だいぢのEasyBassing

初めはバス釣行記のブログだったんですが…。
関東を中心に釣りや散策に出掛けていましたが…。
熊本県民になりました。

国指定天然記念物 布田川断層帯 杉堂地区 (熊本県益城町)

2022年02月12日 | 散策記
今回は、熊本県益城町にある国指定天然記念物 布田川断層帯 杉堂地区に寄ってみた。
「布田川断層帯」は、2016年(平成28年)4月16日1時25分に発生し、最大震度7、マグニチュード7.3を観測した
平成28年(2016年)熊本地震の本震の震源となった活断層である。

この地震によって、熊本県内各所では亀裂や段差などの地表地震断層が確認されたが、
中でも益城町の杉堂・堂園・谷川地区では、地震後に専門家や地元の関係者によって地表地震断層を保存する措置がとられたため、
現在でも良好に当時の亀裂や段差などを観察することができる。
これらの地表地震断層は、平成28年(2016年)熊本地震で生じた多様な断層の運動と連続性を現わすものとして、
学術上価値が高く、地震の被害を将来に伝える災害遺構としても貴重であるとの理由から、国の天然記念物に指定されている。

 
布田川断層帯は、国の天然記念物に指定され、熊本地震の記憶を後世に伝えるべく、現在、断層や社殿の保存整備が進められている。

(現地解説板)
    国指定天然記念物 布田川断層帯 (杉堂地区)          平成30年2月13日指定
 杉堂地区は、「布田川断層帯」の名称となった布田川の左岸側に位置し、断層崖が河川に沿うように連続しています。
断層崖下部からは阿蘇火山方面の伏流水が被圧地下水として湧出しており、湧水池は「潮井水源」として地域で大切に利用されてきました。
 このことを象徴するように水源内に鎮座する潮井神社では水に対する感謝や畏敬の念が「スイジンサンマツリ」等の民俗行事や
信仰という形で継続されています。
 平成28年熊本地震後、 神社の境内で長さ約8mの地表地震断層が確認されました。
その横方向のずれの変位量は最大約1m、縦方向のずれの変位は最大約 0.7m で北側が相対的に下がっています。
 また、現地はほぼ地震直後の被災状態のまま保存されています。
参道石段では断層運動に伴って斜面が変位した状況を明瞭に観察することができます。
 令和元年5月、 境内の湧水池の水位が低下し、ほぼ干上がった状態になったため心配されましたが、
池周辺の調査や地震の際に崩落した土砂を手作業で取り除くなどした結果、元の姿に戻りました。
 水は私たちが生活するうえで大切なものです。ここでは、自然災害と自然の恩恵が表裏一体のものであることを学ぶことができます。
 現在、町では専門家を交えながら今後も地域の生業や信仰等が地震前と同様に行えるよう保存の方法について検討しています。
周囲には四賢婦人記念館が移設されるなど、潮井自然公園(仮称) と一体した整備が少しずつ進められています。

 
ほぼ地震直後の状態で保存されており、潮井神社の御神木であったエノキの巨木が根元から倒壊している様子、参道石段の横ずれなども明瞭に確認できる。

自分は、平成28年(2016年)熊本地震が起きた当時は関東に住んでいたので、映像でしか地震の様子が分からなかったが、
実際に災害遺構を見学する度に、地震の規模、被害が自分の認識を大きく上回る規模だったことが分かる。

【文化財データ】
名称:国指定天然記念物「布田川断層帯」杉堂地区
所在地:熊本県上益城郡益城町杉堂1341
時代区分:2016年(平成28年)4月16日1時25分
形態:熊本地震 震災遺構
見学可能時間:常時開放
駐車場:有(無料)
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