こんにちは!
連日の雨のせいで髪の自己主張が激しいやましょです笑
今日は以前のBLS勉強会で質問された内容について、
大阪中河内救命救急センターの岸本先生より回答をいただいたので載せておきます。
Q1:Babbsの論文「Optimum compression to ventilation ratios in CPR under realistic,practical conditions: a physiological and mathematical analysis」の酸素デリバリーの表だけ見るとC/V比(圧迫換気比)=25程度が最適に見えるが、何故そうではないのか?
A1:確かにCV比の理想はグラフでは25ですね。
30対2になったのは根拠がなく、実験的な意図があるそうです。
Q2:また、何故人工呼吸は15:1ではなく30:2なのか。同じC/V比なのに何故人工呼吸を2回連続で行うのか?
A2:15:1ではなく30:2になったのは冠動脈圧を上げるためだと思います。
(補足:冠動脈圧は短時間の圧迫では上昇せず、圧迫を繰り返すことが必要なためです。)
Q3:Kusunokiらの論文「Safety of the inter-nipple line hand position landmark for chest compression」では、剣状突起の圧迫は臓器損傷を引き起こすとあるが、具体的にどの臓器が損傷を受けるのか、また臓器損傷以外のデメリットがあるのか?
(個人的には胸骨圧迫の効果も落ちるのではないのかと思っています)
A3:クスノキ先生の論文は胸骨圧迫の効果からの観点ではなく、あくまでも合併症
からの位置決めです。
この論文には特にどの臓器損傷かは記載されてはいませんが、過去の論文では肝損傷、脾損傷、肋骨骨折などの報告があります。
とのことです!
ついでに循環器内科で自分がした質問と回答も載せておきます。
Q4:ペースメーカーの上から除細動をかけるとどうなるか?
A4:(おそらく)心臓への除細動の効果としてはあまり変動はない。
報告されている不具合に関しては、ペースメーカーの閾値の上昇(ペーシングしにくくなる)、電圧の低下(ペーシングが弱くなる)、ペースメーカーのリードを経由してリード先端で心筋を焦がすこと(アブレーション)などがある。
なので、蘇生後も医者にかかろう。
とゆうことです。
講習会の際にも使えるかと思いますので、是非覚えておきましょう★
追伸:
最近自分がちょこちょこ調べているのは「誤嚥性肺炎」。
BLSの手技では人工呼吸による過換気が禁じられているのは皆さんご存知かと思いますが、何故いけないのでしょうか?
よく言われている答えの一つは過換気⇒胃への空気流入⇒胃内圧上昇⇒嘔吐⇒窒息or誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎には実は2種類の病態があり、①chemical pneumonitis(化学性肺臓炎)②bacterial aspiration pneumonia(細菌を誤嚥する事による肺炎)と区別されています。
胃酸の誤嚥が①化学性肺臓炎ですね。
麻酔の際に起こるとメンデルソン症候群とも呼ばれています。
結論だけ簡単に言うと300ccの胃酸の誤嚥だけで死に至ることもあるという恐怖の病態!
人工呼吸は確かに大切ですが、過換気にはご注意を。
より詳しい話を聞きたい方は山本まで。
そんなの信用できねぇという方はPubmedまで笑
誤嚥性肺炎の種類とか知らんかった
よし!Pubmedみるか!(笑)
オレに聞けっつーの笑
ありがとうございます(^O^)
今日誤嚥性肺炎について5分だけ(笑)講義がありました…^^;
過換気についてはまた勉強したいですっ
高齢者に発症して敗血症からショックor死亡したりするからな。
急性期から慢性期まで油断できない疾患だぜ。
しかも誤嚥性肺炎のショックは治療しにくい。
しかもしかも一度肺炎を起こしてARDSになると再発率が非常に高い。