あなたはここでそんな大声でしゃべってはいけませんでした」
⑤ Seine Frau ( musste ) krank sein.
「彼の奥さんは病気に違いありませんでした」
⑥ Unsre Tochter ( wollte ) keine Suppe essen.
「うちの娘はスープを飲みたがらなかった」
⑦ Ihr ( durftet ) es nicht.
「君たちはそんなことをしてはいけませんでした」
⑧ Das ( konnte ) aber nicht wahr sein.
「それは、しかし、本当ではありえなかった」
⑨ Das Kind ( mochte ) keinen Fisch essen.
「その子は魚を食べたがりませんでした」
⑩ Ich ( wollte ) das nicht.
「わたしはそんなことは望まなかった」
練習問題Ⅲ.
(A) Die Mutter steht jeden Tag sehr früh auf.
「母は毎朝とても早く起きます」
① Die Mutter stand jeden Tag sehr früh auf.
「母は毎朝とても早く起きました」
② Die Mutter muss jeden Tag sehr früh aufstehen.
「母は毎朝とても早く起きなくてはなりません」
③ Die Mutter musste jeden Tag sehr früh aufstehen.
「母は毎朝とても早く起きなくてはなりませんでした」
(B) Er kommt bald wieder zurück.
「かれはまもなく戻ってきます」
④ Er kam bald wieder zurück.
「かれはまもなく戻ってきました」
⑤ Er will bald wieder zurückkommen.
「かれはまもなく戻ってくるつもりだ」
⑥ Er wollte bald wieder zurückkommen.
「かれはまもなく戻ってくるつもりだった」
(C) Jener Deutsche stieg in Kawasaki um.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えました」
⑦ Jener Deutsche steigt in Kawasaki um.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えます」
⑧ Jener Deutsche kann in Kawasaki umsteigen.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えることが出来ます」
⑨ Jener Deutsche konnte in Kawasaki umsteigen.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えることが出来ました」
(D) Der Lehrer empfiehlt uns dieses Wörterbuch.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めている」
⑩ Der Lehrer empfahl uns dieses Wörterbuch.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めました」
⑪ Der Lehrer will uns dieses Wörterbuch empfehlen.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めたがっている」
(E) Sein Sohn nimmt an dem Sprachkurs teil.
「彼の息子は語学の講習会に参加します」
⑫ Sein Sohn nahm an dem Sprachkurs teil.
「彼の息子は語学の講習会に参加しました」
⑬ Sein Sohn soll an dem Sprachkurs teilnehmen.
「彼の息子は語学の講習会に参加するそうだ」
(F) Er isst keinen Fisch.
「彼は魚を食べない」
⑭ Er mag keinen Fisch essen.
「彼は魚を食べたがらない」
⑮ Er mochte keinen Fisch essen.
「彼は魚を食べたがらなかった」
話法の助動詞 ― 現在形と過去形
本日のテーマは「話法の助動詞」と呼ばれるもので、全部で6つあります。
それぞれの意味はほとんど英語と対応して理解できるものばかりです。
ですからドイツ語での独特な用法、語形変化を中心に学ぶことになります。
先ずその6つについて、並べてみましょう。
不定詞、意味、現在単数形、過去基本形の順です。
können 「~出来る」、kann、konnte
müssen 「~しなければならない」、muss、musste
dürfen 「~してよい」、darf、durfte
mögen 「~かもしれない」、mag、mochte
wollen 「~するつもだ」、will、wollte
sollen 「~するべきた」、soll、sollte
〇 これらの「話法の助動詞」は本動詞を文末に置いて「枠」をつくります
(A) 現在形の文章
「話法の助動詞」の現在人称変化形は、主語が単数の ich、 du、 er、sie、es のときには、過去の人称変化のように、上にあげた「現在単数形」をスタートの形にして変化させます。
具体的に言うと、上にあげたそれぞれの現在単数形はすでに1人称単数の主語 ich と、三人称単数の主語 er、sie、es の定動詞になっているわけです。ですから、あとは残る2人称単数の主語 du のときに人称語尾 –st をつけるだけです。
ich kann、 muss、 darf、 mag、 will、 soll
du kannst、 musst、 darfst、 magst、 willst、 sollst ( musst に注意! 語尾を -t だけにします! )
er kann、 muss、 darf、 mag、 will、 soll
簡単でしょ?
そして主語が複数のとき、また、彼ら sie を転用した「敬称の2人称の単数・複数形の Sie 」では、不定詞の語幹に規則的な語尾をつけてつくります。
念のため確認しておきましよう。
wir können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
ihr könnt、 müsst、 dürft、 mögt、 wollt、 sollt
sie können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
・・・・・・・・
Sie können、 müssen、 dürfen、 mögen、 wollen、 sollen
という次第です。
主語が単数のときと複数のときとで、幹母音の音が変わりますからね ( すべての主語で幹母音が同じままなのは sollen だけです )、しっかり発音して「音」を記憶して下さいね。
話法の助動詞の現在形を使う練習問題 Ⅰ.
