さて、読書の冬。
相変わらず、興味の方向性が無茶苦茶ですが
まずは、三谷幸喜の「さらば友よ 三谷幸喜のありふれた生活9」
朝日新聞に連載している三谷幸喜のエッセイ。
基本的に、ずっと読んでいます。
やはり、本業だけあって、文章が上手。
寝る前にちょこちょこ読むのが楽しい1冊。
お次は「土門拳の世界」
昨年、酒田に行った時に見た
「土門拳美術館」は衝撃で
谷口吉生の建築も素晴らしかったのですが、
写真自体にも興味を持ち、買っていました。
内容は、過去の文章を並べている為、重複が多く。
読んだよそれ、と思ってしまいますが
初めて、土門拳について、齧ることができました。
お次は旅の本ということで、2冊
星野博美は、米原万里が進めていた作家の1人
写真家ですが、文章が抜群にうまい。
旅行記といえば、沢木耕太郎の「深夜特急」がいまでも1番ですが
この人の文章は、それに次ぐものだと思っています。
「ヨーロッパ退屈日記」は伊丹十三の本で、
伊丹十三の本は初めて読みます。
これは、タイトルから想像したものと全く別物。
旅の記録でもなんでもありません。
斜に構えた文体から、たまに鼻につくインテリぶりですが
伊丹十三が単なる映画監督ではないことが、よくわかりました。
義弟にあたる、大江健三郎と話ができるという
インテリぶりが、垣間見えていて、まぁ、それなりです。
さて、建築系の本のウェイトが最近増えてきました。
プリツカー賞まで取ってしまった、西沢立衛の対談集。
ま、建築系の人には、それなりに面白いかもしれませんが
新たな驚きを残すような本ではありませんでした。
「新ムラ論TOKYO」隈研吾と清野由美の2冊目の本。
下北沢、高円寺、秋葉原、長野の小布施を独特の視点で論じる本。
そして、「日本人はどう住まうべきか?」養老孟司との対談。
この2冊で、隈研吾は、やはり建築家の域を超えている視点を持っている
とは思いますが。
その作品と、こういう本での意見に乖離があるような気がします。
「都市と自然」安藤忠雄の本です。
ま、シリーズなので買ってみました。
大体、今まで読んだ安藤忠雄の本と大きく乖離することなく
淡々と読めました。
隈研吾とは違う意味で、建築家の範疇を超えて
活躍する様は、素晴らしい。
でも、表参道の同潤会のアパートをあんなにしてしまった
罪は重いと思います。
あれこそ、都市でしょう。しょうもない建築を作ってくれて。
「すべての人生について」浅田次郎の対談集。
結構、面白く読めました。
この人は小説家ではない人達と対談してもらいたい。
最後は、伊坂幸太郎「砂漠」
ピカイチですね。
今、最も好きな小説家です。
軽妙なストーリ展開と伏線の張り方はたの追随を許さず。
登場人物が何と言っても魅力的。
中でも西嶋は、主人公を食っています。
これほど、魅力的な人物を描けることだけで、素晴らしい。
まぁ、とにかく読んでみても欲しい一冊です。
同じ大学の卒業生ということが誇らしい。
同時期に通っていた可能性もあるので、それを思うと…