Peril at End House 1932 (新潮文庫 1983年 中村妙子訳)
”南英海岸のリゾート地セント・ルーに一週間の滞在予定でやって来た
ポワロとヘイスティングズ
ホテルで偶然出会ったニック・バックリー嬢と気楽な会話を交わす中
彼女を狙って銃弾が放たれたと知ったポワロは
さらに最近起きたという奇妙な事故の話を聞き
本人が思う以上に危険を感じ取り、彼女を守る約束をして
ヘイスティングズと行動を起こすことに”
ポワロ(新潮文庫ではポアロ表記なのかな)
ヘイスティングス
ミス・レモン
(原作には登場せず、ドラマ版のようにロンドンからわざわざ調査報告に来ることもなく
その部分はヘイスティングスとポワロさん自らロンドンに戻って調査してます)
ドラマ版でのポワロさんのヘイステンングスへの冷たい仕打ちはやややりすぎでは?
行き詰っていたポワロさんの灰色の脳細胞をひらめかせる手助けになった
ヘイスティングスとミス・レモンとの{名前の略称言いあい合戦}は
ヘイスティングスの一人言のお手柄
ジャップ警部
原作ではポワロとヘイスティングスがロンドンに一度戻った時(その時ニックが再び狙われる)
ジャップ警部と会う場面では、数年ぶりという言葉も
ジャップ警部の「ポワロさんは引退してカボチャ作り云々」とかから
ヘイスティングスがポワロの返事を聞いて「アクロイド殺人事件」を思い出しているのかとか
過去にポワロが解決した様々な事件についてや、よもやま話で盛り上がる
ドラマ版で有能なミス・レモンが調査したことは原作ではジャップ警部が
あとはラストのポワロさんの謎解き場面に登場するのみ
ニック・バックリー エンド・ハウスの持ち主
ヘイスティングスいわく、いたずら好きの黒髪の妖精といった雰囲気
Polly Walker
ミス。マープルシリーズ「バートラム・ホテルにて」のベス・セジウィック役
私生活では2008年に11歳年下のローレンス・ペンリー ジョーンズさんと結婚されてた
マギー・バックリー ニックの従妹
物静かで昔風な美しい女性
Elizabeth Downes
チャールズ・ヴァイズ ニックの従兄 弁護士
Christopher Baines
ジョージ・チャレンジャー ニックの友人 海軍中佐 40歳
ヘイスティングスは好印象を持っている
John Harding
1984年版ミニシリーズと2002年版TVムービー版「チップス先生さようなら」にでてらした
フレデリカ・ライス(フレディ) ニックの女友達
倦怠しきったマドンナといった印象 夫が麻薬中毒(原作ではこの夫も出てくる)
Alison Sterling
俳優としての活躍はさほどでも、裏方に回って成功してらっしゃるのかな
ジム・ラザラス フレデリカの愛人 美術商
美貌の青年でヘイスティングスの印象は、高慢ちきで不愉快
Paul Jeoffrey
どこかで観た記憶がと思ったけど、出演作みても昔の作品だったから覚えているはずもなく
エレン・ウィルソン エンド・ハウスの家政婦
陰気臭く無表情
Mary Cunningha
ウィリアム・ウィルソン エレンの夫 庭師 Geoffrey Greenhill
バート・クロフト エンド・ハウスの番小屋に住むオーストラリア人夫妻 Jeremy Young
「修道士カドフェル」
ミルドレッド・クロフト(ミリー) Carol MacReady
同じくポワロシリーズ「鳩のなかの猫」 1982年TVムービー版「殺人は容易だ」にも
マイケル・シートン 飛行家
地元警察 警部 Godfrey James (原作では州警察のウェストン大佐)
グレアム医師 John Crocker
今回のお話は、ニック役のポリー・ウォーカーさんがお若く綺麗で独壇場って感じでしたが
