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ある外資系SE⇒コンサルの戯言

『ある東大院生の呟き』跡地。入社7年目の(きっと)コンサルタント

≪お知らせ≫

映画鑑賞記録

天国の本屋

2007年10月03日 05時34分06秒 | レビュー
普段本をほとんど読まない私が、唯一読み続けているのが『天国の本屋』シリーズ。


このシリーズは、文字通り「天国」にある本屋が舞台となっていて、地上で何らかのトラブルを抱えた若者が天国経験者として(強制的に)天国へやってきます。(死んでいるわけではないので、後でちゃんと地上に戻れる)

そして、天国の本屋でのアルバイトなどを通して様々な人に出会い、自分が何をすべきなのか、自分には何ができるのかを感じていくストーリーです。


私がこのシリーズを読み始めたのは大学1年の頃。

帰省中に実家のリビングに置いてあった『天国の本屋』を手に取った時でした。

表紙に描かれている水彩風の絵、横書きでわかりやすい文、そして時折ある挿絵。

これら全部が何となくしっくり来て、何年かぶりに読書しました。

短いストーリーだけど、ちゃんと心に響く…そんな感じの本で、読んだ後に優しい気持ちになれます。


あと、この本で魅力的なのは、「天国」の設定。

「人間の寿命は100歳。だから、20歳で亡くなった人は残りの80年を天国で過ごす」

「天国では地上と同様の生活を送ることができる」

「寿命を過ぎたら、また新しい生命として生まれ変わる」

このように「死」を受け止められたら、残された側としては気持ちが楽かもしれません。

「天国でも好きなことができてるんだ」「またどこかで会えるんだ」

そんなふうに思える気がします。


第2弾『うつしいろのゆめ』、第3弾『恋火』に関しても、天国の設定等の世界観はそのままで、それぞれの主人公が「心の成長」をしていく過程が丁寧に描かれています。


また、『天国の本屋』と『恋火』は、リンクする形で『天国の本屋~恋火』として2004年に映画化されました。

篠原哲雄や松任谷夫妻が関わっただけあり、映像・音声ともに原作の世界観によく合っていたと思います。

でも、原作2本を無理矢理リンクさせた感じがあり、『天国の本屋』(ユイとサトシの物語)のストーリーが『恋火』の”ついで”のように扱われていたのが凄く残念でした。

私としては初めに読んだ『天国の本屋』に思い入れがあったので、もっと丁寧に扱ってほしかった…。

混ぜるんじゃなくて、2本にして同時上映にしたら良かったのに…と思います。

そうすれば、原作の良い所である「出会い」や「成長」がもっと表現できたはず。


…といった感じで、映画化にはちょっと残念感が残りましたが、やっぱりこのシリーズが大好きです。


<余談>

著者の一人である田中渉氏は私の地元の出身で、妹の出身校の卒業生らしい。

で、ウチにあった『天国の本屋』には彼のサインが…

あと、新潮社によると第4弾が発表されるようです。楽しみ(^^)

京大M1物語

2007年08月06日 16時25分10秒 | レビュー

『上京アフロ田中』のついでに連載当初から何故か読み続けている

『京大M1物語』。

東大学部→京大M1という進学をする「世捨て人」を目指す青年の話です。

ちなみに、M1=修士1年という意味です。(D1は博士1年)

 

うーん…内容は…あんまり面白いとは言えないですね。。。

同じ修士としては同感できる描写とかあるわけですが…

定年間近の教授のやる気のなさとか、学生が夜中に現れる感じとかw

それなりに大学院生の取材・調査はしてるのかも。

ただ、目標が「世捨て人」っていうのがね…

確かに新しい感じのテーマではあるのかもしれないけど、

なんとなくホワ~ンってしてて。

続きが気になるっていう感じの漫画ではないんですよね…

境遇が似てるのとアフロ田中のついでってことで見てるけど…

 

タイトルにM1が含まれているということは、この部分をM2、D1…と変えて連載を続けていきたいのかもしれないけど、果たして連載は続くのか…?

