経絡と得気感について 投稿者:濠 投稿日:2013年 1月11日(金)18時33分24秒 返信・引用
Kさん、こんにちは。
すみません、大変遅くなりました。
・内臓と経絡
>「脾の経絡上のツボに鍼を打つ」ということで筋肉に鍼を打っているのですが、日本語の表現自体が不正確なのでしょうか。あるいは、日本の鍼灸独自の考え方なのでしょう。
人体解剖しても見つからないため、筋肉だと考えられがちですが、厳密にいうと違います。西洋医学とは異なった尺度で測った人体の機能のひとつです。
中国でいう経絡は気の通る道です。しびれる、熱さ、冷たさなどの得気感が感じられるのがここです。場所は体表ではなく、奥まったところにあるものもあります。
内功鍛錬するときによく使う門派もあります。
>脾自体は西洋医学で言う「筋肉」か「骨」に対応していると思うのですが、何か考え違いがあるのでしょうか。
おっしゃる通りです。
脾の概念の一部が「肉」と手足です。ちなみに骨は腎、筋は肝、皮が肺、心が脈になります。
脾はそのほかに脾臓のもつ消化作用。気、血、津液の運行もつかさどっています。
中医でいう五臓は西洋医学のものより広いとお考えいただけると、理解しやすいと思います。
>「もしくは「脾の経絡」と「脾」は違う概念なのでしょうか。
「足太陰脾経」は脾に関係する経絡ですので、脾の概念の一部です。その主幹は足の親指の内側から太ももの内側、お腹に入ります。そして、胸まで行き、舌まで伸びる分岐と心臓に行くものを通ります。
お読みになった本と違うのは、日本と中国の考え方の違いだと思われます。ぼくも検索で出てきた鍼灸師さんのブログで読んでびっくりしました。経絡は分岐がたくさんあるので、それでかなと思います。実際、その鍼灸師さんがいう日本式のツボは、分岐の上にありました。
こちらは僕も調べてみます。
>ひびき(得気感)について
詳しく引用してくださって、ありがとうございます。
得気感でOKでしたか。
なら、Kさんはすでに体験されていますよ(^^
丹田が回る、特定の部分がしびれる、熱くなる……などが得気感です。
鍼灸では患者が刺したツボに感じるのものほか、医者が針を進めた時に重く感じるなどの現象があります。
日本で言わないのは、違う発展をしたためのほかに、針が細いからではないかと個人的に考えています。
硬気功の達人に拳は効きにくいけれど、指が有効なのと同じ原理かと思います。
Re: 経絡と得気感について 投稿者:k 投稿日:2013年 1月12日(土)08時32分55秒 返信・引用
濠さんへ
> Kさん、こんにちは。
> すみません、大変遅くなりました。
こちらこそ申し訳ありませんでした。
> ・内臓と経絡
> >「脾の経絡上のツボに鍼を打つ」ということで筋肉に鍼を打っているのですが、日本語の表現自体が不正確なのでしょうか。あるいは、日本の鍼灸独自の考え方なのでしょう。
>
> 人体解剖しても見つからないため、筋肉だと考えられがちですが、厳密にいうと違います。西洋医学とは異なった尺度で測った人体の機能のひとつです。
> 中国でいう経絡は気の通る道です。
私もウキペディアで少し調べてみました。
先ず、
「経絡(けいらく、Meridian)の経は経脈を、絡は絡脈を表し、古代中国の医学において、人体の中の気血榮衛(気や血などといった生きるために必要なもの、現代で言う代謝物質)の通り道として考え出された。」
更に、
「経脈は十二の正経と呼ばれるものと、八の奇経と呼ばれるものがある。正経は陰陽で分類され、(中略)陰経は臓に属して、陽経は腑に属する。」
ここで、言及した蔵と腑は
「精・気・血を備蓄する蔵するという機能の総称」であり、
「臓とは精・気・血を備蓄する蔵するという機能の総称である実質性臓器。」であり、
「腑とは臓とは異なり空間のある構成で精・気・血を動かす働きをする中腔性臓器」と解説されています。
つまり、五臓六腑は「筋肉の総称」ではなく、「機能の総称」なのですね。
そして、ツボとは「経絡上に存在する経穴の一般名称」となっています。
もし、この解釈で良ければ
「「経絡上のツボに鍼を打つ」ということで筋肉に鍼を打っている」の正確な記述は
「経絡の一部が筋肉の中を通っており、その上に存在するツボを鍼で刺激する」ということでいいのでしょうか。
なお、上記の解説では「五臓六腑は現代医学の解剖学的具体的臓器そのものではなく」という記述もあるのですが、
Yahoo知恵袋のベストアンサーでは「中空性臓器…袋状、もしくは管状の臓器で、食道・胃・小腸・大腸などの消化管や、膀胱などがこれにあたります。??実質性臓器…内部に固有の形態・機能を有する臓器、ひいては内部にも組織が充実している臓器をいいます。肝臓・腎臓・膵臓などがこれにあたります。」と解説されていますが、このへんはご愛嬌ということで良いのでしょうか。
お時間のあるときにでも「気がむいたら」ご返事下さい。
気感と得気感 投稿者:うさぎ 投稿日:2013年 1月12日(土)12時41分27秒 返信・引用
気感とか得気感といったものは、戴氏心意拳でも、重要な分野だと思います。それをかんじたり、その感じが体のどういう表れなのかを知っているだけでも、戴氏心意拳をのどのように練拳していけばよいのかということがわかってくるし、戴氏心意拳だけでなくその人の健康にも生活にも多いに役立って行くものだろうと思います。「続 戴氏心意六合拳 技撃精要」や普段の練習、講習会などでも深めて行きたいところですし、その感覚と戴氏心意拳の練功との関係は私たち練拳者にしかできない分野でしょうから、互いに頑張って行きましょう。
経絡と五臓 投稿者:濠 投稿日:2013年 1月12日(土)15時36分15秒 返信・引用
>kさん
その通りです!
補足すると、経が縦の道、絡が横の道になります。
経が主で、洛がその分岐です。
縦が雄大で、横が精妙なところが、拳芸に似ていますね(^^
五臓六腑は、まさにkさんが考えられている通りです。
「機能の総称」です。
wikiとYahooのベストアンサーとの違いについては、「五臓六腑は現代学解剖学上の臓腑のほかに、概念や機能などを含む」からでしょう。
また、「三焦」は現代解剖学上、存在しないものです。
そのため、言葉が足りず、wikiのような表記になったと思います。
『黄帝内経』の『霊枢・経水』に人体解剖した記録がありますので、内臓を排除しているわけではありません。
この辺が少しややこしいところですね(^^
>うさぎさん
ですね。
お会いできる日を楽しみにしております。
Re: 経絡と五臓 投稿者:k 投稿日:2013年 1月12日(土)18時36分32秒 返信・引用 編集済
> No.245[元記事へ]
濠さんへ
大きな間違いがなくて良かったです(^_^;)。
日本少林拳同盟会の川口先生の12月12日付けのブログで「腹を一時間くらい掛けてじっくりと温めました。」と言う記述と共に「古典による腹診図」を掲載しています。この図に限って言えば「腹の筋肉の臓器対応図」といった趣なのですが、まぁ「この機能を正常にしたければ、この辺りを暖めなさい」といった感じなのでしょうね。
この辺は中国文明の大らかなところかもしれません。
霍先生も「下腹部の回転」も「下腹部の一部」も、両方とも丹田と呼んでいますしね(^_^;)。