先にドラマを観てからの原作読みだったので、ドラマ版で触れてなかった(と思う)
最初のホテルのテラスでポワロさんの目の前でニックが狙撃されたことになっていたからくり
これがきっかけでポワロさんが捜査に乗り出すわけで
この謎解きが知りたくて一気読みしました(だって単独犯だから狙撃手はいないはず)
ただ原作でも、他の事故(絵画の落下、ブレーキ等)についてははっきり断言しているのに
これに関してはすっかり騙されましたよ的な言葉で曖昧なのですよ
想像するに先に穴をあけておいた帽子を意図的にテーブルに残して行き
弾丸は彼女が自分でポワロさんの足元に転がせたってことかなと
(もう一度読み返したらニック登場前に、テラスの壁にぶつかった小石をポワロさんが拾い
上げたってくだり、これがどうも弾丸だったみたいだから彼女が自分で撃ったのかなと)
ヘイスティングスが好印象だとやたら褒めあげていたチャレンジャー中佐が
実はおじのマカリスター博士(精神科医?)と組んで麻薬売買をしていたり
薬中と思われたフレディが、本当にコテコテ薬中の夫から殺されそうになったり
結局その夫は死んで、愛するジムとやり直そうと頑張っていたとか
(薬中とまではいかないけど、ニックも麻薬を使っていた)
エンド・ハウスの家政婦エレンがいわくありげな顔をしていたのは
大きなお屋敷に伝わる不吉ネタに怯えていたってことかな
オーストラリア人夫婦は実はジャップ警部もよく知る詐欺夫妻だった
ニックの従兄のチャールズ・ヴァイスはドラマ版ではニックを思っている設定でしたが
原作では単なる弁護士で、影が薄かったかな(まあ容疑者候補ではあったのですが)
セリフやお話の流れはほぼ変えてなくて
それでも原作を読んだ方が細かい部分までわかって面白かった
そしてラストの腕時計のくだりも、自殺するってわかっているのにあっさりしているポワロさん
好きです(この時代だからあったり前なのですよね)
今回の凶器は銃、動機はお金と嫉妬
原作の覚え書き
冒頭でヘイスティングスとの会話では
内務大臣からの仕事依頼をもう引退したからと断っている
諺として「ボンネットの中の蜂」 奇妙な考えにとりつかれていると言う意味
トランプの家作りはポワロさんの精神を安定させ頭をスッキリさせるもの
クロフト夫妻は有名な探偵エルキュール・ポワロを知っていて
「青列車の秘密」(去年解決した事件)に感心するって会話が出てきます
(実はニックもあのポワロがやって来た!的な地元の新聞をみて知っていたというオチ)
ポワロさんは1893年ベルギー時代起きた事件(「チョコレートの箱」)について
もし自分がうぬぼれていたら(いつもだと思うのですが)戒めに{チョコレートの箱}と言ってくれと
マイケル・シートンの遺言状の内容を確かめるためにロンドンへ戻った時
弁護士に根回ししてくれていたのが、警視庁のサー・ヘンリー(ミス・マープルに登場する?)
ヘイスティングスがニックにポワロの奇癖について説明する場面では
トーストは真四角でなければならない
ゆで卵2つはほぼ同じ大きさでなければならない
ゴルフが嫌いなのは、いきあたりばったりだからと
炉棚の上の置物を直すという日頃の習慣ゆえに、{スタイルズ荘の怪事件}を解決したと
ヘイスティングスについては
アルゼンチンの牧場が成功したのは奥さん(ベラ)のおかげとポワロさんは考えている
車の修理工場の場面では、機械修理の知識はなく専門用語はチンプンカンプンだと
これには驚いた、車が好きそうだしよく車を直してるシーンを見かけるような
ラスト近くに高熱を出し寝込む場面があり、過去にマラリアにかかったことがあると
原作でポワロさんの無茶ぶりで霊媒役をしたのはヘイスティングス
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