復刻!仙台スランバー

まどろむ夢の中のひとこま・夢のような覚めてるような

TOKYO

2011-11-30 | 日記
月に一度の東京も
一応今年はこれが最後


”りく”に背中を揉んで貰って
最後に両足で上がって貰って
息が止まるほど重くって

「前からこんなに重たかったっけ?」

そんな事考えてぐったりしていると朝になっている
(あのまま寝てしまったんだ!)


朝の6時
慌てて起き出してお風呂にお湯をはる

「どこか行くの?」
”りんちゃん”を起こしに行きながら”母親”が聞いてくる


「とうきょう」

「早く言ってよ!今頃お風呂に入って!まったくう!」



そう言ってスーツにワイシャツにネクタイ選びに悩んでいる

”母親”にとっての『東京』は晴れの場所

東京に行く時はいつも気合いを入れて選んでくれる
(代わり映えしないのに?)



今日のうお座の運勢は最悪

・・・うわべで取り繕うと痛い目に合う?
(東京行ったら大人しくしてよ!少しだけ嘘を交ぜながら)





仙台市よりも面積の狭い東京23区

それなのに昼間の人口は仙台市の10倍以上
東京駅の新幹線出口から1番線の中央線に辿り着くまで
人に酔う
(庄内弁であだま(頭)がマグマグど(と)なる)

無数の地下鉄が縫うように走り
私鉄やJRも複雑怪奇

近代的で斬新な建物も当たり前に多いけれど
意外に多い古い町並みやその風景

歴史的な遺産の数々
ブラタモリはいい番組だ!)

緑が少ないなんて思い込みはただのイメージ
創られた緑も
昔からあった緑もふんだんにある
(ひょっとすると人の住んでいる場所の緑地面積は仙台よりも多いかも知れない?)


何たって刺激的な街

学生街にオフィス街
繁華街に危ない街

それぞれが魅力的な街

魅力があるから人が集まって
人が集まるから仕事が増えて
子供が増えて
学校が増えて

壊してまた新しく作りながら
更に人を集めて行く東京





”学生”の頃は楽しかったなぁ?
”親”から送って貰った仕送りを何の躊躇もなくパチンコですって
どうしようもなくなると日払いのアルバイトして

池袋や巣鴨で酒に飲まれて



東京で就職して
揚げ句の果てに結婚までして

ずっと東京で暮らすものだと思っていた
20何年も前

”自分”も”連れ”も東京が好きだった





帰りの新幹線に携帯の着信が鳴る

「もう帰ったの?食事に行こうと思ったのに!」
優しい上司が誘ってくれる

一通りお礼を言いながら
(やっぱり仙台がいいや!)


東京は好きだったけれど
今は仙台が好き!

庄内も当然好きだけど

強い先輩

2011-11-27 | 日記
「”3年”だけで送別会なんだって!”俺”も焼肉食べてぇ!」

土曜の夜は”3年生”との壮行試合

ついこの間まで一緒にプレーしていた”先輩”は
いよいよ受験に向けたスパート

思えば”りんちゃん”の受験の時もそれなりに大変な思い
いつから受験勉強を始めていたのかは憶えていないけれど

最終的に志望校を絞り込んで
携帯もリビングに置き去りにして
ほとんど部屋に閉じこもって集中し始めたのは確か年明け

”自分”以外の受験モードはピリピリして緊張感一杯
(だったような?だったかな?)




観戦は”3年の親御さん達”と対岸のコートで

午前中に交流試合をこなした”後輩たち”を圧倒する戦い
一人ひとりの切れ味とテクニック
そして見た目は変わらない体格も
1年の差が大きく感じるフィジカル

特に”3年”と”1年”は大人と子供

それでも喰い下がる”後輩たち”

数メートル先から聞こえるそして見える
息遣い
ぶつかり合う体と体
削り合うスライディングの迫力


こんなに強かったっけ?


点を決められる毎に
「まだまだ!いけるいける!」

グランドの底の方から声が掛る

どこまでも喰い下がる”後輩たち”
手を抜かない”先輩たち”


見応えのある壮行試合





「つえぇーわ”3年生”は」
風呂上がりに牛乳を飲みながら”りく”が”母親”に話している

「”強い先輩”で良かったじゃない!だから好きなんでしょ?このクラブ」

こくっと頷いている”後輩”

果たして任されたこの1年で尊敬される”先輩”になれるだろうか?







「テスト終わったのに何でチーム学習なんだよ?」
ぶつぶつ言いながら出掛けてゆく日曜日の朝
(分らなくもないけれど)

どうだろうか?
尊敬される”先輩”に・・・?

やさしくなりたい

2011-11-26 | サッカー
♪♪地球儀を回して世界100周旅行
  キミがはしゃいでいる まぶしい瞳で
  光のうしろ側 忍び寄る影法師


♪♪愛なき時代に生まれたわけじゃない
  キミといきたい キミを笑わせたい

                  ♪♪

最近お気に入りで見ている家政婦のミタ

”ミタさん”の淡々とした行動も
”お父さん”(長谷川博巳)の頼りなさも好き

”きいちゃん”も可愛いし
けな気だし

そして歌も好き
ずっと好きだったも好きだけど



「”りく”の交流試合のメール転送してくれる?」

”りく”は朝早くにサッカーにお出かけ


小学校時代の”仲間”の中学との交流試合

サッカー仲間は仙台近郊に結構散らばっていて
部活に活躍の場を移した選手
セレクションを受けてクラブを選択した選手
特徴のあるクラブを選択した選手
いろいろ



”りくの母親”に転送して貰うメールでその中学校名を確認して車を走らせる
(きっと寒いんだろうなぁ?)


