いやぁ、たくましい妄想...と思っていたら、後の冒険が、妄想以上の大冒険。
この冒険を半信半疑で受け止めていた出会いサイトのホストが、彼を救うことになる。
グリーンランドからアイスランド、はては危険地域からアフガニスタンの山奥と駆け回って、やっと見つけた写真家から探していたものがそこにはないことを知らされる。
でも、この経験が彼を変えて、自信を取り戻すことに...
背景に流れる標識や看板などが、物語の筋を説明したり、音楽が効果的に使われていたりと、なかなか心地よい演出が多い秀作でした。
David Bowieの「Space Oddity」が最初のキーになっていて、派遣されてきた嫌味な上司が「Grownd control to major Tom(管制塔からトム少佐へ)」というセリフを妄想でぼんやり固まっている主人公をおちょくるために使っているが、実は元の曲は宇宙へ旅立つという大冒険を描いた曲だと示唆されて、ヘリコプターに飛び乗って冒険を始めるというきっかけに使われていたのが印象的だった。
それ以外も、知らない曲ばかりだったけど、音楽が非常に良いと思われる。
写真のフィルムがコダックのトライXだったり、カバンがゼロ・ハリバートンだったり、小道具も凝っていて(でも、冒険に旅立つと、ビジネスを象徴するものにこだわりが全くなくなっていったりしている)、さすがに「LIFE」ということで写真などの使われ方は、すごくいい。エンディングも写真が美しいけど、物語としてはさりげなく終わっている。
気持ちのいい映画である。
ちなみにエンドロールが終わるまで、一人も席を立たなかった映画というのは、ずいぶん久しぶりな感じがする。