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中国遼寧省大連で生きるおっさん

一人の名も無きおっさんが、浅学菲才ながらも、自分の言葉と写真で、毎回一生懸命に書いている大連ブログでございます。

大連の地下鉄「開業初日」乗車記(2)

2015年05月23日 | 開通「一番列車」乗車記
昨日の続きです。

地下鉄開業から一夜明けた大連ですが、今日もこの話題一色でした。朝、いつもの場所で新聞を買ったら「もう乗った?」と聞かれました。すぐに「営業」をかけられて、今日は久しぶりに二紙買いました。


本日付け大連地元紙『大連晩報』の一面です。見出しは「大連にも地下鉄が来たぞ~!」とあります。8ページにもわたる大特集でした。


同紙の記事(A8、A9ページ)です。地下鉄の各駅に停まるバスの路線番号がそれぞれ分類整理されています。地元に住む人間としては非常にありがたい情報です。


アップです。開業初日となった昨日の総利用者数は39264人、売り上げは87163.5元(=約171万円)、とあります。


本日付け大連地元紙『半島晨報』の一面です。見出しは「地下鉄開業初日、利用者は4万人に迫った」とあります。利用者や駅員のそれぞれの表情を写真で多く載せていますね。記事(A03ページ)によれば、市中心部の「青泥窪橋」駅は夕方5時にラッシュを迎えたそうです。


で、今日の「青泥窪橋」駅です。お昼過ぎに利用しましたが、ガラガラ~(笑)。


その混雑ぶりは、大連駅から「開発区」方面に向かうライトレール(中国語:軽軌)に比べると雲泥の差です。


さて、良い天気だったので、久々に「中山路」を歩きましたが、地下鉄「一二九街」駅の「B」出入り口を見つけました。


ここ(「B」出入り口)なら出て、目の前に見える大きなビルが「森ビル」ですね。


ビルの「頂上」に「表札」があります。在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所(通称:大連領事館)、大連日本商工会、JAL、ANA、ローソンなど多くの日系企業が入っている、大連在住の日本人にとっては重要なビルです。地下鉄はここの駅、この出入り口が「一見さんでも分かりやすい」最寄りになるということですね。

最後に、中国の全地下鉄を調べてみました。大連の地下鉄は中国において16番目の開業ということになり、ここ満州では瀋陽、ハルビンに次ぐ3番目の開業、遼寧省では省都・瀋陽に次ぐ2番目の開業ということになります。

蛇足ながら、中国の地下鉄全てを開業順に列挙したいと思います。

1、北京 1969年(昭和44年)10月開業
2、天津 1984年(昭和59年)12月開業
3、上海 1993年(平成5年)5月開業
4、広州(広東省・省都) 1997年(平成9年)6月開業
5、武漢(湖北省・省都) 2004年(平成16年)7月開業
6、深圳(広東省) 2004年(平成16年)12月開業
7、南京(江蘇省・省都) 2005年(平成17年)4月開業
8、成都(四川省・省都) 2010年(平成22年)5月開業
9、瀋陽(遼寧省・省都) 2010年(平成22年)9月開業
10、西安(陝西省・省都) 2011年(平成23年)9月開業
11、蘇州(江蘇省) 2012年(平成24年)4月開業
12、杭州(浙江省・省都) 2012年(平成24年)11月開業
13、ハルビン(黒竜江省・省都) 2013年(平成25年)9月開業
14、鄭州(河南省・省都) 2013年(平成25年)12月開業
15、寧波(浙江省) 2014年(平成26年)5月開業
16、大連(遼寧省) 2015年(平成27年)5月22日開業

もう一丁。日本初の地下鉄(旅客線)ですが、

宮城電気鉄道(仙台駅 - 東七番丁駅) 1925年(大正14年)開通

です。大連の地下鉄に先駆けること90年前(!)ですね。

ご参考までに。

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大連の地下鉄「開業初日」乗車記(1)

2015年05月22日 | 開通「一番列車」乗車記
今日は「いつもの大連」で大気汚染の日でした。


本日夕方4時の大連市各所の大気の様子です。市中心部「青泥窪橋(大連駅)」のPM2.5の数値は「129」、と日本基準の約4倍の汚染となっています。今日は市内各所どこも良くないですね。

