こんにちは!
ふるきと申します。久しぶりにブログ当番が回ってきました。
前回書いたのはいつだったかな・・・とブログをさかのぼってみたら2011年8月。
仙台七夕祭りにも行ってスコップ三味線の演奏を初めて観たあの暑い夏の日から1年半経った今回は、まだ寒さがしっかり残っているところに海からの風が容赦なく吹きつける週末となりました。
仮本堂(プレハブ)がすっ飛ぶのではないかと本気で心配するくらい・・・でも雨には降られずに済んだのでよかった!
今回の滞在中、初めて会ったときは小学3年生だった住職さんの娘さん(わかさちゃん)から「春になったら5年生になるの!」とか「身長が8cm伸びたよ!」とか言われてそのたびに鼻の奥がつーんとしました。ぐんぐん大きくなってますよ。
彼女は透き通った美声の持ち主で、カラオケでは『野に咲く花のように』や椎名林檎の『カーネーション』など腰が抜けるほど見事に歌い上げてくれます。携帯で動画を撮ってあるのでちょくちょく見返してはうっとりして、将来にわくわくしてます。
勝手に叔母気分ですが、他にも同じような心境の「叔父さん」と「叔母さん」がたくさんいるはず・・・
そんなみんなのアイドルわかさちゃんたってのリクエストで、今回のテーマはひなまつり!
デコレーションケーキを作ります!
土曜日朝に仙台到着、いつもはそのまま塩竃の魚市場やスーパーに直行して買い出しからスタートですが、
今回はなんと、総料理長であるおうじ(はしのくち氏)が体調不良なうえに日曜朝からインドネシア出張ということで、東京に戻らなければならない時間までに工程をすべて私たちにたたきこんでもらう作戦になりました。
スポンジを焼くところから。30台作りますよ~!
ちょっと余談ですが、おうじがお料理を教えてくれるときはいつも、とても丁寧に説明してくれます。
どうしてその手順が必要なのか、どういった意味があるのか、
それと似たやり方や原材料があるときにはどうしてこちらの方がいいのかなど、
なんとなくふんわりしっぱなしにしてた知識がすっきりと区画整理されます。
わかりやすくておもしろくて、すっぽり腑に落ちてくるのです。大切にお料理をして気持ちをこめること、の一端が掴めるような気がして心がほっこり丸くなります。
(そうやって区画整理された知識たちが、数日後には何食わぬ顔して元の混沌を取り戻したりしていることはおうじにはまだ内緒ですけれども。)
わたしたちがスポンジを焼いたり、クッキーの生地を作ったりしている間、男性のおふたりがわかさちゃんとお雛様の飾り付けをしてくれました!
近所の方が、ご自宅の2階にしまってあったおかげで津波の被害をまぬかれたお雛様を一式貸してくださったのです。
どの小物が誰のものなのかさまざまな議論が面白おかしく重ねられながら、数時間後に無事完成!
お人形と一緒に保管されていたお着物を着て住職さんとわかさちゃんの記念撮影☆かわいい~
そして焼き始めから4時間?うーん・・・もっと?くらいでスポンジ焼成完了。
私、実はスポンジ焼くの初めてでしたがいきなり経験豊富になりましたよ!ありがとうございます!
徐々にふんわりなスポンジが焼けるようになりました。
ふんわり~ふふふ~
夜ご飯には、おうじ(最近は、女子よりも高い女子力の高さと面倒見の良さから「母さん」とも呼ばれ始めています)が帰る寸前までギリギリで用意してくれた牡蠣の土手鍋をみんなでおいしくいただきました。
なんと、今回初参加の宮崎さんがギターを持参くださっていました!みんなで歌を歌いましたよ。
近所の方のストレス解消用に仮本堂に備え付けてあるカラオケをするのが土曜夜の定番だったので、生ギターに合唱はかなり新鮮でした~
そして翌朝。
スポンジを半分に切って、生クリームと苺を挟んで外側も生クリームでコーティング・・・我ら素人集団にはなかなか難しい作業ですが、回数を重ねる毎にだんだんいい感じの見た目に。
憧れのパティシエに~とはいかないまでも、パティシエ的気分風くらいにはなれたのではないかと思っています!(前向きバンザイ!)
個数がたくさんあるのでみんなであーだこーだ言いながらしばらく奮闘していたら、
どこからともなくステキなBGMが。
おや?おや?な、なんと!
