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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「2030年の都市圏人口、9割が減少」の日経記事(8/14)

2005-08-14 | 勝手に朝会コメント
この記事で私が重要だと思ったのは、次の2点です。
すなわち、
①この予測をまとめたのが国土交通省であり、
②国交省は病院や商業施設の郊外への立地を
 規制するなど都市圏機能の拡散に
 歯止めをかける考えであること
です。


去る7月には、経済産業相の諮問機関である産業構造審議会と
中小企業政策審議会が、中心市街地の活性化に向けた
新対策についての報告書原案をまとめています。
中心地の空洞化を防ぐため、自治体は商店街と公共施設・住宅などを
一体で中心地に整備する計画を作るべきだと提言。
一方で郊外には立地規制を強めるべきだとしております。


いずれも、今後、郊外型商業施設のやや野放図な出店に
歯止めがかかる可能性を示唆しております。


ここで私が「やや野放図」と厳しい書き方をしている背景には、
郊外出店・郊外化が引き起こした「影の部分」、
たとえば地方の風景が画一化していること等、
(どこに行っても同じ風景⇒全国小売チェーンの成長が背景)
に個人的に嫌悪感を抱いているためです。


こうした私の問題意識にまさにフィットした著作がありました。
三浦環著「ファスト風土化する日本」洋泉社。
著者は、地方で犯罪が急増かつ凶悪化している遠因が
日本の「総郊外化」にあるのではないかと指摘しており、
地方が急速に匿名化・流動化している点に警鐘を
鳴らしているのです。


主要小売企業にとっては、今後の出店戦略に影を落とす
大きな政策変更につながる予感がします。
出店しずらくなってきますと、成長戦略の打ち手は限られてきます。
やはり小売業でもM&Aが加速していくのでしょうか。


ファスト風土化する日本―郊外化とその病理

洋泉社

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