さて、今日は大連の地下鉄の「開業初日」です。先に完成した「地下鉄2号線」の一部区間がまず開通となったわけです。地下鉄を作ろうと着工したのが、北京オリンピックが終わった翌年2009年の6月ですから、約6年の歳月で開業ですか。6年と言えば小学校に入学した子は卒業となるわけですから長いですよねえ・・・。

ということで、「開通初日」の今日、実際に乗ってきました。日本人的に必要な情報のみと乗車記を書きたいと思います。


一昨日5月20日付け大連地元紙『半島晨報』の一面です。見出しは「明後日の金曜日、午前11:18開通、地下鉄2号線第1期工事完成分路線の運転営業が始まる」とあります。中国(人)は「嘘と言い訳、朝令暮改」の国です。相変わらずの突然発表です。日本じゃ考えられませんねえ。


こちらは本日付け大連地元紙『半島晨報』の一面です。見出しは「大連に地下鉄時代が到来、本紙を記念特集号とする」とあります。中に特集記事がありました。


こちらは5月1日付け大連地元紙『半島晨報』の記事(A09ページ)です。本日開通となった路線「空港(中国語:機場)」駅⇔「会議センター(中国語:会議中心)」駅、の全17駅が記載されています。


アップです。今回開業した「大連の地下鉄の路線図」です。


大連の地下鉄1、2号線の「路線完成予定図」です。今日開通した「地下鉄2号線」の残りの区間は、来年2016年7月以降の開通の予定だそうです。もう一つの路線「地下鉄1号線」の開通ですが「姚家⇔会展中心」間が来月6月下旬に、「星海広場⇔河口」間が来年2016年7月以降の開通の予定だそうです。「嘘と言い訳、朝令暮改」の国です。期待せずに待ちましょう。


地下鉄新時代を迎えてその中心地となった「西安路」駅(「B1」出入口)です。マイカルやトイザらス、ユニクロなどを収容する大型ショッピングモール「ロスフ」、周囲にはカルフールやウォールマートなどもある巨大な商業エリアです。今日開通した「地下鉄2号線」と今度開通する「地下鉄1号線」が交差する駅となり、今まで以上に発展が予想されます。


中に入るとボディーチェックと荷物チェックです。中国は平和国家ではないからです。


切符の販売機です。ボロボロの紙幣が多い事で故障が頻発し、また操作の仕方が分からない人民が多いと思われるので、混雑と喧嘩トラブルの元凶になると思います。中国は「手売り」が一番であり、基本です。


切符です。回収再利用タイプの物ですね。


もちろん「明珠カード(大連版「Suica」)」も使えます。私の「明珠カード」はもう「10年超」で、妻よりも古い付き合いです。


ホームです。社会主義、共産主義国家らしく「スローガン」だらけです。「道徳と礼節のある地下鉄、エコの地下鉄、満足度の高い地下鉄」とあります。


安全のため全駅に「ホームドア」が設けられています。


車内です。ガラガラでした。開業2日前に告知ですから、宣伝不足なんだと思います。


清潔な車内です。当たり前か(笑)。


現在地と次の駅を知らせる地図です。これは日本でもおなじみですね。


先頭です。


終点の「空港」駅まで来ました。「西安路」駅から「空港」駅までは約20分です。車内の先頭から最後尾に向けて撮ります。大連の地下鉄は6両編成です。


降りました。「空港」駅です。


「空港」駅から他の全駅への運賃です。運賃は2元(=約40円)から始まり、終点まで行っても5元(=約98円)です。素晴らしいコスパと言わざるをえません。が、安全性だけが心配です。中国新幹線は事故が起きた時、埋めましたよね・・・。


「空港」駅から「会議センター」駅方面へ向かう始発は朝6:25、終電は夜9:35です。大連北駅方向へはまだ開業していません。


さて、空港の地下鉄駅への行き方です。空港に到着したら、まず外に出て、左(国内線方面)に向かいます。写真はちょうど空港を出たところです。空港の端っこにタクシー乗り場(国際線利用客用)がありますね。写真右に写っています。