あんまり評価はよくないみたいだし…(ネット調べ)

 

今後何か盛り上がりポイントがあることに期待して、

とりあえず読んでみようかと思いますが。


セクシーボイスアンドロボ 第10話 『幸子』

2007年06月14日 01時46分45秒 | レビュー

まず初めに、ちょっと書いておきたいことがあるので―


オープニングテーマが流れている時に

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

コードネーム:ロボ 
女好きのロボットヲタク

コードネーム:セクシーボイス
七色の声を操る女子中学生

二人はスパイ

この複雑な世界 そして闇の中で
彼らは次々起こる難事件に挑んでいく

夢と希望を追いかける二人の名は

セクシーボイスアンドロボ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

というナレーションが入るのですが、
これにはいくつかの誇張が含まれています。

①ロボに関する記述はほぼ合っている。
②ニコの「七色の声を操る」という記述は、今回に限って言えば全く能力が発揮されていない…耳がかなり良いという能力は出てきたけど。
③「二人はスパイ」についても、今回はスパイ活動していない。たぶんまともなスパイ活動は第5話の『うしみつ様』の時だけでは?

もしかしたら視聴率低迷は、ここら辺の曖昧さについていけない人が多いからなのかもしれません…

「スパイしてないじゃん」みたいな…^^;

私としては、そこら辺も含めてこのドラマが大好きなのですが(笑)
もし、こういう設定がなかったとしても、十分見ごたえがあるドラマだと思いますので。(特に独特の空気感とか)
ドラマに登場する言葉の巧みさにも感嘆します。

週刊テレビジョンに「こだわりぬいたドラマ作りで、コアなファンをひきつけた」と書いてある通り、一回ハマるとかなりハマります。

…と、最終回前でちょっと宣伝活動をしてみました(笑)

これで、このドラマのファンが一人でも増えればいいなと…思ったり。


さて、本題に戻って、第10話の感想を書いていこうかと思います。

注)ネタバレを含みます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

公式HPの予告を見て、この「幸子」って何だろうって思ってましたが、ストーリーを追っていくうちに正体がわかって、なんとなく嬉しかったです。


【お金】

今回のテーマは「お金で何でも手に入れられるのか」っていうことだと思います。
各々の思い描く「夢」・「幸せ」もお金があれば実現するのか―
これって難しい議題ですよね…

「お金」は本来ただの通貨であって、物々交換の間を行き来するだけの存在のはずなのに、現代ではそれ以上の存在価値を持ってしまっているように感じます。

「お金」のために人を騙し、裁かれる人。
「お金」のために自分を売る人。
「お金」のために死んでしまう人。

「お金」が人間を支配している―

お金は生きていくために必要だけれど、それと同時に大切な何かを見えなくしてしまう可能性があるのかもしれません。
「お金」は貯まっていくけれど、使う「時間」がないと言っている知り合いもいますし。
その使ってしまった「時間」は「お金」で買い戻すことはできないんですよね…

それでも、やっぱりお金が欲しいという気持ちは誰もが持っている―

ニコの言った

なんだかんだ言って、みんなお金が欲しいんでしょう?って言われたら、
誰も何も言い返せないんだよね。

という言葉がそれを物語っているんでしょうね…

ストーリーの中で描かれていた、信田コーンとその奥さんのケンカ(?)も結局は現時点における「お金」に対しての考え方の食い違いだったわけですよね。

莫大なお金を手に入れたことによって、現状に喜びを感じなくなって、自分が好きだった事に対して何も感じなくなる…
それはやっぱり悲しいですよね…
本当の幸せは、お金よりもっと先にあるはずなのに…


【ニコとロボ】

8・9話を通して二人の関係はより深いものとなったはず…
ただ、9話の終わりでちょっとギクシャクした感じがあったので心配ではありました。これまでの関係は変わってしまうのかと…

でも、そんな心配をする必要はなかったようで、あいかわらず

・ロボはニコに呼び出しをくらう
・ニコの相談相手はロボだけ
・ロボに呼ばれて何の躊躇もなしに家に来るニコ

という関係は変わっていませんでした(笑) ホッとしました。


まぁ、どちらかというと関係はより深くなったようで、

並んで寝袋で寝てみたり


(見づらかったら適宜補正してください)

