悠々自適

日常の雑感をそれとなく

373 移動手段の便利さ

2024-05-05 22:15:11 | 思うこと
前回「車の便利さ」について書きましたが、家内との対話も書いたので原稿を家内に

見せました。すると家内から「赤穂浪士の江戸から赤穂への移動費用は人力と車では

雲泥の差があると書いてあるけど、どれぐらいの差になるの?」との質問がありました。


江戸-赤穂 620キロを25馬力の出力の車を使って時速40キロで走れば、半日ちょっとの時間で

ガソリン代は4000円と試算しましたが、人力の場合、25馬力相当の250人が引っ張っても

時速40キロは出ません。しかし、仮に出たとしたら、620キロ÷時速40キロ=15.5時間、

250人が引っ張る人件費がかかります。時給1500円なら、1500円×250人×15.5時間=581万円

の費用になります。


5年前に新潮新書の「忠臣蔵の決算書」が映画化されて人気を呼んだ時、江戸ー赤穂への早駕籠の

費用は出てなかったので、私なりの費用を試算してみたら次の様になりました。「忠臣蔵の決算書」

での浪士の討ち入り費用(大石内蔵助の決算資料ベース)は691両=8297万円となっていたので、1両

12万円、1文30円換算)で試算しました。


元禄時代の町駕籠は1里(4キロ)400文=1万2千円だったので、江戸―赤穂(620キロ)は15.5両、186万円

になります。前後4人先導1人の5人を要する早駕籠が徹夜で走るので普通の駕籠の3倍かかったとすれば、

赤穂への早駕籠代は46.5両、558万円になります。


5年前試算した江戸―赤穂の早駕籠代558万円と、今回試算した人力250人引っ張り移動費581万円が似た値に

なったのは、仮定条件に因る所が多いとは言え、面白いです。


JR普通電車で東京から赤穂に行く時間と料金を調べたら、東京始発:5時20分、赤穂着:16時5分、乗換6回、

乗車時間10.7時間、料金10010円でした。全国一日乗り放題5回の青春十八きっぷ12050円を使えば、たった

2400円で東京から赤穂に行けます。赤穂浪士早駕籠の使者は4日半何も食べず駕籠に揺られて死にそうになり

ましたが、電車の中は冷暖房完備で飲み食い自由。大石内蔵助がこの事を知ったら腰を抜かすだろうと思います。