色レポ

都市・建築・インテリアを、色彩というキーワードからひも解きます。環境色彩計画に特化した企業 クリマのスタッフブログです。

変化する風景 その2

2008-05-13 19:30:08 | まち色
私達の周りの風景は、時間と共に色々な変化を紡ぎ出す…。
そんなことをしみじみと考えていたら、建築のファサード自体にも、変化するものがあることに気が付きました。

これは、表参道にあるBagショップ。鏡に繊細なグラフィックが配されたファサードには、通り沿いのケヤキ並木が映り込みます。
ケヤキが風で葉を揺らしたり、紅葉時期に葉が色づいた時にはまた違った表情を見せてくれるのでしょう。

商業施設ならではの華やかさが上品に表現されていると思いました。



次は、銀座に新しくオープンしたスワロフスキーの路面店です。
吉岡徳仁氏のデザインということで、話題になっているようですね。
ファサードは多面体の細いバーが幾重にも重なり合い、これがまるで氷柱のよう。

通りを歩いて行くと、少し離れたところからもキラキラ感が感じられます。
同じ鏡でも、表参道のように周囲の風景を映し込む、と言うよりは、映る風景が細かく切り取られ更に繋ぎ合されたパッチワークのような雰囲気です。

自然も都市も、変化には様々な形がありますね。



カトウ

変化する風景 その1

2008-05-12 18:32:56 | まち色
色彩計画を考える時。周辺の環境との関係性、を大切に考えています。
周りの風景が、時間や季節によってどのように変化するか、あるいはあまり変化しないのか…。
そういう視点を持っているので、色々な風景の“定点観測”がちょっとしたマイブームです。

これは、仕事でも良く訪れるまち、丸の内界隈。
冬場は落葉樹の葉が落ちて、少し殺風景な印象もあります。



ところが、新緑の季節になると…。
清々しい緑と、照明柱に取り付けられたプランターに咲きこぼれる、草花の色鮮やかなこと!
普段何気なく歩いている都市部においても、自然の変化の多様さというのはこんなにも豊かで、いつも私たちの心を潤してくれるものだと思います。



一方、もう少し短い時間の変化の中では…。
休日の散歩コースに、季節の草木が豊富に配された小道があります。
4月、5月の初めは雨が多かったのですが、春の雨は暖かく、歩くのも苦になりません。

雨に濡れた樹木の幹や、路面を見ていて気がついたこと。
濡れた状態では明度が下がる(暗くなる)という認識はありましたが、よく見ると彩度(鮮やかさ)は少し鮮やかになり、全体に対比がくっきりとしてコントラストが強調されているのがわかります。

このように、私たちの周りの風景は、時間の経過と共に色々な変化を紡ぎ出しているのだな、と思います。

 

カトウ