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ほいほいとぼとぼ日記・爺爺刻々

荏原七福神第六話 東光寺の毘沙門天

 では、来た道を戻り立会道路沿いに大井町へ向かって東上することとしよう。毘沙門天は東光寺というお寺さんにいらっしゃる。このお寺は比叡山延暦寺の末寺で山号寺号で言えば久遠山不動院東光寺というお名前。什仙上人により創建され、ご本尊には阿弥陀如来が安置され左仏に脇仏として毘沙門天が祀られているのだが、ちょっと場所は分かりづらい。駅は大井町線の下神明が近いが三間通りと立会道路の丁度、間にあるちょっと地味なお寺だ。
 しかし、こちらのお寺もただものではない。参道の右側には、珍しい祠があるのだ。はいはい、そこの人。ちゃんと聞いておいたほうがいいですよ。お寺でお手洗いのことを東司というのだが、この東司に厄除けとしてつけられるお守りが不浄除けの烏瑟沙魔(うすさま)大明神なのだ。烏瑟沙摩さんも「ウッチュシュマ」というインドのご出身で名をそのまま漢字にしたお名前。意味は不浄金剛(ふじょうこんごう)、穢跡金剛(えしゃくこんごう)などとなるそうな。この烏瑟沙魔さんは、汚いものを綺麗なものにしてくれるこれまたありがたい方なんだわ。お釈迦様が涅槃に入ろうとしたとき、梵天王がその場に来ないので、お釈迦様のまわりの人々から頼まれて烏瑟沙摩明様が迎えに行き、梵天王が自分の回りを不浄なもので囲んで近寄らせないのを術で不浄物を大地に変え梵天王様をつれてきましたというエピソードをお持ちである。よほど、臭かったんだろうけど、烏瑟沙摩さんのパワーはそれを吹き飛ばしたんだね。しかし、梵天さんも困った人だね。ほんとに。
 そこで東光寺さんに戻るが、こちらでは、烏瑟沙摩さんを祀った三畳くらいの祠のお部屋に「おまたぎ」という便器があり、それを跨いでお参りすると「下」の病気にならないということで、身に覚えのある方々は早速お参りすることをお奨めしますよ。
 で、本題の毘沙門天さんは、またまたインドから参加のヒンズーの神様でヴァジュラヴァーナとも、クヴェーラとも言われる。ご当地には四天王の多聞天の別名とした方がお分かりになりやすいかもしれないです。守りのプロで財宝を守るという今の警備会社の祖先のようなお方であるのだ。御利益は、開運厄除。でも、インド時代は、夜叉の主領とも言われ暗黒界のボスだったらしい。なんか、映画になりそうな方である。奥さんは美と福徳の神である吉祥天だそうで、うらやましい。
さて、七福神もあとお一人を残すだけとなりました。立会道路を大井町へ向かおう(自動車では一方通行の逆走となるので注意!)
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