左(国内線方面)に向かいます。30秒ほど歩くと、


「空港」駅地下鉄の出入口(「A」出入り口)です。雨や雪の日でもここまで傘要らずで利用できるのは良いですね。


角度を変えて撮ります。御覧の通り、まだ骨組みだけの建設中です。他の出入り口はまだ使用不可でした。


では、この「A」出入り口の位置を外から把握してみます。大連空港です。蛇足ながら「大連」の揮毫(きごう)は江沢民によるものです。


近付きます。


御覧の通り、ちょうど「大連」の「大」の字の下に地下鉄の「A」出入口があります。分かりやすいですね(笑)。外から探す上で良い目安になると思いますよ。


一通り見学して「空港」駅から市中心部「青泥窪橋」駅に戻ってきました。約30分で着きます。駅の改札口です。


「青泥窪橋」駅から他の全駅への運賃です。「西安路」駅までは約10分です。大連の二大商業エリアがメチャクチャ近くなりました。


「青泥窪橋」駅から「空港(中国語:機場)」駅方面へ向かう始発は朝6:39、終電は夜9:39です。「会議センター(中国語:会議中心)」駅方面へ向かう始発は朝6:53、終電は夜10:03です。


「青泥窪橋」駅の「E2」出入り口です。大連在住日本人の強い味方、地下一階に日系スーパー「しんせんマート」が入る「久光百貨店(旧イトキンビル)」の真ん前です。


こちらは「青泥窪橋」駅の「A」出入り口です。「久光百貨店」の裏となり、バス停「希望広場」駅の真ん前となりますね。

最後に補足です。

1、10分に1本の割合で運行なので、次の列車はすぐに来ます。

2、鉄道の「大連駅」、「開発区」方面に向かうライトレール(中国語:軽軌)の「大連駅」、へは「青泥窪橋」駅で下車です。

3、山東省(煙台)や韓国(仁川)に向かう船乗り場「大連港」へは「港湾広場」駅で下車です。

4、各駅各所で今だ建設中の箇所が見られます。

5、駅ホームにトイレがありますのでこの点は安心です。

6、駅構内、更には車両内(!)にまで、とにかく防犯カメラの量が半端ではありません。凄い威圧感です。安全、平和とは両極端の場所に居ることを痛感させられました。

7、中国新幹線や韓国沈没フェリー、2011年以降、毎年事故を起こし続けている韓国アシアナ航空、の例でお分かりいただけますように、中韓は日本(人)から見れば「安全第二」の国です。ご利用は自己責任で。中国はあらゆる面で他人には「紹介すれども勧めない」が無難です。

8、「空港」駅の「A」出入り口は上りエスカレーターのみで下りエスカレーターはありませんでした。階段の幅も狭いです。女性で大荷物の方、小さなお子さん連れの方は要注意です。

9、「会議センター(中国語:会議中心)」駅の始発列車は6:30です。大連空港を朝7:40に離陸する富山行き(中国南方航空、CZ613便)と朝7:45に離陸する名古屋行き(中国南方航空、CZ619便)を利用される方は、時間が厳しいので地下鉄を利用しての空港行きは避けた方が無難かもしれません。他の「大連⇔日本各地」を結ぶ全エアライン、全路線の方は行きも帰りも地下鉄の利用は問題ありません。

10、大連のタクシーの初乗り料金は10元(=約195円)で、満州では最も高い都市です。空港から「青泥窪橋(大連駅)」へ向かうタクシーは大体30~40元です。今後、空港から市中心部方面へ向かうタクシー業は大打撃をこうむると思います。地下鉄を使えば、ボッタクリの心配が無い、早く着く、お金も約10分の1で済む、からです。

11、大連の空港、駅、港、が乗り換え無しの1本で、安価に、短時間で結ばれた意義は極めて大きいと思います。

今日は久々に長いエントリーとなりました。お付き合いありがとうございました。

明日に続きます。

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ハルビン大連高速鉄道、開通「一番列車」乗車記(2)

2012年12月03日 | 開通「一番列車」乗車記
今日の大連はお昼近くにかなりの降雪がありました。ちょうど「外回り」の用事があったのですが、先方の都合でキャンセル。日中は一旦、家に帰りました。で、近所の雪景色です。


