かごのない自転車で通勤している。荷台に取り付ける小さな鞄もあるけれども、雨合羽を持ち運ぼうとしたらリュックはいわば必需品である。昨日、普段使っていたリュックが突然使えなくなった(壊れてはいないが猫に小便をかけられた)ので、急遽引っ張り出したのが、2002年の吉備路マラソンの参加記念品である。
赤い小ぶりな折り畳みリュックは、いかにも安っぽく、色合いが派手なわりにプリントが変に目立ち、もらった当時は一言で言って、使いたくなかった。地方のマラソン大会は趣味でいくつも参加している人が多数いるものだから、近隣の大きめの大会に行けば、まあたいていは、この赤いリュックを早速使っている人を見かけたものだけど、否がおうにも目につくというか、ああ、使っているのだな、と印象深かったものである(きっと悪い意味で)。かっちょ悪いもん。
それを通勤に使うことになった。雨合羽と折り畳み傘(一応いるの)、パンク修理グッズ、LED灯、ワイヤー錠、財布類…を入れるともう満杯で、猫の餌を買って帰るのも面倒になった。服装に無頓着な自覚のあるわたくしといえども独自の美意識はあって、あのリュックは正直なところ使いたくなかったし、そのうえ実用面でも劣る。なんてひどい。
ちなみに、2004年吉備高原車いすふれあいロードレース大会の参加賞の黒リュックは評判が高く、靴や着替えや飲み物を入れても余裕があるばかりか、さすが大物の運搬を想定しているだけのことはあって肩紐のクッションも怠らず、防水ビニール製は安っぽいふりをして小雨をしのぐ機能重視。便利だっただけに、これは使いつぶした。