見つめ合ってみたり

…という感じでした。

ロボと信田コーンの会話で

信田「あなたはニコさんとはどういう関係ですか…?」
ロボ「えっと、友達ですよ。」
信田「変でしょう…」
ロボ「え、何が?」
信田「だって、14歳の中学生と秋葉原でお勤めしているサラリーマンがお友達っていうのは変でしょう…」

ここら辺って、ドラマ見ている人のほとんどが一回は聞いてみたい話ですよね…(笑)
確かに友達は…ね。
と、思ってしまいますよ…ロボさん…

自分的には、平和な感じがしてこういうの好きですけどね…
ここら辺のことを最終回で解決してくれるんでしょうかね…?


【幸子】

この記事の初めのほうにも書きましたが、「幸子」という名前にはちゃんと意味がありました。

ニコが昔飼っていた犬の名前だったんですね。

それを生まれてくる子供の名前にしたいというのは、なんとなく微笑ましいですよね。

それと、ロボの「えっ、ちょっ、結婚でき…あ、するの?」というツッコミに「したらの話っ!」と返しているニコが面白かったです。
(「したら」の部分が「設楽」のアクセントに聞こえたのは自分だけ?w)

 

…というわけで、「信田コーンを占った占い師はなぜニコをピンポイントで指名したのか(できたのか)」や「真境名が停電シーンで登場する意味があったのか」など幾つかの疑問点はあったものの、話全体を通してかなり楽しめました。それに、色々考えさせられましたし。

今回の話で一番好きなシーンはニコが洗濯物を取り込んでいる場面(↓)です。

この場面の演出が一番綺麗だと感じました。

 

そして、いよいよ来週が最終回です。
毎週楽しみにしていたので、あと一回で終わってしまうのは寂しい気がしますが、制作も急ピッチで進んでいるようですし、質も落とさないと断言してくれているので、気持ちの良いラストとなるように期待しています。

最終回には第一話で亡くなった「三日坊主」が霊として復活するようなので、そのあたりも楽しみです。

 

<おまけ>

6月10日の記事に貼った写真は、このドラマを見ている方は気付いたかもしれませんが、「地蔵堂」のロケ地(外観だけ)となっている建物の写真でした。
ドラマで映る地蔵堂はこんな感じです。

 


セクシーボイスアンドロボ 第8話・9話 「プッチーニ」

2007年06月08日 06時28分20秒 | レビュー

深夜の研究室へ足を運ぼうと、ドアを開けると…

ザーーーー

スコールみたいな雨が降っていました…

もしかして呪われてるのか…そうなのか?


というわけで、家から出るのが億劫になったので、
録画して溜まっていた『セクシーボイスアンドロボ』の第8話・9話を見ることにしました。

以下、その感想です。(ネタバレ含む)

セクシーボイスアンドロボの概要については、公式サイトまたはWikipediaで。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

第8話と第9話は「プッチーニ前編」・「プッチーニ後編」と二本立てになっていました。

これまでは一話完結といった感じで、どちらかというと各話は独立していたんですが、今回の2話は密接に関わっていました。

それに第1話「三日坊主」とリンクする部分もあって、
これを望んでいた自分としてはかなり満足です。


この2話のメインテーマは『ニコとロボの関係』だと思います。
(本当は、プッチーニ絡みの『生死(死に逝く者と生ける者)』というテーマもあると思いますが、個人的に『ニコとロボの関係』のほうが気になるので…)


