天皇陛下が5月14日、皇居にある水田で恒例のお田植えをされました。先月、自ら種もみを蒔かれたウルチ米とモチ米の苗を合わせて20株植えられました。秋に収穫される米は、11月に皇居で行われる新嘗祭などで使われることになっています。
日本書紀に出て来る神話では、自らが高天原で稲作をされた天照大神が、天孫降臨をされて天皇家の始祖となられた孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)に高天原で作った神聖な稲穂を授け、「人々の ”命の糧” として米を作りなさい」と命じられ、これが日本の稲作の始まりとされています。歴代天皇は自ら稲作をされ、第26代継体天皇は「天皇自ら耕作し、皇后自ら養蚕する詔(みことのり)」を出されています。
百人一首の天智天皇の歌「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ 我ころも手は 露にぬれつつ」は小学生の時に覚えた好きな歌ですが、なぜ天智天皇が田んぼの中の仮小屋にいるのか分かりませんでした。大和の国では、天皇自らが稲作をされた歴史を知った時、この歌の謎が解けました。天智天皇は稲刈りをされたのです。しかし残念ながら、皇室が盤石になって来ると天皇の稲作は行われなくなり、天皇が稲作をされたのは天智天皇までで、その再開は、農業振興などを目的にして行われるようになった昭和2年の昭和天皇の田植えと稲刈りを待たねばなりません。
我が国は神様自らが働かれ、その子孫である天皇も働かれると言う国であり、労働は尊いという国柄があります。そんな国は世界では珍しく、ほとんどの国では労働は下賤と考えられ、王侯貴族は労働をしないのが高貴であると考えられて来ました。ルイ14世が麦蒔きや麦刈りをしたとか、エリザベス女王が牛や羊の世話をしたと言う話は聞いた事がありません。
50年ぐらい前の話ですが、自動車部品が故障した時、設計課長が自動車の下に潜り込んで原因を調べました。それを見た台湾から来ていた自動車部品メーカーの研修生が驚いて、こう言いました。「現場で手を汚して調べるのは担当者で、課長は事務所で報告を受けるのではないですか」。日本では実態把握のため、現場現物主義が重要視されていますが、それだけではなく、労働を蔑視せず、労働は尊い物であり、上に立ってもこれを実践すべしとの考えが伝統となっています。天皇陛下のお田植えは日本国民に労働の大切さを分からせてくれる素晴らしい行事だと思います。
日本書紀に出て来る神話では、自らが高天原で稲作をされた天照大神が、天孫降臨をされて天皇家の始祖となられた孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)に高天原で作った神聖な稲穂を授け、「人々の ”命の糧” として米を作りなさい」と命じられ、これが日本の稲作の始まりとされています。歴代天皇は自ら稲作をされ、第26代継体天皇は「天皇自ら耕作し、皇后自ら養蚕する詔(みことのり)」を出されています。
百人一首の天智天皇の歌「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ 我ころも手は 露にぬれつつ」は小学生の時に覚えた好きな歌ですが、なぜ天智天皇が田んぼの中の仮小屋にいるのか分かりませんでした。大和の国では、天皇自らが稲作をされた歴史を知った時、この歌の謎が解けました。天智天皇は稲刈りをされたのです。しかし残念ながら、皇室が盤石になって来ると天皇の稲作は行われなくなり、天皇が稲作をされたのは天智天皇までで、その再開は、農業振興などを目的にして行われるようになった昭和2年の昭和天皇の田植えと稲刈りを待たねばなりません。
我が国は神様自らが働かれ、その子孫である天皇も働かれると言う国であり、労働は尊いという国柄があります。そんな国は世界では珍しく、ほとんどの国では労働は下賤と考えられ、王侯貴族は労働をしないのが高貴であると考えられて来ました。ルイ14世が麦蒔きや麦刈りをしたとか、エリザベス女王が牛や羊の世話をしたと言う話は聞いた事がありません。
50年ぐらい前の話ですが、自動車部品が故障した時、設計課長が自動車の下に潜り込んで原因を調べました。それを見た台湾から来ていた自動車部品メーカーの研修生が驚いて、こう言いました。「現場で手を汚して調べるのは担当者で、課長は事務所で報告を受けるのではないですか」。日本では実態把握のため、現場現物主義が重要視されていますが、それだけではなく、労働を蔑視せず、労働は尊い物であり、上に立ってもこれを実践すべしとの考えが伝統となっています。天皇陛下のお田植えは日本国民に労働の大切さを分からせてくれる素晴らしい行事だと思います。