(”K君の親父”は来ているだろうか?)
最後の最後まで迷っていたクラブと部活

何週間前にはすれ違ったグラウンド

(きっと来ている!だいたい”別れた恋人”じゃないんだけれど?)



その予感はあっていた

駐車場から校舎を抜けたグラウンド
やっぱりいた”K君の父”

1年半ぶり


積もる思い
いろんな思い
変わらぬ思い

たぶん

試合観戦もそこそこに1年半のお喋り
(それもほとんど”自分”の話し)

「応援行ってる?」

「ほとんどここのグランドだから」

「こっちは相変わらずホームグランドが無いからあっち行ったりこっち行ったり」

「応援行くの?」

「だって金掛ってるし高校になったら行かないでしょ?たぶん」

「そうだよね!”りく”はどこ行くの?」

一高だって!」

「ほんと?この間N中と練習試合したんだけど”T君”も”S君”も一高目指してるんだって!
それ聞いて”うちの”も一高目指してるから又一緒にサッカーしたいねって言ってたんだ!」

「いいねぇ!また一緒のサッカー見たいねえ!」





そんな話をしている目の前でいつの間にか試合を終えた
”りく”と仲間の”とくちゃん”達3人が”K君”を取り巻いて何か話している

小柄な”K君”を取り巻きながら小突いているちょっと大きめな”3人”

(パッと見るとその3人にカツアゲされている”中学生”の様)


「うちにこいよ!”K”」

「そうだよ!一緒にやろうよ!」

「うちに来たら背も伸びるしさぁ!」
(何を根拠に?)

口説く”3人”

高校までは待てない様子
”仲間”はいつになっても”仲間”

ちょっとばかり羨ましい光景





帰り際
「あの頃の”父親達”と一杯やりたいね!」

「そうだね!こんど”とくちゃんの親父”と相談してみるよ!いろんな事あったしね!」

そんな話をしながらの3時間余りの楽しい時が過ぎる






”大ちゃん”も乗せた帰りの車の中

「”K”うまいわ!来ないかな?”Kのお父さん”何だって?」

「来ないでしょ!チームの要だもん」

「いいから誘ってよ!メール知ってんでしょ!」

「一高で一緒にサッカーやろうって言ってたよ!」



「今だから!」




♪♪愛なき時代に生まれたわけじゃない
  キミといきたい キミを笑わせたい

  愛なき時代に生まれたわけじゃない
  強くなりたい やさしくなりたい

  愛なき時代に生まれたわけじゃない
  手を繋ぎたい やさしくなりたい

                  ♪♪  


何故だか分らないけど
脈絡もなく帰って来てから頭の中を歌が流れる




冬が来た

2011-11-23 | 日記
「山の上雪が降ってんじゃない?」

「降ってるでしょ!交通情報で月山はチェーン規制かかってたから」

「気をつけてね!」

「うん!関東ナンバーには気をつけるから!」

そんな会話で見送ってくれる”彼らの母親”
特に雪道は”自分だけ”が気をつけていても
相手にも気をつけてもらわないと・・・


この時期に移動して来る関東ナンバーは要注意!
(行ける所まで・・・なんていう”怖いもの知らずの輩”が必ずいる!)




日曜日の帰り道には解けていた月山の道端の雪は
二日間で結構積もっている

日曜日には感じなかった風景にも
白い冬の匂いがする



嫌いな冬がやって来た

雪国育ちの冬嫌い

寒いのは大の苦手
たまに見る雪景色は好きだけれど
生活の中に存在する雪は大嫌い

大嫌いなだけにこたつで過ごす”庄内の冬”は好き
なんとも天の邪鬼な”自分”


小さかった頃の家は冬になると
家の中に雪が舞っていた

所々にすきま風が吹いて
朝になるとその隙間から吹き込んだ雪が薄い三角の形になっている

火鉢を入れたこたつが懐かしい



実は夏も嫌い
ただでさえ汗っかきの体質には耐えられない季節

夏場の外仕事は少し動いただけでダラダラの汗
その上眼鏡のレンズに溜まる汗のたま

好きな季節は二つ


一つは雪が解けて野花が芽吹いて
少しだけ暖かくなる春先
あの春の煙のような匂いが好き
ちょうど春のお彼岸の頃


もう一つは残暑も過ぎて暑さにも陰りの出てくる秋口
少しだけ涼しくなって
帰り道に顔を見せる澄んだ月が見える頃
ちょうど秋のお彼岸の頃



でも嫌いな季節があるから余計に感じる好きな季節

これからの長い嫌いな冬の先には
春の匂いが待っている


また冬が来た








第二部

2011-11-22 | 日記
「”伊集院さん”てあの日仙台にいたのかしら?」


「どうだろうねぇ?でも山の上のビレッジも大分やられたから大変だったんじゃない?」

お酒も慎んで4日目

目覚めも良くって平日にしては珍しく早起きした朝


中間テストもいい感じだったようで
のんびりとくつろいでいる”りく”と

朝の支度もひと段落して休息している”母親”に
今3.11の大地震が起きている『青葉と天使』のその瞬間を読んでみせる


同じ時間と同じ仙台で進んでいた話しも
いつからか小説の中の時間と今を流れる時間がどんどん開いて行く


「最近あんまり読んでなかったけどまだあの日なんだ?どうなってくの?」

「分かんないけど今日から第二部になってるから
当たり前に大震災がテーマになるんじゃないの?」

同時進行の物語り

福の神”仙台四郎”を彷彿させる”コウタ”を主人公に
日常的な街の風景と仙台のイベントを織り交ぜながら展開してきた物語


去年の東北大学のフォーラムで話してくれた”伊集院静”の物語の意味するもの


それはあの日が起きてますます時間の共有を感じてゆく


それにしても
”コウタ”も”ノゾミさん”も海のそば
”萌先生”は石巻


置かれた状況は言うまでもない