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プロレス玩具箱

プロレス&格闘技、本と映画を愛する、武闘派文系管理人・りらが、プロ格中心にあれこれ放り込む玩具箱です。同好の士、歓迎。

観戦記~『新宿カス野郎プロレスFINAL』11.11新宿FACE・その1

2006-11-12 17:20:10 | プロレス
 11.11新宿FACEにて開催された『リングソウルライブ~新宿カス野郎プロレスFINAL』観戦してきました。午前中は雨どころか雷まで鳴る荒れ模様で、これはTARU、近ちゃん、YASSHIの誰かひとりが“嵐を呼ぶ男”なのに違いない、と一日中雨天を覚悟。しかし午後には雨は弱まり、傘も結局ほとんど使わずに済みました。
 会場でお目にかかれてお話できた方々、ありがとうございました。また必ずどこかで、しかも近々お会いできると思いますので(笑)その節はまたよろしくお願いします。

 予想通りFACEは立ち見もぎっしりの超満員。事前に発表されたカードでは、メイン以外の4試合は対戦相手がすべて「X」だったこの興行。色々な意味でのサプライズが盛り込まれてました^^ あ、この写真は最初に挨拶に上がった、リングソウルのオーナー・藤永さんです。
 我々(私&たま子さん)ふたり、FACEでは初めて座る最前列で笑ったりじーんときたり、ハラハラしたりと充実した時間を過ごせて満足度高し――最初にある意味ネタバレっぽい話ですが、今回で最後を予定していたリングソウル主催興行であるこのリングソウルライブ。TARUさん始め参戦レスラー、そして来場の観客の熱い願いと支持を受けて、エンディングでは藤永オーナーから、来年以降もなんとかできるよう頑張ってみる方向性でという話も出ました。VMの3人が中心なのでそのファンがお客にも多いだろうけど、他では観られない珍しいカード、のびのびしたファイトが観られるこのリング、私も是非、間隔があいたとしても続けて欲しいなと思います。
では観戦記。主にセミとメイン、写真中心ということで(試合データは「週プロ」iモード):
第1試合
エル・ブレイザー      リッキー・フジ
○ハヤブシート    VS   KEN45°●

(13分26秒 ファイヤーバードスプラッシュ)
 申し訳ないけど個人的には「X」としてはいちばんトキメキを感じなかったなーw KENとリッキーはエアギターを奏でつつ登場。試合には負けたんだけど、退場前にもやってましたね。
 試合内容としては…ハヤブシートのファイアーバードスプラッシュがきれいだったなぁ。





★第2試合★
●マスク・ド・ポコチン  VS  ダンプ松本○
(0分59秒 試合放棄)
 マスク・ド・Pは例のごとく、自分の腋の下に制汗スプレーをしつこく吹きかけつつ登場。場内が粉っぽい空気に。そして対戦相手のXとしてスクリーンに登場したその文字は「極悪同盟」―ダンプ松本!場内どよめき、そしてダンプが竹刀を掲げて登場すると大歓声。
 かたやマスク・ド・PはXが誰かわかるか否や、リングから電光石火で降りてしまい、周囲を走って逃げ回ったりリングアナの席に座ってみたり、試合に臨もうとしないw ようやくリングに引きずりあげられても竹刀で数発しばかれて足蹴にされると完全に戦意喪失。あっという間に逃げ去ってしまいました。ここで試合放棄によるダンプの勝利に、場内から「えーっ」と不満の声が。
 実はこの日(11月11日)はダンプ松本の誕生日だったそう。お祝いムードになった時に、逃げ出したマスク・ド・Pが、ろうそくを点した苺のケーキ片手に戻ってきて、ケーキを差し出してダンプに手まねで「ろうそくを吹き消して」と(でもその時にはもうろうそく消えてましたけどねw)。…オチはやっぱり、ダンプがマスク・ド・Pの顔をケーキに押し付けボコボコにして終わり。後片付けがかなり大変そうでした。


