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中国人「医療観光」、ビザ要件緩和が後押し

2010-05-11 | クール・ジャパン
中国人「医療観光」、ビザ要件緩和が後押し

 政府が7月から中国人向け個人観光ビザの発給要件を大幅緩和する見通しとなった。日本国内で観光を楽しみ、併せて先進的な検査や治療を受ける「医療観光」(メディカル・ツーリズム)の人気が中国人の間で高まっているが、政府方針はこれをさらに後押しすることになりそうだ。

 がんの早期発見につながるPET(陽電子放射断層撮影)など、最先端のがん検診施設を備える聖授会OCAT予防医療センター(大阪市浪速区)は、「日本旅行」(本社・東京)を通じ、昨年4月から中国人観光客の受け入れを始めた。

 同7月には日本が中国人向け観光ビザの発給を認めるようになったことも追い風になり、2009年度は約40人が受診。今年度は100人を見込む。中国ではこうした高度な設備を備える医療機関は少なく、検診を受けるのが難しいという事情も人気の背景にある。

 個人旅行で来日し、大阪城や清水寺などを観光。オプションで1日を検診にあてる。無保険のため検診と通訳だけで約40万~60万円かかるが、中国人からは「サービスがきめ細かく、医師の説明が丁寧で安心」と好評という。日本旅行と提携する中国・北京の旅行会社「優翔国際」は「がん早期発見の検査が確立され、誤診も少ない日本で、検査を受けたいと望む裕福な中国人は着実に増えている」とみる。

 徳島県は3月、徳島大病院での糖尿病検診と、阿波踊り体験や鳴門渦潮観光を組み合わせたツアー(3泊4日)を県の事業として実施、中国からモニター27人を招いた。県によると、参加者からは「日本には先進的な設備があり、優秀な医師もいる。観光とセットなら魅力はさらに増す」との声が寄せられたという。

 観光庁によると、世界の医療観光市場は2012年度には約10兆円規模まで成長する見通しで、同庁は国内医療現場の受け入れ態勢について調査を始めた。

 医療観光に詳しい真野俊樹・多摩大教授(医療経済)の話「最先端の医療設備は今後、中国でも徐々に整うと考えられる。将来を考えれば、日本の先進医療技術を生かし、治療受け入れに力を入れたほうがいい。そのためにも、ビザの発給や更新のスピードアップ、医療用語が分かる通訳の確保といった課題を解決するべきだ」

(2010年5月10日 読売新聞) より

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