復刻!仙台スランバー

まどろむ夢の中のひとこま・夢のような覚めてるような

冬支度

2011-11-07 | 庄内探訪
”庄内のおばあちゃん家”の日めくりは前の月の8日のまま

トイレの”相田みつを”のカレンダーも8日のまま
この家では”自分”以外”誰”もめくらないカレンダー
居なかった時間の長さを教えてくれる


晩秋から冬の間は何時ものように呼ばれる事も少ない季節
庄内に行く用事もそれほどなくって
確かに1ケ月ぶり

お陰で”りく”のサッカーの試合を堪能出来た
(それにしても惜しまれる試合!まだ引っ張っている!)




用事に出掛ける前に腰をさすりながら横たわっていると
ソファーに座っている”おばあちゃん”が話し掛けてくる

「腰いでなが?(痛いの?)」

「いつもの事だから!」

そう言うと
「どれ!お灸すえてやっがら!せなが(背中)見せろ!」
と手際よくどこからかお灸を持って来る

「こごが?」

”おじいちゃん”が病気になった時に習ったというマッサージ
「骨の上はだめだな!こごさツボあんなや!」

点々とお灸を貼ってはマッチで火を点けてゆく

「この間”みなみ”のせなが揉んでやったら
”お母さん”前みだいに力なくなったんねぇだって!
”わだし”だってもう年だもん!あだりめに年だすげ!(当たり前に年とってるから!)」

人の背中にどんどん火を点けながら
”一人”で色んな話をしている

あまりに気持ち良くって半分寝ている”自分”

まともに聞いてると泣けてくる

「さむぐなるすげ(寒くなるから)体さ気いつけれよ!」
(そっちこそ!七十七歳!)





用事の済んだ午後
少し昼寝をした午後

ようやく思い立って外に行く
「タイヤ取り替えてくる」

「スタンドさ持ってげ!出してあげっすげ!」

「大丈夫!”自分”で取り替えるから!この位」
少し早いかな?と思いながらも月山超えは何があるか分からない

次に来る時には間違いなく雪が積もっているはず

庭先には掃ききれないほどの枯葉



「今掃いでも明日まだ掃がねばなんねすげ」
とは”おばあちゃん”の弁


ぐっしょり汗をかきながら1時間掛けてのタイヤ交換
冬の移動の準備は終った


知り合いの”おかあさん”が届け物をしてくれる

「これ食べて!」

「お餅?」
なんとなくそんな雰囲気の入れ物

「田の神あげしたんですう」

「早いねぇ!」

「”うち”は早場米なんでいつも他所より早いんですう!」
美味しそうなとち餅を2箱

”おばあちゃん”に届けると
「これ渡だして!」と千円札を渡される

「これ”おばあちゃん”から」
と手渡そうとすると

「いい!売りものじゃないし!」首を振る

「分かんないけど”自分”のお金じゃないんで”おばあちゃん”のお金なんで受け取って!」

「すみませぇん!」と”おばあちゃん”にお辞儀をして笑いながら帰って行った






「じゃあね!また」
帰りがけ

”りんちゃん”と”りく”にお小遣い
「これ”子供”ださの!マラソンのお祝いと金賞のお祝いだすげ!」

「あら?ありがとね!」


それぞれに名前の書いてある封筒を貰っての帰り道

月山の頂はもう白い景色に変わっている
庄内もそろそろ冬支度



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