木々に程好く雪が乗り、綺麗です。突き当たりは旧・春日小学校(現・二十三高中)です。


で、旧・春日小学校(現・二十三高中)です。満州国時代と変わらぬ姿を保っています。


こちらは旧・東本願寺(現・大連京劇院)です。

さて、昨日のエントリー続きで、ハルビン大連高速鉄道(中国語:「哈大高鉄」)=「中国新幹線」の乗車記です。大連駅発の開通「一番列車(D8049次)」を利用し、終点の瀋陽北駅まで来ました。今日のエントリーは逆ルート=帰りです。


行きで大連駅、瀋陽北駅、そして「二等席」と経験しましたので、帰りは「瀋陽→大連北」、そして「一等席」を選びました。価格は187元(=約2500円)でした。列車は「D8062次」で、「瀋陽(16:46)→大連北(19:05)」です。これまた「黒墨」が多くてすみません。

日帰りですので、帰りの「新幹線」まで約3時間あります。瀋陽の観光地というと、

1、瀋陽故宮(世界遺産。清朝の祖・ヌルハチと2代目・ホンタイジの王宮)
2、東陵(ヌルハチの陵墓)
3、北陵(ホンタイジの陵墓)
4、張氏帥府(張作霖&張学良の官邸兼私邸)
5、九・一八事変博物館(柳条湖事件勃発の地)
6、蒸気機関車陳列館(スカイブルー色の超特急あじあ号の現物展示)
7、怪坡風景区(上り坂は楽、下り坂はつらい、という摩訶不思議な坂)
8、瀋陽(旧・奉天)中山広場にある満州国時代の建築群

が、外せない見所ですが、私は既に「全制覇」していますので、特に触手は伸びません。またここ瀋陽は先日の反日暴動で日本領事館がかなり酷い襲撃を受けたように、東北三省最大の反日都市であり、更には中国人自体が称しているように「瀋陽市は汚い町の代名詞」です。海の無い工業都市だけに大気汚染も酷いですしね。こんな御時勢ですし、今の私にとって長居は無用です。とりあえず地下鉄で瀋陽北駅から瀋陽駅に移動します。


瀋陽の地下鉄路線図です。切符は2~4元(=約30~50円)とリーズナブルです。朝夕の渋滞時間帯、また酷寒の時はバスよりこちらですね。


「地下鉄・瀋陽北駅」、または隣の「地下鉄・岐山路駅」から乗車、「地下鉄・瀋陽駅」までは2元(=約30円)です。写真は「地下鉄・瀋陽駅」のホームに列車が着いたところです。


改札口を抜けると切符の自販機が並んでいました。


地上へ向かう階段の途中には「瀋陽駅」と大きく書かれていました。


地上に出ました。瀋陽駅(東口)です。満州国時代の1938年(昭和13年)に完成、設計者は南満州鉄道の太田毅で、当時は奉天駅でした。日本の東京駅がモデルです。只今、拡張工事中で利用できず、利用は全て裏側(西口)からの利用になります。背後に鉄骨むき出しのアーチ状の姿が確認できます。


時刻は大体、午後1時。寒さと空腹に我慢できず、駅前の「吉野家」に入ります。


牛丼のセットを頼みます。キムチ&小松菜の味噌汁付きで22元(=約290円)でした。のんびり食べて味噌汁を飲んで体を温めます。生き返りました(笑)。

まだ2時間ほどあったので、駅から一番近い観光地(かつ無料)の「中山広場」に向かいます。駅前「中山路」を直線10分ほど歩くだけです。先程挙げた「瀋陽(旧・奉天)中山広場にある満州国時代の建築群」です。


まずは広場中央にある毛沢東像です。「世界エイズの日」の看板が掛けられています。最近「お上」はこの人の取り扱いに本当に困っていますね(笑)。「死せる孔明生ける仲達を走らす」ってやつです(笑)。


横から見たところです。最近、中国は「大朝鮮」なんて揶揄されていますが、あながち間違いとは言えない彫刻ですね(笑)。


旧・奉天大和ホテルです。


満州国時代の遺構をしっかりと残してくれているのはありがたいですね。


アップで。


何とも言えない歴史の重さを感じます。


旧・奉天警察署です。


旧・横浜正金銀行奉天支店です。


旧・東洋拓殖株式会社奉天支店です。


旧・朝鮮銀行奉天支店です。


一通り写真を撮ったところで駅に戻ります。瀋陽は遼寧省の省都であり、駅もとにかく大きいので、東口から西口へ行くにはぐるっと大きく迂回して、地下道を通って行かなければなりません。酷寒の中、ひたすら歩きました。で、西口に着きました。歴史の重み溢れる東口の姿に対し、西口はガラリと印象が変わります。私はどちらかというとこの外観、醜悪な印象を受けますが、皆様は如何でしょうか?