宮崎さんがギターを弾いてくださっている!
しかもひな壇の陰ってー!!!
(すみません、この写真見たときは笑ってしまいました・・・)
ステキBGMのお陰で作業はどんどんはかどり、ひなまつりデコレーションタイム!
かわいくお飾りできましたよ。
いちごモンスターのみなさん
昨日仕込んでおいたクッキーたねもいろんな形に型抜きをしてどんどん焼きました。
いいにおいが部屋中に充満・・・
三回忌の法要にいらした檀家さん方にもケーキをお渡していたら、偶然当日(3月3日)がお誕生日の方がいらして、とても、とても素敵な笑顔で喜んでくださいました。
う、うれしい・・・おめでとうございます!
当日はとにかく強風なうえに極寒。見込んでいたほどお寺にやってくる子どもたちの数が多くなかったので、急遽こちらから出向く作戦に変更。
仙台在住のシャンソン歌手貝山幸子さんと、石巻スコッパーズ(スコップ三味線世界大会団体の部第三位)の瀬戸公美子さんにご紹介いただき、市内の施設にみなさまからのプレゼントやおかし、ケーキをお届けに伺いました。
小国の郷は、障害者(児)のいる家族のための仮設住宅だそうです。
こちらでも大変喜んでいただきました。温かく迎えてくださりありがとうございます。
みなさまのお気持ちがこめられたプレゼントや、みんなで気持ちをこめて作ったものをお渡しして、それを笑顔で喜んで受け取っていただけて、こんなにうれしいことはありません。
動機の順序がおかしいかもしれませんが、「また来たいなぁ」と思えるのは、
こうした人と人のつながりの間に気持ちだったり、言葉だったり、笑顔だったり、おいしいごはんだったり、
とってもあったかいものがたくさんあって、それらがあったかい熱をもったままじわーっと心の隅々までしみわたってくるからかな・・・と思います。
帰り際にそんな思いをほっくり噛みしめながら仙台に向かう車に乗り込むと、外ではわかさちゃんが笑顔でぶんぶん手を振ってお見送りをしてくれていて、
毎度毎度泣きそうになるのですがきっとそれは私だけではないはず・・・
石巻駅周辺の商店街では営業しているお店が増えてきたり、お寺から歩いて行けるコンビニが営業し始めたり、車で行ける範囲に大きなスーパーがいくつか出来たり、銭湯でお風呂に入れるようになったりと週末滞在の私たちでも実感できる「復興」もたくさんあるのですが、胸がしめつけられて声も出なくなるような光景は今もすぐそこに広がっています。
一見当たり前にやってくる毎日は決して当たり前ではないということを強く感じさせてくれます。
でも、周りにいてくれる人ひとりひとり、毎日の暮らしを作っている要素ひとつひとつに感謝を常に表現するのってやっぱりちょっと難しいですよね。
私は、たのしむことが近道になるかもなぁと思っておりまして、なるべくたくさんたのしみながら日々を大事に暮らせるよう心がけています。
最後に、遅ればせながら最近やっと気づき始めてきたことについてひとつ。
おもしろい人、おいしい食べ物、あったかい温泉、すばらしい自然、独特な文化。少し掘り下げるととても興味深い神話が眠っていたり・・・東北には引き出しがいっぱいですね。
そのひとつひとつの奥行きの深さもさることながら、その奥の方には横穴が開いていて、実は他の引き出しとしっかり密接に繋がっていたりするので本当、うかうかしていられません。
「おや?さっきまであっちの引き出しを深めてたはずなのに!ここにたどり着くなんて!」みたいなことがしょっちゅうです。
もしまだ体験されてない方がいらしたならばそれはもう是非に。
おつまみの引き出しを開けて、白謙のかまぼこを注文してみたり?
温泉旅行の引き出しを開けて、桜前線を追いかけてみたり?
どこの引き出しから開けてみても結局わくわくがあふれちゃうんだろうな・・・(と想像してる今この瞬間からすでにわくわくしちゃいますよね!おほほ)
おいしく、たのしく、うれしく、息長く。
それぞれができることを、
それぞれができるやり方で、
それぞれのタイミングで、
続けていけるといいですね。
拙文かつ長文にお付き合いいただきありがとうございました。