★第3試合★
●浜田文子   VS   グラン浜田○
(12分57秒 雪崩式浜ちゃんカッター→片エビ固め)
 浜田文子を初めて見るたま子さん、ひと目みるなり「カッコイイ~…」確かに颯爽としているし顔立ちが整っているから、雰囲気あるよね。私は以前、確かZERO-1MAXでミックスドマッチを観た。甘ったるい仕草もなくハードな内容でいい印象だった記憶が。
 その対戦相手「X」の登場前にスクリーンに出た文字は‘小さな巨人’…えっ、パパさんですか!? お久しぶりにみるグラン浜田。文子は「勘弁してよ~」と言わんばかりの表情でいったんリングを降りてしまうけど、試合をしないわけにはいかず。親子での対戦は初めてだったのかな?
 試合はグラン浜田が娘の技をきっちり受けた上で貫禄勝ち。労う父の手を素直には借りられないけど、感極まったのか涙が滲んでしまった浜田文子。いいなぁあんな親子。
「オヤジかよ…勘弁してよ」な表情でリングを見上げる浜田文子。

上がって来いと余裕のお父さん。仏頂面でイスを手にリングインした娘に説教もw


噛みつき、イス使いのラフ攻撃も。


この体勢から文子の顔を仰向けにしてノド元に腕を叩き込む。

何度追い込んでもカウントがとれない。まだダメなのか、という表情。
最後は攻め疲れた文子に対し、一気に攻撃を畳みかけたグラン浜田の勝利。


助け起したグラン浜田の頬に一発。

しかし次の瞬間にはしっかり抱き合う。一瞬にして父の顔になったグラン浜田。

「親ばかですが、これからも文子をよろしくお願いします」という言葉に
思わず顔が歪む文子。いいなーこういうお父さん。

★第4試合★
柴田勝頼       鈴木みのる○
●澤宗紀   VS   NOSAWA論外

(14分30秒 逆落とし→スリーパーホールド)
  試合前、さて柴田の対戦相手の「X」は誰なのかと勝手に妄想予想。私はパートナーが澤なので、片方には中嶋勝彦こないかな?と思ったり。もしかしたら小島、もしかしてディック東郷…なーんて言ってたのですが、風の人でした。去年のプロレス界でも「X」といえばみのる、って感じでしたが今年もそれは変わらずなのか。

 で、私が非常に楽しみにしていた柴田の試合。9月にNOAH武道館でKENTAとのタッグで試合しているとはいえ、BMLからフリーになって以来、今まで全く縁がなかったようなリングに上がるのは実質的に初めてですもんね。そもそもNOAHからだって2ヶ月近く試合してないわけだし。
 こちらもかなり柴田欠乏度が高かったですが、たたずまいや試合っぷりを観るに柴田自身も試合にはかなり飢えていたのではないかと思われ。理屈抜きに身体を動かしたくてたまらない、リングで相手と向かい合いヒリヒリした空気の中に身を置きたい、という渇望は全身から発せられていたように思った。研ぎ澄まされた空気を身にまとっている感じがビンビンしたです。おお、これこれ、柴田のコレを観にきたのよとわくわく。
 しかしその時点で柴田の気持ちやまとっている空気が、同じリングに立つ他の3人と既にまったく違っていたんだろうなと思います。そして会場の空気とも違っていたんだろうなと。それを柴田が感じたか(あるいはどう感じたか)はわからないけど…今回の試合では、柴田がその場に最後まで溶け合うことなく終わってしまった印象を受けました。なんというか、試合内容が悪いとかつまらないとかそういう話ではまったくなく―言葉にするのが難しいなぁ。
意識や意気込み、まとう空気が違っていても悪いことはない。私は柴田のあの雰囲気、煌き、鋭さが大好きだし。しかし今回は、前回のNOAH武道館で柴田に感じたような元気のよさ、のびのびした感じ、若さ。そういう部分が今回あまり出てきてなかったように思えたんですね。結果、ピリピリした部分だけが際立ってしまった、イライラしてるような感じになってしまったんじゃないかなと。もしかして柴田なりに、慣れないリングに緊張してたのか? 考えすぎてしまったとか、そういうこともあったのか。
 澤が捕まっている時間が長すぎて柴田が実質的に試合できた時間が短かった、というのも一因ではあったでしょうね。あのくらいしかできないんじゃぁ、エンジンやっと温まったところでハイ終わりだから、柴田のよさも出てきづらいだろうし、やっててかえってフラストレーション溜まっちゃうんじゃないのって思ったもん。でもそれだけじゃなく―そこに話を持っていってしまうと話終わっちゃうんだけど、やっぱり試合が久々すぎるのか、相手や空気を読んだ上で試合したり、楽しむためのゆとりが、今の柴田には足りないのかなと。
 フリーになってまだ数ヶ月。色々事情もあろうし思うようにいかないこともあるだろうから、要求過多になりたくないけど、とにかく今思うのは「試合しようよもっともっと」しかない。あちこち出て行くこと=安売りじゃないよ。柴田は柴田のままでいいし、頑なさも魅力ではある。ただ、もっと経験してから選んでもいいんじゃないの。フリーになる時「自分にはハングリーさが足りなかった」という意味のことを言ってたはずだけど、まだ足りてない、というかその思いが行動に結びついてないんじゃないのかなぁ…
 それでも私は柴田を久々に観られて(しかもかなり間近で)、物足りなさやもどかしさを感じつつも嬉しかった。嬉しかったから、いっそう物足りないのかもな。楽しそうにいきいきしている柴田を観たかった、その部分でちょっと寂しく残念なり。
会場に来ていた人たちの中で柴田を初めて観た人たちは、柴田のことをどう観ただろう。ちなみにツレのたま子さんも「初・生柴田」でしたが、第一印象は「何か凄くいい身体なんですけど!」観終わっての印象は「えー、何かもっと試合してるとこ観たかった」でした。
  この試合の写真は「柴田アルバム」状態ですからあしからずw