これまでのニコとロボの関係は、

友達(恋人未満?でも、年齢的に犯罪に近い…)
親分と子分(「ロボ、出動だよ」と言われて、「出動します」と言ってしまったり)
姉と弟
妹と兄

とその場面場面で変化し、不思議な温かさを感じる関係でした。

第8話の最初のほうでも、ロボの家に上がりこみ、ベッドを占有しマッタリするニコの姿が見られたり…。

しかし、後半部分から、2人の関係に変化が…

それはロボがリアルな愛を感じ始めたから。
相手はプッチーニの一人。


そして、ロボはニコから離れていく―
フィクションからリアルの世界へと。


いつも傍にはロボがいて、そんな当たり前の日常が繰り返すだけだと思っていたニコ。

でも、ロボが離れていくことによって、ニコの心の中で「何か」が変わる。

「当たり前」のことができる―それはとても幸せなことなんだと思いました。


ここまでが第8話の内容ですが、偶然録り溜めていたため、続けて9話を見ました。

2話が続き物だということは全く意識せず、本当に偶然2話連続で見ることになったわけですが、今思うと2話続けて見てよかったです。

第8話のラストがあまりにも悲しい終わり方だったので、そのままではやりきれなくて…


第9話では、ニコの「当たり前の日常を取り戻したい」と思う気持ちが伝わってきて、感動しました。
ロボに関しては、ちょっと浮かれすぎてて「しょうがないなぁ…」と感じてしまいましたが、リアルな愛に目覚めてしまいましたよ…ってことで許すしかないかな…

今回の一件で、2人の関係はこれまでとは少し違ったものに変化したけれど、
それはお互いのことをより強く必要だと感じられる関係に発展したんだと思います。

『あなたがいないと、世界が変わる―』

 

この2話によって、ニコとロボの関係がより深められ、この作品がより面白く感じられました。

最終回まであとわずかですが、最後まで展開が楽しみです。


追記:どうやら、今回の話は賛否両論のようですね…結構好きなんですけどね…色々詰め込もうとして消化不良な部分は否めないですが…


そのときは彼によろしく

2007年06月03日 03時44分38秒 | レビュー

先日、本屋のおすすめコーナーに、最近よく宣伝されている『そのときは彼によろしく』の小説・コミックスが置いてあったので、
コミックスの方を購入してみました。
(「なんで小説じゃないの?」ということについては、またいずれ書くかもしれません…)

以下、コミックスの感想です。

(注)
結末のネタバレにならないように十分注意して書くつもりですが、
結末に関わるなんらかのヒントを含む可能性がありますので、ご注意ください。
まぁ、良い作品は内容を全て知っていても感動するものですが…

 

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原作は、『いま、会いにゆきます』や『Separation』で有名な市川拓司です。

彼の作品には男女の恋愛関係が描かれることが多いのですが、
この『そのときは彼によろしく』もまた例外ではありません。

主に登場するのは、花梨と智史と佑司。
物語は、彼らの幼少期と現在を行き来することで描かれています。
主軸となっているのは、長い時を経て再会した三人がどのように関わっていくのか…
(映画では、花梨を長澤まさみ、智史を山田孝之、佑司を塚本高史がそれぞれ演じています。)

物語は、まず智史と不思議な女性の出会いから始まります。
智史はその女性にどことなく懐かしさを感じ、後に彼女が幼少期に別れた花梨だということに気付きます。

そして、この二人に佑司を加えた三人が幼少期にどのような出会いをしたのか、
彼らはなぜ離れ離れになってしまったのか、
そして彼らの再会はどんな結末につながっていくのか―
ということが描かれていきます。

この物語の中で、
女の行動には全部意味がある
という言葉があるんですが、
この言葉は物語全体を通しての伏線になっているような気がします。
それが花梨の仕草や行動を物語っているような…

そして、子供の頃に三人がそれぞれ描いた夢は現在叶っているのか…

智史と花梨を結びつけるキーマンは、智史の父親。

以上のことが、印象に残った部分です。(省きすぎたかも…)

 

全体を読んで思ったのは、『運命』というものがもしかしたら自分にもあるのかな…ということ。

偶然の中にある必然がもしかしたら運命なのかもしれない。
でも、意識していないとただの偶然で終わってしまうかもしれない。

人と人が出会ったときに、お互いに何か心地良さを感じたなら、
それは運命の出会いなのかもしれない。

名前と顔以外に情報はないけれど、あの時に会ったあの人ともう一度話せたらな…