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こっそり読書日記

HQの感想。ネタバレあり。

ヒクソン版ミス・マープル 動く指

2020年03月24日 | アガサ・クリスティ ミス・マープル


アマゾンプライムで見直しているヒクソン版ミス・マープル

エドワード・シミントン Michael Culver
TV作品では「MI-5」 「ニュー・トリックス」 「カドフェル」「捜査官クリーガン」
「モース警部」シャーロック・ホームズシリーズ「マスグレーヴ家の儀式」等々
映画では「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」「インドへの道」とか
見覚えのあるお顔と思ったら、出演作も多数でなるほどと

アンジェラ・シミントン Elizabeth Counsell
マイケル・カルヴァーさんと「007 ロシアより愛をこめて」でチョイ役で共演されてたのは
今回の夫婦役に関係してるのかしら

ミーガン・ハンター Deborah Appleby
出演作品としては2作のみのようです

ロバート・シミントン エドワードとアンジェラの息子 Lucy Gleeson

ジェイムズ・シミントン エドワードとアンジェラの息子 Stuart Mansfield

ジェリー・バートン  Andrew Bicknell
現在もご活躍のベテラン俳優さんで、1983年版ミニシリーズ「ジェイン・エア」の
ジョン・リヴァース役や1993年版「ハイジ」ではゼーゼマンさん役
最近では「ヴィクトリア」で観てたのね

ジョアナ・バートン Sabina Franklyn
いかにも英国の良家の子女ってキャラがお似合いで
ご両親ともに俳優さんで出演作は60年代からだから観てないのが多いのですが
瞳が印象的で、このお話のキャラにぴったりと原作を読みながら思えた

オーウェン・グリフィス 4、5年前リムストックに来た医師 Martin Fisk

エメ・グリフィス (エリル) オーウェンの妹 Snadra Payne
ダグラス・ウィルマー版ホームズ「ブルースパーティントン計画書」

パートリッジ バートン家の家政婦 Penelope Lee
ピーター・カッシング版ホームズ「ヴァスカビル家の犬」

ベアトリス 初めはバートン家の手伝いで、その後シミントン家に移る Juliet Waley

エルジー・ホーランド シミントン家の家庭教師 Imogen Bickford-Smith
ヒクソン版エルジーさんは、すきあらば後妻の座にっていうほどの悪女じゃなく
ただ巻き込まれキャラでした

ミスター・パイ Richard Pearson
アンジェラ・ランズベリー版マープル「鏡は横にひび割れて」でヘイドック医師役
ナスターシャ・キンスキー版「テス」、ピータ・カッシング版ホームズ
絵本を実写化した作品のいちキャラクターで有名なのかな
18歳で舞台デビューして映像作品としては40年代後半からご活躍の凄いベテランさん

エミリー・バートン役は Hilary Mason
同じく舞台スタートで出演作多数のベテラン枠、厳格な家庭で育った老女役にぴったりでした
ジェレミー・ブレット版ホームズ「サセックスの吸血鬼」
ポワロシリーズ「24羽の黒つぐみ」にも

モード・カルスロップ 牧師夫人 Dilys Hamlett

カルスロップ牧師 John Arnatt
ほぼセリフがなかったような、それでも存在感のある牧師役
アーナットさんとよく似てる俳優さん(ジョン・ギールグッドさん)と勘違いしてずっと観てた


ナッシュ警視 Geoffrey Davion

ヒクソン版はほぼ原作に忠実とはいえ、原作はジェリーさん語りで進んでいくお話で
ミス・マープルの出番はページ数にすれば10ページあまりと驚いた
牧師夫人がミス・マープルを呼ぶのがラスト近くといってもいいくらい
ジェリー君とナッシュ警視が有能
もちろん最後の殺人事件を未遂に防いだのと犯人のあぶり出しはミス・マープル
でもマープルさんが言ったように、ジェリーは観察眼もあり要所要所を押さえている
ナッシュ警視も無能に描かれがちな英国警察とは思えない有能さ

ヒクソン版配信記念に、あらためて原作を読みなおしてみたら
なんだかとっても私好みのお話じゃぁありませんか!ってくらい気に入った
ロマンス要素多めでも過剰でなく、気づかないうちに好きになってたパターンが2エピも
まず、ジェリーとミーガン
ジェリーは初めエルジーの美貌に目を奪われるのですが(1度どころか2度3度ある)
それでも{美人は三日で飽きる}の諺どおりか、結構すぐ退屈な女性と見抜く
(歯が墓石のようだとか、歯茎が出てるとか結構ルックス的にも辛辣な批判を心中で)
そして不遇なミーガンが子犬のような目で見上げると無関心ではいられなくなる
多分初めは同情から(破れた靴下や体型に合わない流行遅れの服等)だったのでしょうが
20歳なのにぶらぶらしていて自転車を乗り回して、周りからちょっと頭が弱い的に思われてて
でも実際は教育もしっかり吸収してて、多分愛情をかけてくれない母親への反発とあきらめからか?
だから話をすると真っすぐでウィットに富んでて、冒険心もありと良いところが見えてくる
そりゃあジェリーさんヒギンズ教授にもなりましょうってなもんです
この部分がすごくロマンス的には好みで、やっぱアヒルの子が白鳥になるのはツボです
もう一組はジョアナとオーウェンさん
ジョアナはリムストックに来るまでしょうもない男に傷つけられていたようで
まあ美人ではっきりものを言って経済的にも不自由なく(多分遺産?)流行の最先端をいくような女性
ダメンズに引っかかりがちってのも今も昔もってことでしょうし
その点初めはジョアナに恐れをなしていた(照れからか)グリフィス医師とは
対等に意見を交わしつつ、いざ彼の妹がああなって俄然守ってあげたい的なことだったにしても
初めからお似合いで、原作では散歩している時に偶然看護師が来なくて
ジョアナにお産を手伝わせるってエピで、すっかり見直したっぽい展開もお気に入り

原作でややこしいのが、各家庭にお手伝い、コック、通いの手伝いとかいることで
経済的に行き詰っていたミス・エミリー(リトル・ファーズ邸家主)でさえ2人も使用人いたし
で、ドラマ版ではリトル・ファーズ邸のお手伝いだったベアトリスがシミントン家に移ってってことで
ベアトリスが被害に
原作ではシミントン家のお手伝いのアグネスが悪意の手紙のせいで彼氏と喧嘩しってことで
そのアグネスはもともとパートリッジが仕込んだ身寄りのない娘でって繋がり
2つ同じようなエピがあったから読んでて(同時に映像版も見てるから)ごちゃごちゃになってしもた
(ベアトリスも悪意の手紙のせいで彼氏と喧嘩してリトル・ファーズ邸を辞めてる)

そして原作のラストはハッピーエンドで
厳格な家庭で抑圧された人生を送って結婚も許されなかったミス・エミリー(ボイントン家みたい)が
リトル・ファーズ邸を売って、世界一周の旅に出る(それもグリフィス医師の妹エメをお供に)
これがなんか救われた


ミーガンは結婚祝いにジョアナからは大型犬、ミス・マープルからは毛糸のフワフワした編み物
パイ氏からはクラウン・ダービーのティー・セット(高価そう)、エルジーからはトースター
カルスロップ牧師夫人から、エジプト人の宝石つきお守りとか
なんかほのぼのしていて読後感も良く原作を読んだ甲斐があった

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