手荷物のX線検査を過ぎ、駅構内に入りましたが、店舗は未完成です。「マクドナルド」も、ラーメンチェーンの「李先生」もまだ外装だけの姿でした。


駅構内を進みます。半分だけの完成で、御覧の通り巨大な「新幹線」の広告でごまかしていました。これより先はまだ出来ていないようです。それでも十分にデカい、いやデカ過ぎる駅構内です。


帰りの「新幹線」はここ「A10&A11」改札口から入り、10番ホームのようです。

「A10&A11」改札口前の待合所に入る前に、恒例のパスポート&切符の検査がありました。チェックが終わると切符に「チェック済み」の赤いスタンプが押され、ペットボトルのミネラルウォーターを1本くれました。


やはり発車20分ぐらい前でしょうか、ホームに下りられるアナウンスが入りました。皆、改札口に殺到します。大連駅同様、瀋陽駅でも職員が切符にパチパチと鋏を入れます。これは満州国時代の奉天駅、そして「あじあ号」乗車の時から変っていないのだと思います。車両と御対面です。


一等席は全8両のうち、1号車にのみで44席が設けられています。帰りは「下り」となる為、車両は8号車が先頭、1号車が最後尾となります。乗車口にお出迎えの乗員のお姉さんに一声掛け、撮らせてもらいました。かなり寒そうで可哀相でした。


一等席の様子です。二等席は「3席・通路・2席」のレイアウトで、座っていてやや狭苦しさを感じたのですが、一等席は「2席・通路・2席」のレイアウトでゆったりとしています。シートピッチもそれなりに広いです。が、日本人が満足するほどの豪華さ、座り心地、満足度はありません。例えるとJALの国内線「クラスJ」のシートといったところでしょうか。


日本の列車同様、コート掛けもあり、足を置くことが出来ます。この構造は日本そっくりなので、そのままパクっていますね。


後ろから見たところです。


シートポケットには所謂「安全のしおり」が入っていました。右下に「持ち帰り厳禁」と書いてありますね。テーブルは肘掛け下から引っ張り出します。飛行機の「非常口シート」と同じ構造です。


この「満州新幹線」の各車両と各車両の間の扉は透明なガラス製で向こう側は透け透けです。何故この仕様にしたのか分かりません。各車両一番前の席に座った人は向こう側が丸見えで落ち着かないかも・・・。


車内の電光掲示板です。次の停車駅や現在の時速が表示されます。冬季期間中(12月1日~3月31日)の最高時速は200kmです。


外の気温も表示されました。


こちらは降車時に撮った特等席エリアです。先頭の1号車と最後尾の8号車の両先端部に8席ずつだけ設けられています。レイアウトは「2席・通路・1席」です。シート自体は一等席のものと変わりませんね。ただ先端部だけに事故ったら真っ先に死ぬな・・・。


ということで大連北駅に生きて帰ってこれました(笑)。この「D8062次」は「瀋陽(16:46)→遼陽(17:10)→鞍山西(17:25)→営口東(17:53)→大連北(19:05)」という停車でした。冬季運行では発車時点から既に外は真っ暗なので、終点まで車窓は楽しめません。


ホームを離れ、出口改札口に向かいます。


改札口を抜け、大連北駅の北口に向かいます。


夜の大連北駅(北口)の全景です。


12月1日付け大連地元紙『半島晨報』(C0203ページ)です。
大連北駅の地図です。
市中心部から18km
大連駅から17.6km
大連周水子国際空港から10km
とあります。
地下鉄駅も地図中に記載されていますが、まだ建設中です。

アクセスですが、この地図の大連北駅の駅北広場(北口)前に「南関嶺路」という道路が御確認いただけると思います。そこにバス停があります。バス停の名前は「民悦広場」です。

