春日若宮神宮 おん祭り

いま、年末年始を一緒に過ごす予定だった
すぐ下の弟夫婦から電話があり夕方から来るという。
彼らがくるとＰＣは占領されるので、今の内にさっき見終わった
凄い映像のことを書き残しておくことにします。


ＮＨＫのナレーションは次のようにはじまります。

日本人の祖先は自然の中に神の気配を感じ祈りを捧げてきました。
やがて人々は神さまを美しいお社に迎え祈るようになりました。

春日大社を包み込む手つかずの春日山原生林
この森からかって神々が降り立ったと伝えられています。

この番組は神の気配を映像と音でとらえようとした祈りの記録です。

1月1日早朝に放送された
「神々が降り立った森からのメッセージ　春日大社の記録」

春日大社には、特別な祭りがおこなわれる
もうひとつの大きな祭りがある。
若宮神社。９００年近くとだえたことがない。

それは神が人里に降り人々と直接出合うまつりです。
若宮をお社から1㎞ほど下ったお旅所にお連れする行程。

12月17日午前０時。遷幸之儀（せんこうのぎ）

お旅所に神を迎え神と人が一緒になって祭りをする。
これが祭りの原型と言われるそうです。

星降る深夜　ざわめき立つ木々。
『おーー』という神官たちの先ぶれの声。
神の姿は見てはいけないもの。
若宮を榊（さかき）で取り囲みお移しする。

二基の大松明が先導し、香を薫きながら神の通られる道を清める。
雅楽の音色が参道に木霊した。

かがり火。薪のパチパチとはぜる音。


12月17日午後10時30分。還幸之儀（かんこうのぎ）

若宮が再び森の中のお社へと帰ります。
風の音。鳥の鳴き声。獣の遠吠え。降る星々。


自然への畏れと崇拝が　春日の森に
今日も風が吹き　水の流れ生命が育まれている
このナレーションで番組は終わります。



見始めは、リラックス姿勢で見ていたのですが
途中から座り直しました。それほどの作品でした。

深夜からまる一日かけて行われるこの祭りの一部始終を
テレビカメラが記録していて、それはそれで凄いのだが
私は5年前に　この「おん祭り」を克明に文字で残された方の
ご本を読んでいる。
読んでいて、確実に神の気配を感じたほどでした。

先代の春日大社宮司でいらっしゃった葉室頼昭さまです。

どうなのでしょう、、、、
葉室宮司がご存命であれば、神事を映像で記録することを
承諾なさっただろうか、、、と余計なことを考えました。

そして、自分をひるがえってみれば
5年前に、このような本をじっくり読みふけり
日本人のこと、感謝のこころを知る心の安定があったのだと。


なんでもかんでも政治のせいにして、不満だらけのことを
ブログで綴りましたが、ことしは　もう少し腰を落ち着け
このような本を読みふける自分を取り戻してみたいと考えています。

長い文になりました。ここまでお読みくださりありがとうございました。