 「ね!どうよ柴田!」…って私がたま子さんに自慢してどうするw

2年ぶり?の対戦となる鈴木みのるを視線の先に。澤をコーナーに戻して
先陣を買って出る。



慎重に間合いを詰めていく。


この手の仕草…





論外、柴田に蹴られ澤に攻められ、幾度となく「師匠」に助けを求めるも、
きこえないふりをされるか叱咤されるだけ。
あげくの果てに「おかあさーん!」…しかし最近いいコンビだよねw




柴田に見せつけるように澤をねちっこく攻めていく。


何度もカットに入ろうとしたけど、そのたびにレフェリーに阻止される。


共にシャイニングウィザードを使うふたりの競演w





いったんは流れをひきよせて反撃に出たものの、この後、
柴田の攻撃が澤に誤爆してそこからまたひっくり返される。

スリーパーホールドから逆落とし、そして再度ホールドで締め上げてフィニッシュ。
そのすべてを柴田に見せつけつつ。

汗を全身にかいて荒い息でみのるを見つめる柴田。
何も口にすることなくリングを降り、かなり足早に去りました。




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4 コメント

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拝啓 りら様 (inu)
2006-11-13 15:50:16
また今回も素ん晴らしい御写真を載せて下さり
inu、有難き幸せに存じます

柴田戦。しっくりこなかったみたいですね。

私は現場に行く訳でもなくこうやって人様のblogや誌面からしか
柴田の試合は感じる、うかがい知る事が出来ないのですが、りらさんの
『モノ足りない』
って気持ち、伝わってきます。
それはやはり柴田自身もそうなんでしょうね。
きっと。否、絶対。

柴田って結構器用だと思うんですよね。実は。
最近何となく勝手にそう思っているんですけど。
でも、その器用さにかまけたくないっていうか
器用にこなせるのにこな“さ”ない、んじゃないかと。
出来るけど出来ない。しない。
心が信号出すんじゃないかと。
やっぱ信念の人って言うか嘘が無いっていうかごまかしが無いっていうか、正直。馬鹿正直。
んな感じがするんです。勝手に。

生き方が不器用っていうかね。
人生の歩み方、っていうのかな。
私はそれを無様だとは思わない。
寧ろ格好良いと思う。
そういう人は。
私はそこがなんですけど。
何処まで行っても“孤”っていうかね。
だから好きなの。

生き方の処世術もプロレスの処世術もよく分からないですけど
でもやっぱもっと輝ける処に行けると思うんですよ、柴田は。
てか行ってくれ、行けよと。
それがどんな世界だか知らないけれど。