市中心部の繁華街「青泥窪橋(大連駅)」とこの「民悦広場」間は「1路(日本語:1番)」のバスを利用します。所要時間は約45分(遠い!)、総バス停数は20、料金は1元(=約13円)です。その他「大連市内各所→民悦広場」のバスを利用しての全てのアクセス方法は、分かりやすいこちらで御確認下さい。

次回はこの「満州新幹線」を利用した総括と危険性を記してみます。最後になりましたが、昨日のエントリーはここ最近の約2倍のアクセス数を頂きました。御訪問いただきました皆様に感謝申し上げます。

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ハルビン大連高速鉄道、開通「一番列車」乗車記(1)

2012年12月02日 | 開通「一番列車」乗車記
昨日、こちら東北三省の「ハルビン⇔大連」間に高速鉄道(=中国新幹線)が開通しました。こちら中国のマスコミでは「哈大高鉄」と略しての表記が多いです。路線もほぼ同じなので、かつてのここ満州国(現・東北三省)を走った超特急あじあ号の「平成版」といったところですね。また呼称ですが、日本人的には「満州新幹線」というのが一番分かりやすくしっくり来ると思います。ただ全世界の方が御存知のように、この中国新幹線、安全性に大きな問題があるんですよね・・・。

しかしながら大連駅を出発する「一番列車」の切符が買えたので、開通初日に省都・瀋陽まで日帰りで行ってきました。とりあえず「人柱」になりました(笑)。「iPhone5(アイフォーン5)」以来の自身の命を掛けたエントリーです(笑)。

大連で全世界に先駆け「iPhone5」を買ったら偽物で、騙されました
http://sky.ap.teacup.com/applet/dalian4649/20120621/archive


11月30日付け大連地元紙『半島晨報』(A02ページ)です。
車両は「CRH380B」型というそうです。気温がマイナス30~40度にまで下がる、ここ満州の酷寒の中を走っても大丈夫な「寒冷地仕様型」で、これほどの酷寒の中を走る高速鉄道というのは世界初だそうです。
全行程921km、総駅数23
遼寧省内521km
大連市内135km
設計時速350km、
冬季期間中(12月1日~3月31日)の最高時速は200kmで運行
夏季期間中(4月1日~11月30日)の最高時速は300kmで運行
とあります。


地図の部分のアップです。「大連⇔ハルビン西」駅間です。蛇足ながら
「大連→遼寧省の省都・瀋陽」は約400km
「大連→吉林省の省都・長春」は約700km
「大連→黒龍江省の省都・ハルビン」は約920km
です。日本の新幹線ですと
「東京→名古屋」が366km
「東京→新青森」が713km
「東京→広島」が894km
です。大体こんな距離感覚ですね。


12月1日付け大連地元紙『半島晨報』(C1011ページ)です。
8両編成で、内訳は特等席(16席)、一等席(44席)、二等席(491席)です。なお、5号車は半分が客車(二等席)で半分が食堂車です。


11月26日付け大連地元紙『半島晨報』(A02ページ)です。
大連駅、大連北駅から目的地までの料金表です。単位は人民元です。車両によっては最高ランクの席=ビジネス席(中国語:商務座)というのが設けられていますね。

大連駅&大連北駅発の「新幹線」の時刻表は11月27日付け大連地元紙『大連晩報』(B2ページ)が分かりやすいです。PDFでこちらです。うまく表示されない場合は何回かリロードしてみて下さい。


私の買った切符です。購入と乗車にはパスポートが必要で、切符の左下にはパスポート番号が入ります。「一番列車」にもかかわらず2日前に余裕で買えました。二等席で124元(=約1650円)です。この列車(D8049次)の停車駅は「大連→鞍山西→瀋陽北」です。「黒墨」が多くてすみません。


昨日の大連駅の様子です。満州国時代の1937年(昭和12年)に建てられ、設計者は南満州鉄道の太田宗太郎です。日本の上野駅がモデルで、2階が出発、1階が到着となっています。この日は青空ですが、気温は0度でした。