カッコの中の話法の助動詞を正しい形に直し、訳しなさい。
① Ich ( können ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
② Er ( müssen ) heute früh nach Hause gehen.
③ Nach der Schule ( dürfen ) er zu seinem Freund gehen.
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
⑤ Seine Frau ( müssen ) krank sein.
⑥ Unsre Tochter ( wollen ) keine Suppe essen.
⑦ ( wollen ) ihr im Sommer einen Sprachkurs in Berlin besuchen?
⑧ Das ( können ) aber nicht wahr sein.
⑨ Die Kinder ( mögen ) keinen Fisch essen.
⑩ Sie ( mögen ) dich. Hast du sie auch gern?
⑪ Der Lehrer ( sollen ) krank sein.
⑫ Ich ( wollen ) das nicht.
⑬ Du ( dürfen ) es nicht.
⑭ ( Können ) du auch Franzüsisch?
⑮ ( sollen ) ich das Fenster aufmachen?
答えは最後に載せます
(B) 過去形の文章
「話法の助動詞」の過去形は、本日最初に挙げたそれぞれの「過去基本形」を過去のスタートの形として今までの動詞と同じように人称変化させていきます。
では練習問題として、次の文章のカッコの中の話法の助動詞を過去形にしなさい
練習問題Ⅱ.
① Wir ( können ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
② Er ( müssen ) heute früh nach Hause gehen.
③ Nach der Schule ( dürfen ) er zu seinem Freund gehen.
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
⑤ Seine Frau ( müssen ) krank sein.
⑥ Unsre Tochter ( wollen ) keine Suppe essen.
⑦ Ihr ( dürfen ) es nicht.
⑧ Das ( können ) aber nicht wahr sein.
⑨ Das Kind ( mögen ) keinen Fisch essen.
⑩ Ich ( wollen ) das nicht.
答えは最後に載せます
練習問題Ⅲ.
最後に話法の助動詞を使った文章に関する応用問題です
(A) Die Mutter steht jeden Tag sehr früh auf.
① 問題文を過去形に変えなさい
② 問題文を話法の助動詞 müssen を使って書き換えなさい
③ ②で出来た文章を過去形に変えなさい
(B) Er kommt bald wieder zurück.
④ 問題文を過去形に変えなさい
⑤ 問題文を話法の助動詞 wollen を使って書き換えなさい
⑥ ⑤で出来た文章を過去形に変えなさい
(C) Jener Deutsche stieg in Kawasaki um.
⑦ 問題文を現在形に変えなさい
⑧ 問題文を話法の助動詞 können を使って書き換えなさい
⑨ ⑧で出来た文章を過去形に変えなさい
(D) Der Lehrer empfiehlt uns dieses Wörterbuch.
⑩ 問題文を過去形に変えなさい
⑪ 問題文を話法の助動詞 wollen を使って書き換えなさい
(E) Sein Sohn nimmt an dem Sprachkurs teil.
⑫ 問題文を過去形に変えなさい
⑬ 話法の助動詞 sollen を使って書き換えなさい
(F) Er isst keinen Fisch.
⑭ 問題文を話法の助動詞 mögen を使って書き換えなさい
⑮ ⑭で出来た文章を過去形に変えなさい
がんばれ~♪
解答
練習問題 Ⅰ.
① Ich ( kann ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
「わたしはまだドイツ語をうまくしゃべることができません」
② Er ( muss ) heute früh nach Hause gehen.
「かれは今日はやく帰宅しないといけません」
③ Nach der Schule ( darf ) er zu seinem Freund gehen.
「学校から帰ったら彼は友達のところにいくことを許される」
④ Hier ( dürfen ) Sie nicht so laut sprechen.
「ここでそんな大声でしゃべってはいけません」
⑤ Seine Frau ( muss ) krank sein.
「彼の奥さんは病気に違いありません」
ここでの müssen は「~に違いない」という意味で使われています
⑥ Unsre Tochter ( will ) keine Suppe essen.
「うちの娘はスープを飲みたがらない」
ドイツ語ではスープは食べ物なので、essen を使います
wollen は時制の助動詞ではありませんから、未来形にはなりません。話法の助動詞として「主語の意思」を表現します
⑦ ( Wollt ) ihr im Sommer einen Sprachkurs in Berlin besuchen?
「君たちは夏にベルリンの語学コースに通うつもりですか?」
⑧ Das ( kann ) aber nicht wahr sein.
「それは、しかし、本当ではありえない」
ここでの können は「~の可能性がある」という意味で使われています
⑨ Die Kinder ( mögen ) keinen Fisch essen.
「こどもたちは魚を食べたがりません」
ここでの mögen は「~が好きだ」という意味で使われています
⑩ Sie ( mag ) dich. Hast du sie auch gern?
「彼女は君のことが好きだよ。君も彼女が好きか?」
~ gern haben も「~が好きだ」という意味になります
⑪ Der Lehrer ( soll ) krank sein.
