交錯する「性」……「生」/そしてそれぞれの過去と現在はつながっていく……
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■Coming Out Story/カミング・アウト・ストーリー(ドキュメント映画)
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京都の公立高校で数学教師をする土肥いつきは、10年以上待ちわびたSRS(性別適合手術)へと向かう。
生まれながらの性別を越境して生きるトランスジェンダーとしてひとつひとつ「女性の身体を獲得する夢」を実現してきたいつき。
繰り返される出会いを通して、「男とは何か」「女とは何か」など、様々な自己の根源への問いが浮かび上がってくる。
そして、いつしか撮影スタッフもそれらの問いへの渦中へと引き込まれ…。
(監督・製作:梅沢圭/2011年/60分)
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[日時]
2016年7月29日(金)・30日(土)
◇午前10時30分(10:00)
◇午後 1時30分(13:30)
◇午後 3時30分(15:30)
(上映時間60分)
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[場所]和泉市立人権文化センター4階視聴覚教室
[定員]各回30人
[費用]無料
[申込]事前申込不要
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[会場]ゆう・ゆうプラザ(和泉市立人権文化センター)
〒594-0023大阪府和泉市伯太町6-1-20
JR阪和線信太山駅から200M
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■映画情報
http://www.coming-out-story.com/
から転載
◆Story
「自分にとって根源的な欲望は女性の身体を獲得することだった」とおだやかに語る土肥いつきは、長年の夢だった性別適合手術へと向かう。
京都の公立高校で教師を続けながらこの十数年来すこしずつ女性化してきた彼女(彼?)の身体的な終着点。かすかな不安と期待の笑顔…….
軽やかな関西弁で、いつも笑顔を絶やさない、いつきのまわりにはいつもひとの輪が絶えない。屈託なく語り合える友人たち、いつきの数学の授業を受ける生徒、機材の扱い方を訊ねる放送部員、「自分が何者なのかわからない」と助けを求めるトランスジェンダー当事者の高校生……。
しなやかに、ときに忍耐づよく、他者にとっても居心地のよい場所を探し続けるいつきに誰もが今まで一度も口にしたことがないような想いをつい口にしてしまう。
ある日、取材を続けていたスタッフのひとりが突然、現場を離れてしまう。
いつきと出会い、時間を共有する中で彼自身の封印していた秘密と対面することになる。
彼は「もうひとりの自分が後ろ側に姿を現した感じがする」と混乱する。
「性」をめぐるいつきの真摯な問いは、いつしかいつきと向き合う人々の過去と現在を鏡のように映し出し、それぞれの「わたしとは何か?」という問いへと深化して行く。
そして女性の身体を獲得した後にも、いつきの心の旅はいつ終わるともなく続いていく……。
◆監督のことば
「わたし」にとって根っこにある「男」であること、もしくは「女」であること。
あまりにも当たり前なので、多くの人はあらためて自分に問うことすらないかもしれない性別というもの。もし「男」であること、「女」であることを抜きにした自分というものを想像してみれば、 なにか自分の核を取り去られたような実体を欠いたあなたの像が浮かんでくるだけかもしれません。
「わたしは……」という根拠をなくしてしまったようなたよりなさ。性別を越境するトランスジェンダーと呼ばれる人々は程度の差こそあれ、そのような現実を生きています。
生まれながらの性別とは逆の性別に強く同化しようとするひと、 社会的に望みの性別に認知されれば、身体的な移行までは望まないひと、「男」、「女」というカテゴリーそのものを拒否したところに自分のあり方を求めるひと……
いまでは「歩くカミングアウト」と冗談まじりに自称するいつきさん。そんないつきさんも十数年前に「トランスジェンダー」(性別を越境して生きる人々)という言葉を偶然、目にするまでは、女性になりたいという自らの夢に「変態」というラベルを貼って、 心の奥底にひた隠すおじさんでした。そこから「彼女」の笑顔の裏に隠された覚悟の旅がはじまります。
「ありのまま」、「自分らしさ」という言葉がどこか空疎に響く現在。繰り返される出会いのなかで常に新しい「私」と「あなた」の関係を生きようとする土肥いつきと この映画の登場人物たちの声は性別やあらゆる属性を超えたところで、 あなたの魂の根っこに触れるだろうことを信じています。
梅沢圭
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