1階は「ケンタッキー」や中国の大都市各所にある、定食屋チェーンの「真功夫」などがあるので食には困らないと思います。


駅構内に入ります。X線による荷物検査の後は、切符の確認があります。無ければここより先には進めません。


「関所」を越え、駅構内を進みます。


大連駅発の新幹線の「一番列車」(D8049次)は「4番改札口」と表示されています。


「4番改札口」に入る「関所」です。日本人は切符とパスポートの提示が必要です。パスポート番号と切符に表記されているパスポート番号が一致しない場合やパスポートが無い場合は乗車できません。


「4番改札口」前、待合所の様子です。出発までまだ50分程あるので空いています。


列車出発まであと20分くらいだったでしょうか、ホームに下りられるアナウンスが入りました。皆、改札口に殺到します。中国では人混み=スリに注意です。職員が切符にパチパチと鋏を入れます。「昭和」ですね~。


ホームに向かいます。「新幹線」と御対面です。無事に帰って来れますように・・・。


さすがに「一番列車」です。皆、記念写真を撮ります。大連テレビや各新聞社も来ていました。


先頭車両の様子です。


私の席は5号車です。車内は半分が客車仕様、半分が食堂車仕様です。


5号車内(客車仕様)の様子です。


この5号車内(客車仕様)は他の車両とは違い、大きな机があるのが特徴です。他車両は違います。なお、二等席車両の車内は「3席・通路・2席」となっています。こちらは「3席」側です。


こちらは「2席」側です。各席下にコンセント差込口があるので、何かと便利です。


5号車内(食堂車仕様)の様子です。立食になりますので、自分の席まで持ち帰りましょう。


取り扱い商品の一覧&価格表です。Aランチ40元、Bランチ30元、Cランチ15元、とコンビニ以下の弁当がかなりの高額です。


11月29日付け大連地元紙『半島晨報』(A02ページ)です。
取扱商品の一例ですが、一般価格の2~5倍といったところです。駅前のコンビニで買い込んだり、ファーストフードのテイクアウトを利用して持ち込んだほうが、かなりの節約となります。


車内のデッキの様子です。木目が良いです。「中国新幹線」はその技術を日本の川崎重工から騙し盗ったものですが、この内装もパクリでしょう。左側がトイレですね。


で、トイレを開けてみます。


トイレ内の洗面台です。


便器ですね。使ってみたら飛行機のトイレと同じで瞬時に流れました。気圧の差を利用したタイプですね。


乗務員室です。ガラス張りで中は丸見えです。乗員のサボリ防止といったところでしょうか。


10:04に大連駅を発車して、約15分で「大連北」駅を通過です。ここまでは非常にノロい進行です。


何と言っても東北三省では初の「新幹線」、それも初日です。沿道には見物のギャラリーばかりです。


親子連れの姿も確認できます。今から約50年前、1964年に初めて開通した東海道新幹線の時もこうだったんですかね。


高速道路の大連「関所」が見えました。


大連も金州区に近くなった辺りから一気に「高速モード」となりました。揺れは殆どありません。


線路内に侵入できないように線路に沿って金網の柵が設けられており、その上には厳重にグルグル巻き状の有刺鉄線まで張られていました。これがなんと瀋陽まで(!)続きます。


延々と広がる田んぼ、畑、荒野を高速で走り抜けます。満州ならではの風景です。


荒野の中には風力発電機も見えました。


車内販売です。高すぎる弁当に誰も手を出しません。売り子は何往復も「仕掛け」ます。


大連駅を出発して約1時間40分、遼寧省第三の都市・鞍山市の「鞍山西」駅に着き、停車しました。


鞍山でも沿道には「新幹線」見物のギャラリーです。酷寒の中、凄い厚着です。


住宅地のすぐそばとなると、線路侵入防止の柵は「二重(!)」となります。


大連駅を発車して2時間23分。時間は12:27です。終点の「瀋陽北」駅に到着しました。「大連→成田」間とだいたい同じ所要時間ですね。列車内の温度は20度、この時の瀋陽はマイナス5度。気温差25度はキツいです。


やっぱりみんな記念撮影。しかし寒い・・・。


広~~~いホームです。中国ですねぇ。


「瀋陽北」駅の全景です。東北三省最大のターミナル駅です。日本の関東地方に例えると新宿駅といった感じですね。


「新幹線」の切符売り場(自販機)は大行列でした。

次回に続きます。

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