朝散歩

散歩、好きだと思うけど、なかなか素直に玄関に来てくれないこま。
おやつとの交換条件をつきつけられて、いつも母が交渉負けしている。

※たまにおやつだけを受け取って、逃げ足早く、再度おやつ要求をつきつけてくるこまは強者

（まだ行かないの？）

（行こうよ）

準備を終えたこまは、さっきとうってかわってイケイケ。
父・母交互にかわいらしい瞳でじっと見てアピール。

いや、おまえがハーネスつけるの拒否ってたでしょーが！
っていうツッコミは気にしないハートの強い男、こま。

（行くよー）

先導すると見せつつ、


見事な「オスワリ」を披露。


さあ、行こうか。

（早くー）


（早くー）


こまがうちに来てからしばらくは、
ものすごく引きが強くて、手が痛いくらいで。
雨上がりに引っ張られて滑って尻もちついたことも・・・・・・なつかしいな。もう2年とちょっと前。

いまでは、ゆるーりゆるーり。のんびり。

って言えば聞こえはいいけど、マイペース！！
途中で止まることが多くなった。

いいことなんだけど、ご近所さんに知り合いが増えてきて、
「こまちゃーん！」
って呼ばれると、それはこまの脳内変換では

オヤツ！！！

となり、

まあ、その声がかかるのを待って、
その声の主を探して、角を曲がるたび、前後左右をじっくりと見渡し・立ち止まり・また2度見して・・・
あきらめがつかずにまた見て・・・

なんて調子でストップアンドゴーな、変則スピードでのお散歩。

けれど、なんかそう歩きにくくもないのは、
やっぱりこまがおりこうで優しいからだと思う。

ちゃんとこちらのことも考えてる、と、思いたい。たぶん。思ってる。


今日は、土曜日だから、いつもより遅い時間のお散歩。
日差しも昨日とうってかわって気持ち良くて、公園で何人＆何匹かとご挨拶してから、ベンチで一服。

ジュースとコーヒーで。
こまは待望のオヤツ。


（もひとつください）


ピシッ！


（これは？）

なんて公園のベンチでまったりしてから、折り返し。

たまに会う、ライオンのようなにゃんこ。
目つきは悪いが、美猫さんだと思う。


さえずりに上を見上げれば、

もう、つばめが来ている。

こまと会ってから、季節を感じるようになった。
朝と夜の明るさ具合とか、温度とか。
こまがしっこをかける木が芽吹いたとか、草が花咲いたとか。
こまと菜の花畑で写真と撮りたい、桜がいい、とか。

「こまはいろんなものをくれるね」
と、さらっと夫が言った言葉が、すとんと納得で。

そんなすごいこまは、階段の踊り場で、遅れているあたしを振り返ってくれる。




（散歩おわりー？）


（じゃあ次、ゴハンねー）



こま、脚を拭かせてくれるのも、うまくなった。

なんて本当は、人間の方が、こまの脚を拭くのがうまくなっただけのことかもしれない。