
今日、スーパーで舞茸を買ってきました。秋口に一杯キノコを採って、冷凍庫にはまだ結構入っているんですけど・・・やっぱり、舞茸は、ちょっと違う美味しさがあって・・・、妻は「買ってこなくっても良かったのに」と言っていました。
昼は、幌加内生そばを茹でて、盛りで食べました。幌加内は道北の小さな町ですが、そばの生産量は日本一です。スーパーで売っている生そばの中では、安い方ではありませんが、そばの風味があって、最近はそばというと、このそばです。
もりを食べるにも、つゆに油分が付加されたほうが、絶対に美味しいので、大体てんぷらは揚げます。で、今日は舞茸にしました。
ところで、舞茸の名前の由来は、「美味しいキノコなので、このキノコを見つけた人が、喜び踊りだすから・・・」というのが一般的なのですが、この説の元になった話が、「今昔物語集」の本朝世俗というところに収載されています。
尼さんが山で迷子になって(何人かです)お腹が空いて、目の前に有った名も知らないキノコを食べたら、体が勝手に踊りだした。という話で、それからそのキノコを「舞茸」というと書いてあります。ですが、舞茸を食べて踊りだす(幻覚作用)事は考えられず、そういう幻覚や狂騒作用を起こすキノコとして有名なのは「オオワライタケ」かな~と思うのですが・・・。
ま~色々あやしい話や、荒唐無稽な話の宝庫である「今昔物語集」なので、目くじら立てるほどではないんですけどね。
今昔物語集には、キノコの話が全部で5話(全て本朝世俗収載)あって(だと思います)、どの話もお笑い系の話で面白いので、一度読んでみて頂きたいと思います。
この舞茸以外では、あとの4話に共通しているのは「ヒラタケ」です。その昔から日本人が愛したキノコなのがわかります。
その中でも、題にキノコは出てこないのですが、ヒラタケがあふれている話があります。殿様が馬もろとも谷底に落ちてしまいます。おつきの家来達が大騒ぎしていたら、谷底から殿様の声がして、縄をつけたカゴを下ろせと言う。それに入って殿様が上がってくるのかと、、家来達がカゴを上げると・・・カゴには溢れるほどのヒラタケ。その後、ヒラタケを抱えて上がってきた殿様、「まだ取りこぼしがあって、残念だ」と嘆くのでした。それを聞いた家来達が笑うと、『頂ける物は土でも、有難く頂かなくてはいかん』と殿様が訓じたので、家来達は腹の中では笑いながら、平伏した。というような話です。
当時の上下関係とかが、垣間見れて面白いのです。思ったほど、上との関係もギシギシしていなかった様で、これはお坊さんの世界でもそのようで、笑い話が多くあります。
話の宝庫である「今昔物語集」は色んな話の雛形になってきました。芥川の「羅生門」や「鼻」は有名ですし、「竹取物語」や「姥捨て山」の原型のような話も数多くあります。約1000話。日本が世界に誇れる本だと思いますね。
