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鼓曲萬来

chanter dans un beau japonais

綺麗な日本語で歌う

高校生の頃の話なんですが
英語の授業は1と2がありました
1は文法でしたのでまるっきし駄目でしたが
2の英会話とかになりますと
俄然クラスの中でも地位が上がりまして
教師からもよく「発音が良い」と
褒められて調子に乗った事も有った次第で

まあ、これも当時レパートリーを増やすため
英語の歌を耳で覚えて
丸暗記のように覚えたからだなと思っております
勿論意味等は解りませんでしたが
そりゃ毎晩のように英語の歌唄ってりゃ
誰でも少しは発音も良くなりますわ

しかし、その頃やはり気になったのが
外国の方々に私の歌う英語の唄は
果たして普通に通じているのかというw不安

で、客の外国人やバンド仲間のアメリカンによく聞きました
「僕の英語どう?」って
大体はお世辞でしょうけど
「ときどきおかしな処もあるけどそんなの関係無いし、充分解るよ」
そんな答えでホッとする訳です

まあ今日の選曲は
その頃反対に自信もある程度付ける事の出来た
当時のメガヒット曲をば
たどたどしい日本語ですが
おそらく逆に外国人にしてみれば
私の歌はこんな風に聞こえてるんだろなうと
そう思えた曲の数々

 [ I will follow him] - Little Peggy March 

リトルペギーマーチのこの曲
天使のラブソングで使われていましたが
この曲のポイントは英語と日本語のチャンポンという所でしょうね
英語部分の発音が良い(当たりまえの事ですが)
つまり此処等辺こそが後のキャロルに通じる原点かとも思う訳です
I Love you!I Love you!のリフレインは断然日本語よりこっちですもの

で、次の曲はマジョリーノエルの「そよかぜに乗って」
今度は全部日本語でトライしております

DANS LE MÂME WAGON 

しかし「綿切りの雲」とかマジョリーノエルどういう風に覚えたんでしょうね
一旦母国語に直して仮名振りの要領だったんでしょうかね
当然母国語でのヴァージョンもありますし
日本の歌手による完璧な日本語カバーヴァージョンもありますが
それはそれとして

何か妙な魅力を感じてしまいますねこの日本語ヴァージョン
決して「何この日本語は....」と思う方は少ないでしょうし
何か暖かい目で見守るといった
更に他には無い独特のカテゴリーも形成されるような
そんな領域さえあってもおかしくない出来です

次はイリアさんも歌詞変えてカヴァーしていた
フランスギャルの夢見るシャンソン人形

 Poupée de cire poupée de son 

いや流石に「人形」は難しいでしょうw
これは私がRefrigerator(冷蔵庫)を
ネイティブ風に発音する位の難易度です
しかしこれも何度も言う様に独特の魅力がありますね
という事で以上は「アイドル全力で頑張る」といった風情で
多少のありゃ?も許される訳ですが

これが当時の圧倒的Divaそして大女優
カテリーナヴァレンテとかコニーフランシスとかになってまいりますと
そうも言ってられなくなりますな
そのシェアも段違いですし
アイドルの様に多少の?で済みませんし
私がデイスコで踊る客相手に歌うスケールでもありません
そこには大袈裟に言えば日本に対する
文化的な意味合いや責任も絡んでくる訳で
まして自身の歌唱力、歌への完成度もそこに問われる訳ですから
プレッシャーもかなりあったと推測されます
それじゃカテリーナヴァレンテから「恋のバカンス」

Vacance de l'amour (Koi no bakansu)  

ヴぁ~か~んすゥ~♪!流石です
このクラスになりますと
もう日本語とかイタリア語とかどうでも良いというか
ザ、ピーナッツのオリジナルが本命ですが
1963年発売の同年カテリーナがイタリア語と英語でリリース
あの独特のポルタメント駆使して
ヴァカ~ンス~!と歌うその一点だけでそこは横浜でも幕張でもなく
地中海の浜辺にバン!と飛ばされます

Where The Boys Are (Japanese Version)  

もうコニーフランシスに関しては
日本語バージョンだけでもアルバム作れる位ですし
当時の日本人歌手の殆どが彼女の曲をカバーしてますが
そこはオリジナルの貫禄と艶のある声で
ダイアナロスがクイーンオブ60’'sだとしたら
まさにこれぞクイーンオブ50’s!

他にもミーナの「砂に消えた涙」とか
ジリオラチンクエッティの「雨」等取り上げたい曲も沢山ありますが
最近は外国の歌手が日本語でのリリースもあまり聞かなくなって来ました
もう時代的にグローバル化も進み
ましてネットの時代ですから
ことさら言語に拘るという事も少なくなったんでしょうね

自分の解る言語で歌ってくれたから嬉しいという時代でもないし
あの頃のように外人が珍しいという時代でもないですし
しかしだからこそこういった曲を聴くと
あの頃の自分に戻れるような
そんな気持ちになれるのも確かです

という事で
ともすればどんなに地位の有る方や頭脳明晰と言われる方でも
使う言葉によって品位さえ疑われるような昨今
外国の方でさえ日本語を流暢に話す方も増えましたし
改めて自らで使う言葉にも節度を持っていかねばなりませんね

乙 
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