私も自分で何が言いたいのかよく分からないですけど
アイツが目指す処にアイツが行ければいいなと。
そしてその世界を何時かは見てみたいものだなぁと
否、見せてくれと
そう思っとる次第であります。

敬具
返信する
ひとつひとつ (りら)
2006-11-13 21:51:48
>inuさん
いつもお褒めの言葉ありがとうございます。実は結構励みになりまする。

今回の柴田の試合に関しては、私の中でもどう受け止めるか迷いというか、複雑なものがありました。今回に関しては柴田個人の試合として観るか、「カス野郎プロレス」のカードのひとつとして観るかでぜんぜん違ったと思うんで。
私はそのどちらも大事に思ってるのですが、今回は強いて言えば後者として考えたかった。柴田にもちょっとそれを期待したのかも。迎合してくれという意味じゃないんですけどね。
柴田はまったく自分のまんまで出てきたように思うのです。柴田だけを観たいならそれでいいし、迷いがあろうが固かろうが「今の柴田」を観てああ今こうなのね、でいいんです。
しかしフリーってやっぱりそれだけではいかんだろ、というのがあると思う。柴田のための場じゃないし、柴田を観にきたお客さんばかりじゃないから。

頑なさもこだわりも捨てないでほしい。
ただしそれを自分の芯に持って消さずにいることと、前に出してしまうことは別だという覚悟も、フリーでやっていくなら要るんじゃないかな。
―いずれにせよ、すべてを糧として前に進んでほしいなと心から思ってますの。満足したことも不満だったことも、時間がかかっても消化してほしいし。
消化して身につけて体力つけて。それがあってこそ。

なんて思います。
返信する
頭が哲学る。 (inu)
2006-11-14 16:10:18
何か分かります。

柴田がどうってより人間の生き方と申しませうかか…。

>頑なさもこだわりも捨てないで欲しい。
 自分の芯に持って消さずにいることと、前に出して しまうことは別だという覚悟も~いるんじゃないか な。

結構沁みたのであります。

そういう精神というか信念を持っていたとしても
いや、
何て言うんだろう…。
表現という外側(他人)に見えるものと自分の内っ側のものが離れていて
その表現が自分の表現したいものと少し違っていても
心にその心の“核”を持っていれば壊れる事は、恐れる事は無いよって事なのかなぁと。
誤解される事は無いよと。
恐れずに出そうぜって事?なのかなぁと。

でもやっぱ“外”ってのは恐ろしいもんで
“核”がどうあろうとそれで判断してしまったり。
実際それでしか判断できなかったりしますもんね。
話してみない限り…。

まぁ、私もそうですが柴田も世の中と迎合できるタイプではない(したくない)と思われますので何とも…
どうなんでしょうねぇ。

今日もまた、うまいアウトプットが出来ない私ですがお許し下さい。
何か往復書簡みたいにいつもなってしまって
どうもすいません。
返信する
確かに… (りら)
2006-11-14 23:31:26
>inuさん
往復書簡的コメント、私こそ楽しませていただいておりますよ~^^ これもブログやってる理由のひとつですし。

>でもやっぱ“外”ってのは恐ろしいもんで
>“核”がどうあろうとそれで判断してしまったり。
>実際それでしか判断できなかったりしますもんね。

そうですね、確かにそう。
自分が好きな相手、大事な相手のことは“核”に何があるか知りたいし汲み取ろうと努力もしたりしますけど、すべての相手に対してそうするかっていやぁそんなことはないわけで。
お互い「外」でお付き合いしてるんですわね。そういう意味では「外」もおろそかにはできないんですねー怖いですが…

柴田に話を戻せば、光る「核」、魅力あるものを内に持っていると思う。
思うので、それを消さないためにも「外」をもっと鍛えてほしいなぁと思います。打たれ強さやしたたかさをね、身につけてほしい。
気づいたらこんなところまで来ていたのねと歎息できるほど、息の長い選手になってほしいので。
立ち止まる前に先へ進めと。一歩でも。

「カス野郎」に集ってるレスラーには同じフリーとして学ぶことも多かったんじゃないかと思うんですよ。
何かひとつくらい持って帰れたかなぁ。
返信する

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