「先生は病気だそうです」
sollen にはここに見るように「~だそうだ」という「噂」を表現する用法があるので覚えてくださいね
⑫ Ich ( will ) das nicht.
「わたしはそんなことは望まない (それはいやだ)」
⑬ Du ( darfst ) es nicht.
「君はそんなことをしてはいけません」
⑭ ( Kannst ) du auch Franzüsisch?
「君はフランス語もできますか?」
⑮ ( Soll ) ich das Fenster aufmachen?
「窓をあけましょうか?」
話法の助動詞について大切なこと (まとめ)
〇 他に動詞を伴う場合には、その動詞の不定形を文末に置いて「枠」をつくります
〇 話法の助動詞は単独で使われることも多いです。この場合本動詞を省略している、という考え方はしません。( 以前書きましたが、ドイツ語では助動詞か動詞かという区別に意味はなく、大切なのは「定動詞」かそうでないかです。ですから他の動詞の不定形をともなって「話法の助動詞」が助動詞として枠をつくっていても、それが人称変化していれば「定動詞」と呼ばれ、「定助動詞」とは言いません。)
上の10、12、13、14の文章での定動詞は mag、will、darfst であり、Kannst です
〇 wollen は主語の意思を、sollen は主語じゃない人の意思を表します
Du willst dorthin gehen. 「君はそこに行きたがっている」
Du sollst dorthin gehen. 「君にそこに行ってもらいたい (と誰かが欲している)」
練習問題Ⅱ.
① Wir ( konnten ) noch nicht gut Deutsch sprechen.
「私たちはまだドイツ語をうまくしゃべることができませんでした」
② Er ( musste ) heute früh nach Hause gehen.
「かれは今日はやく帰宅しないといけませんでした」
③ Nach der Schule ( durfte ) er zu seinem Freund gehen.
「学校から帰ったら彼は友達のところにいくことを許された」
④ Hier ( durften ) Sie nicht so laut sprechen.
「あなたはここでそんな大声でしゃべってはいけませんでした」
⑤ Seine Frau ( musste ) krank sein.
「彼の奥さんは病気に違いありませんでした」
⑥ Unsre Tochter ( wollte ) keine Suppe essen.
「うちの娘はスープを飲みたがらなかった」
⑦ Ihr ( durftet ) es nicht.
「君たちはそんなことをしてはいけませんでした」
⑧ Das ( konnte ) aber nicht wahr sein.
「それは、しかし、本当ではありえなかった」
⑨ Das Kind ( mochte ) keinen Fisch essen.
「その子は魚を食べたがりませんでした」
⑩ Ich ( wollte ) das nicht.
「わたしはそんなことは望まなかった」
練習問題Ⅲ.
(A) Die Mutter steht jeden Tag sehr früh auf.
「母は毎朝とても早く起きます」
① Die Mutter stand jeden Tag sehr früh auf.
「母は毎朝とても早く起きました」
② Die Mutter muss jeden Tag sehr früh aufstehen.
「母は毎朝とても早く起きなくてはなりません」
③ Die Mutter musste jeden Tag sehr früh aufstehen.
「母は毎朝とても早く起きなくてはなりませんでした」
(B) Er kommt bald wieder zurück.
「かれはまもなく戻ってきます」
④ Er kam bald wieder zurück.
「かれはまもなく戻ってきました」
⑤ Er will bald wieder zurückkommen.
「かれはまもなく戻ってくるつもりだ」
⑥ Er wollte bald wieder zurückkommen.
「かれはまもなく戻ってくるつもりだった」
(C) Jener Deutsche stieg in Kawasaki um.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えました」
⑦ Jener Deutsche steigt in Kawasaki um.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えます」
⑧ Jener Deutsche kann in Kawasaki umsteigen.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えることが出来ます」
⑨ Jener Deutsche konnte in Kawasaki umsteigen.
「あのドイツ人は川崎で乗り換えることが出来ました」
(D) Der Lehrer empfiehlt uns dieses Wörterbuch.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めている」
⑩ Der Lehrer empfahl uns dieses Wörterbuch.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めました」
⑪ Der Lehrer will uns dieses Wörterbuch empfehlen.
「ドイツ語の先生が私たちにこの辞書を勧めたがっている」
(E) Sein Sohn nimmt an dem Sprachkurs teil.
「彼の息子は語学の講習会に参加します」
⑫ Sein Sohn nahm an dem Sprachkurs teil.
「彼の息子は語学の講習会に参加しました」
⑬ Sein Sohn soll an dem Sprachkurs teilnehmen.
「彼の息子は語学の講習会に参加するそうだ」
(F) Er isst keinen Fisch.
「彼は魚を食べない」
⑭ Er mag keinen Fisch essen.
「彼は魚を食べたがらない」
⑮ Er mochte keinen Fisch essen.
「彼は魚を食べたがらなかった」